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【大阪難波の社労士】2024年予定の労働法改正は?主要なものを一覧で解説

2023.12.28 スタッフブログ

大阪難波を中心に、全国規模で企業の労務対応をサポートしている、社会保険労務士法人渡辺事務所です。

従業員を雇用し、企業を適切に経営していくために必須なのが、労働法の遵守です。2024年も複数の法改正が予定されており、できるだけ早く最新の情報をキャッチしておくことが欠かせません。

本記事では2024年予定の労働法改正について、主要なものを一覧で解説します。

労働法とは労働に関する法令の総称

そもそも労働法とは、どのようなものなのでしょうか。労働法とは労働に関する法令の総称で、使用者と労働者の関係性を定めているものです。

一般的に労働者は使用者よりも立場が弱く、劣悪な労働条件の下で労働させられるなど、やりがいを搾取される可能性があります。労働者を保護し、適切な条件・環境下で働けるよう、二者間の力関係を是正するのが主な役割です。

労働法に該当する主な法律は、次の通りです。

  • 労働基準法
  • 労働組合法
  • 労働関係調整法
  • 労働契約法

労働基準法では労働時間・休憩・休日・有給休暇といった、労働者が働く諸条件について定めています。日本国憲法第28条で認められている、労働三権(団結権・団体交渉権・団体行動権)に関するルールを定めているのが、労働組合法です。

労働関係調整法は主にストライキやロックアウトといった、労働争議の予防・解決を目的としています。そして、労働契約法では、使用者と労働者の間で締結される労働契約に関するルールを定めています。

上記以外にも労働法に該当するものがあり、企業ごとに必要な法令を遵守しなければいけません。

参照:厚生労働省「知って役立つ労働法

2024年に実施予定!労働法の主要な改正一覧

2024年に実施予定の労働法改正は、多岐に渡ります。以下で、特に多くの企業にとって共通すると思われる主要な改正内容を、いくつか見ていきましょう。

2024年1月実施

2024年1月に実施予定の法改正は、次の通りです。

【電子帳簿保存法】宥恕期間の終了

電子帳簿保存法の改正に伴って、2024年1月1日以降は電子取引のデータ保存が義務化されます。改正法自体は2022年1月1日より施行されていますが、保存義務化に関しては2年間の宥恕(ゆうじょ)措置期間が設けられていました。

相当の理由があると判断され、且つ、ダウンロードの求めや出力書面の提出に応じられる場合は、電子保存の猶予が認められます。ただし「相当の理由」の基準は、まだ明確ではありません。

2024年2月実施

2024年2月実施予定の法改正は、以下の通りです。

【労働安全衛生法】テールゲートリフターにおける特別教育の実施

テールゲートリフターとは、トラックの荷台後部にある積み降ろし用の昇降装置のことです。労働安全衛生法の改正に伴い、2024年2月1日より、テールゲートリフターの特別教育が義務化となります。

特別教育は学科教育と実技教育に分かれ、社内や外部機関にて受講します。

2024年4月実施

2024年4月の実施予定の主要な法改正は、次の5つです。

【労働基準法】ドライバー職における労働時間の上限規制

2024年4月1日より、トラック運転手といったドライバー職の労働時間に上限規制が設けられます。

法改正の詳細は「【大阪難波の社労士】ドライバーの労働時間の上限規制とは?運送・物流への影響も解説」をご覧ください。

【労働基準法】建設業における労働時間の上限規制

またドライバー職だけでなく、2024年4月1日からは建設業の労働時間にも上限規制が設けられます。

【大阪難波の社労士】建設業で労働時間の上限規制が開始!取り組むべき課題も紹介」で詳細を解説しているため、ぜひチェックしてみてください。

【労働基準法】裁量労働制の見直し

裁量労働制とは、使用者の間で「みなし労働時間」を定め、労働者が勤務時間を自由に決められる制度です。

専門業務型裁量労働制と企画業務型裁量労働制の2種類があり、2024年4月1日からは、専門業務型裁量労働制の適用対象業務が拡大します。いわゆるM&Aと呼ばれる、銀行や証券会社における顧客の合併や買収に関する調査、分析、考案、助言に関する業務が追加されます。

【労働基準法】労働条件明示のルール変更

労働契約の締結時に賃金や労働時間といった条件を明らかにするのが、労働条件明示です。2024年4月1日より、明示のルールが変更となります。

詳細は「【大阪難波の社労士】2024年より労働条件明示のルールが改正!変更内容を解説」をご覧ください。

【障害者の雇用の促進等に関する法律】法定雇用率の引き上げ

2024年4月1日より、民間企業における障害者の法定雇用率が、2.3%から2.5%に引き上げられます。具体的には従業員数が40人以上の企業にて、障害者を雇用する義務が発生します。

また特例措置として、週10時間~20時間未満の短時間労働者も、1人あたり0.5人として算入可能です。

障害者雇用については「【大阪難波の社労士】障害者雇用とは?制度の概要やメリット・デメリットを解説」で解説しているため、目を通してみてください。

2024年10月実施

2024年10月に実施予定の法改正は、次の通りです。

【年金制度改正法】社会保険適用の拡大

年金制度改正法によって、2024年10月より、社会保険の適用範囲が51人以上の企業に拡大します。

詳細は「【大阪難波の社労士】2024年10月より社会保険の適用が拡大!開始に向けた準備も紹介」で紹介しているため、ぜひご覧ください。

2024年秋頃に実施

最後は2024年の秋頃に実施予定の法改正です。

【改正マイナンバー法】紙の健康保険証の廃止

2024年秋頃より、紙の健康保険証が廃止され、マイナンバーカードに一体化します。ただし、現行の紙の保険証は2024年の秋以降も、有効期限が来るまでは利用可能です。

マイナンバーカードの健康保険証利用については「【大阪難波の社労士】マイナンバーカードの健康保険証利用とは?会社が準備すべきことも解説」で解説しています。

2024年の労働法改正に向けて企業が準備すべきこと

2024年の労働法改正に向けて、企業が準備すべきことがいくつかあります。

就業規則の改訂

労働時間の変更や裁量労働制の導入など、改正内容によっては就業規則を改訂する必要があるでしょう。

就業規則の改訂が必要かどうかを事前に確認し、内容を含めて滞りなく改訂作業を進めていくことが大切です。

従業員への周知

拘束時間や休憩時間の変更、社会保険適用の拡大などは、従業員に直接的な影響を及ぼします。

そのため、対象となる従業員をピックアップして、変更内容をわかりやすく説明しておきましょう。

給与・勤怠管理システムを整える

法改正に伴って、従業員の給与や勤務時間、残業時間などに関する管理業務が煩雑化するかもしれません。最新の法律に沿って適切に経営を進めていけるよう、現在どのように給与や勤怠を管理しているかを見直し、必要に応じてシステムを整えましょう。

専用のソフトを導入するほか、社会保険労務士といった専門職によるアウトソーシングサービスを利用する方法もあります。

まとめ

労働法とは労働に関する法令の総称で、2024年もいくつかの法改正が予定されています。自社の事業内容や状況に関連するものをあらかじめ確認しておき、滞りなく必要な準備を進めていくことが大切です。

法改正に伴う管理業務の煩雑化に対しては、専用のソフトやクラウドサービス、専門職によるアウトソーシングサービスなどを利用すると、業務のスムーズ化を図れるでしょう。

社会保険労務士法人渡辺事務所は、大阪市中央区難波を拠点に全国対応しております。オンラインにも対応し、遠方の方もご利用可能です。労務管理のアウトソーシングのほか、最新の法令遵守状況の可視化などにも応じているため、ぜひお気軽にご相談ください。

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