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就業規則の勤務時間、正しく記載できていますか?見直しで生産性向上とトラブル予防を実現するポイント

2025.09.16 スタッフブログ

「勤務時間ってどこまで細かく就業規則に記載すればいいの?」「自社の働き方が多様化する中で、就業規則が実態に合っていないのでは…」とお悩みではありませんか。従業員100人規模の会社の場合、時差出勤や時短制度、テレワークの導入など働く形態が多様になることで、勤務時間の管理やトラブル対応は今まで以上に難しくなります。

就業規則の勤務時間欄が曖昧だったり実態とズレていたりすると、残業代請求や労働時間トラブル、労基署からの指摘といったさまざまなリスクが生じます。また、DXによる業務効率化を進めたいのに、肝心の規則が現場の仕事と合っていないことで社内DX推進にもブレーキがかかることがあります。

今回は、全国対応のHR BrEdge(エイチアールブレッジ)社会保険労務士法人が、「就業規則における勤務時間の正しい記載方法」について、法的なポイントから実際の見直し・改善事例、そして業務効率化の着眼点までわかりやすく解説します。

## 就業規則の「勤務時間」―なぜ正確な記載が必要?押さえるべき法的ポイント

就業規則の勤務時間記載は、労働基準法の根幹です。
企業は労働基準法第89条に基づき、常時10人以上の労働者を使用する事業場なら就業規則を作成し、絶対的必要記載事項として勤務時間(始業・終業時刻、休憩時間等)を明記しなければなりません。これは、「会社と従業員の間でトラブルを減らし、公正な労務管理を行う」ための最低限のルールです。

  • 始業・終業時刻を会社ごと、または部署・勤務形態ごとに区分して記載する必要があります。
  • 休憩時間・休日・休暇も明確に規定し、変形労働時間制やフレックスタイム制を導入する際は、その運用ルール・対象者も記載が必要。
  • テレワーク、時差出勤など多様な勤務形態を認める場合は、「どの働き方に、どの勤務時間が適用されるか」も紐づけておくことが安全です。

よくある誤解

  • 「コアタイムや時差出勤は就業規則不要?」「形だけ記載しておけば大丈夫?」
    →あいまいな文面だと「曖昧な残業裁量」「労基署からの是正指導」「従業員とのトラブル」の種になります。
  • 「現場で調整できるから細かく書かなくて良い」
    →実態との乖離が大きくなり、管理職や従業員によって“ルールが異なる”状態になりやすいです。

<総務担当者の視点>

勤怠・給与計算の手続きや運用を現場の管理者と一緒に回していると、「規則通りに打刻・申請できない」「変則シフトや特例対応が増えた」といった課題が日常的に出てきます。
その際、あいまいな勤務時間記載は「管理のゆらぎ」「申請・承認の二度手間」「労務トラブル」につながるので、実情とマッチした記載が大変重要です。

<経営者の視点>

多様な人材活用、柔軟な働き方推進、DX導入による働き方変革――そうした変化の根底には「公正で分かりやすい勤務時間のルール作り」があり、就業規則が曖昧なままでは組織風土の改革にもブレーキがかかります。
内部統制の強化や企業価値・ブランド向上ためにも、自社の多様な働き方と就業規則を定期的に検証し、記載内容の見直しや運用改善に取り組む必要があります。

図解イメージ:「就業規則の勤務時間欄=会社の働き方の“設計図”」
設計図が曖昧なら、どの現場もバラバラな運用になって長持ちしません。逆に設計図が明確なら、全員の動きがそろい、ムリ・ムダが減ります。

## 就業規則勤務時間のおすすめ見直し手順・現場の失敗例とDX活用法

1. 現在の勤務実態を「見える化」する

まずは現場の実態調査から。従業員の始業・終業時刻、休憩取得、残業発生タイミングなどを紙や表計算ソフト、もしくはGoogleフォームやクラウド勤怠システムを使ってDX化しながらデータを集めます。
「本当は9:00~18:00だけど8:45から業務開始している」「部署によって時差出勤や早出が常態化」など、実際の姿と規則の齟齬を浮き彫りにします。

2. 法令・社内方針と照らしたチェック

・勤務時間、応じて変形労働やフレックスタイム制を導入している場合は、その要件や運用ルールが法令(労働基準法や関連通達)に合っているか社労士や専門家とチェックします。
・複数の勤務パターンがある場合「本則+別表」「パート・アルバイト規程」「在宅勤務規程」と分けて記載する方法も有効。

3. 規則記載と運用のすり合わせ

・実態と規則のギャップを埋める案を作成(例:時差出勤の明確化、テレワーク勤務時間の個別規定)。
・総務や人事部門と現場の管理者、必要に応じて顧問社労士と一緒にドラフトを作り「過不足なく簡潔・誤解が生じない文言」へ練り上げます。

4. 従業員周知と運用のDX化

規則改定後は「説明会(リアル・Web会議)」「チャットツールやメールでFAQ共有」「Googleフォームで意見募集」等DXツールを駆使し、理解度や運用上の課題が出れば随時アップデート。特にDX推進中の企業は業務フローや勤怠処理もシステム化と並行して規則内容を見直しましょう。

【現場でよくある失敗例】

  • 「テレワークの勤務時間が就業規則に全く記載されていない」
    →在宅勤務中の始業・終業に関し曖昧な解釈となり、休憩や残業の扱いで混乱。
  • 「フレックス制導入後も従来型勤務時間しか記載されていない」
    →従業員から「自分でコアタイム調整できる」と誤解。申請・承認フローも定まらず残業・休日トラブル発生。
  • 「現場判断ばかりで管理職によって対応がバラバラ」
    →同じ会社内で不公平感や人間関係トラブルが起きやすい。

【成功事例】

  • 「Googleフォームで勤務時間の運用実態調査→就業規則へ正確反映」
  • 「クラウド勤怠・チャットツール活用で情報共有→周知・相談のスピード向上」
  • 「顧問社労士が月次で就業規則運用をレビュー→トラブルを未然に防止」

総務担当者の視点:システムや記録のDX化を活用し集計負担・ミス低減できる時代だからこそ、現場の“困りごと”を早くキャッチしてルールに反映できる体制整備が決め手です。
経営者の視点:生産性向上と公正性、コンプライアンス強化を両立させるため、現場・管理職・経営層・専門家を巻き込んだPDCAサイクル運用が重要です。会社全体の業務フローや社内DXにも適応する記載・運用を目指しましょう。

## よくある疑問・不安に答えます(Q&A)

Q1. 勤務時間の記載、どこまで詳細にすれば良い?臨時対応は?

総務担当者:本則として「始業〇時、終業〇時、休憩〇分」と標準パターンを明記し、例外は別表や社内通知で明示が安全です。臨時の業務や繁忙期の特別シフトなども手当・申請ルールを添えて別途規定しておくと現場が混乱しません。
経営者:複雑・多様化する働き方には「多様なパターンをあらかじめ規則で網羅」「現実との齟齬が生じた場合に素早く見直せる運用体制」もリスク対策です。

Q2. 変形労働時間制やフレックスタイム制を導入する場合の注意点は?

総務担当者:「所定労働時間」「清算期間」「コアタイム・フレキシブルタイム」など必須記載事項を漏らさず、運用方法や例外時の対応(残業申請等)も就業規則・関連マニュアルに盛り込みましょう。
経営者:制度選択段階で社労士・顧問等に相談し、導入手順や厚労省指針に照らした法的リスクチェックを推奨します。

Q3. 規則と運用の不一致・現場クレームが心配です

総務担当者:現場の意見聴取や定期アンケートで“運用実態”を把握し、規則改正前後で丁寧に説明・研修を実施しましょう。
経営者:年1回程度の社内規則レビューや、顧問社労士・DX担当との連携強化で「予防保全型経営」を目指してください。

## まとめ

就業規則の勤務時間の記載は、企業運営の「設計図」として生産性やコンプライアンス、従業員満足度・トラブル予防すべての基盤です。現場実態を把握し、現実に即した記載・運用へアップデートすることがDX推進や制度改革の第一歩です。
全国対応のHR BrEdge(エイチアールブレッジ)社会保険労務士法人では、型にはまらない制度整備、現場に役立つ業務効率化・ツール活用までトータルサポート。気になる方はオンライン相談や資料請求もお気軽にどうぞ!

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