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【大阪難波の社労士】2024年より労働条件明示のルールが改正!変更内容を解説

2023.10.12 スタッフブログ

大阪難波を中心に企業の労務対応をサポートしている、社会保険労務士法人渡辺事務所です。

労働基準法の改正に伴って、労働契約の締結に欠かせない労働条件明示のルールが、2024年4月より変更されます。内容に違反すると罰金が課される可能性があるため、担当者様にはぜひ知っておいていただきたいところです。

本記事では労働条件明示の変更内容について、労働条件を明示する際の注意点と一緒に解説します。

労働条件明示の概要

労働契約の締結時に労働者に対して、賃金や労働時間といった諸条件を明らかにするのが、労働条件明示です。労働基準法第15条で規定されており、明示は義務とされています。

労働条件明示には、書面にて明示しなければいけない絶対的明示事項と、会社の規定があれば明示する必要がある相対的明示事項の2種類があります。それぞれの明示内容は、以下の通りです。

絶対的明示事項

  • 労働契約の期間
  • 労働契約を更新する場合の基準(有期労働契約に限る)
  • 就業場所と従事すべき業務の内容
  • 労働時間・残業の有無・休憩時間・休日・休暇など
  • 給与の決定・計算方法・支払日・支払方法など
  • 退職と解雇事由

相対的明示事項

  • 退職金について
  • 臨時に支払われる賃金や賞与などについて
  • 労働者に負担させるべき食費や作業用品、その他について
  • 安全や衛生に関する内容
  • 職業訓練に関する内容
  • 災害補償や業務外の疾病扶助に関する内容
  • 表彰や制裁に関する内容
  • 休職に関する内容

またパートタイムといった短時間労働者に対しては、パートタイム労働法第6条により、昇給の有無・退職手当の有無・賞与の有無・相談窓口も明示しなければいけません。

絶対的明示事項の明示方法は書面が原則ですが、労働者の希望によって電子メールやFAXなどの利用も可能です。

参照:厚生労働省「よくある質問

2024年4月よりルールが改正!労働条件明示の変更内容

労働基準法の改正に伴って、2024年4月より労働条件明示のルールが変更となり、次の4つが追加されます。

  • 就業場所・従事すべき業務の変更範囲
  • 更新の上限
  • 無期転換の申込機会
  • 無期転換後の労働条件

以下で、それぞれの詳細を見ていきましょう。

参照:厚生労働省「2024年4月から労働条件明示のルールが変わります

就業場所・従事すべき業務の変更範囲

就業場所・従事すべき業務はすでに絶対的明示事項ですが、2024年4月からはさらに変更の範囲の追加が必要です。将来の配置転換などで変わりうる、就業場所・従事すべき業務について明示しなければいけません。以下は明示方法の一例です。

就業場所
(雇入れ直後)大阪府大阪市中央区難波〇〇
(変更の範囲)大阪府内

従事すべき業務
(雇入れ直後)経理業務
(変更の範囲)経理・総務・人事業務

有期・無期のすべての労働契約締結時と、有期労働契約の更新時にそれぞれ明示します。

更新の上限

有期労働契約の締結時と契約更新時に、それぞれ更新上限の有無と内容(期間や回数)を明示します。

最初の労働契約締結時の後に更新上限を新たに設けたり、短縮したりする場合は、新設・短縮する前のタイミングで、労働者へ説明しなければいけません。

無期転換の申込機会

有期労働契約では無期転換ルールがあり、労働契約が5年を超えて締結・更新した場合は、労働者の申し込みによって無期労働契約へ転換できます。

2024年4月以降は、無期転換の申込権が発生する更新のタイミングごとに、申込機会がある旨を明示する必要があります。

参照:厚生労働省「無期転換ルールについて

無期転換後の労働条件

無期転換の申込権が発生する更新のタイミングごとに、無期転換後の労働条件を明示しなければいけません。もし労働条件に変更がなければ、その旨を明示すれば事足ります。

また無期転換後の労働条件は、正社員といった無期雇用フルタイム労働者とのバランスを考慮した事項(業務内容や賃金の程度、異動の有無・範囲など)についての説明が求められる点に注意が必要です。

労働条件明示に関する注意点

労働条件を明示する際は、いくつか注意しておきたい点があります。主な注意点は、次の3つです。

雇用契約書を交わす

労働条件を明示するときは、雇用契約書を交わしておくのがおすすめです。

労働基準法では労働条件通知書が規定されているものの、雇用契約書は義務づけられていません。しかし、雇用契約書には一般的に労働条件についても記載されており、労働条件通知書としての機能を持っています。 従業員との間に起こるトラブルを防止するためには、雇用契約書を交わしておくことが推奨されます。

テンプレートを活用する

労働条件の明示に決まった様式はないため、会社ごとに自由に設定できます。しかし、絶対的明示事項や改正に伴う追加事項などの記載漏れを防ぐためには、テンプレートの活用が効果的です。

厚生労働省のホームページでも、労働条件通知書を始めとする、労働基準法に関する各種の様式をダウンロードできます。2023年10月時点では、労働条件明示の変更内容が追加されていません。しかし、ワードでダウンロードすると文言を追記できるため、それぞれで追加するとよいでしょう。

参照:厚生労働省「主要様式ダウンロードコーナー(労働基準法等関係主要様式)

労働条件通知書には5年間の保管義務がある

労働条件通知書は労働者の在職・退職にかかわらず、5年間は保管しなければいけません。そもそも保管していなかったり、5年以内に処分したりすると、労働基準法第120条によって30万円以下の罰金に科される可能性があります。

以下の方法をとると、適切な保管に役立ちます。

  • 電子化する
  • 書面で保管する場合は適切に分類する
  • 保管義務期間が過ぎたものは処分する

労働者が希望している場合、労働条件通知書は電子化での交付が可能です。電子化によってペーパーレス化が実現し、保管するスペースとコストを削減できます。

書面で保管するときは、適切な方法をとりましょう。労働条件通知書以外にも保管が必要な書類が多いと、何をどこに保管したのかがわかりにくくなってしまいます。種類別・年度別に分類し、さらにいつまで保管が必要なのかをメモしておくとよいでしょう。

また労働条件通知書に限らず、保管義務期間が過ぎたものは処分することも大切です。不要な書類を処分すると、本当に必要な書類の適切な管理に役立ちます。

まとめ

労働条件明示は労働基準法による義務で、違反すると30万円以下の罰金に科されます。法律の改正に伴ってルールが変更され、4つの内容が追加されます。

また労働条件を明示する際は、雇用契約書を交わすのがおすすめです。義務ではないものの、従業員とのトラブル防止に役立ちます。

社会保険労務士法人渡辺事務所は、大阪市中央区難波を拠点に全国対応しております。労働条件明示を始め、従業員の働き方を正しくマネジメントする労務管理体制の構築に関するサポートに応じています。

労働条件や労務管理体制でお悩みの担当者様は、ぜひお気軽にご相談ください。

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