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【昇給ありの本当の意味とは?】求人票に書かれた“昇給あり”に潜む落とし穴と正しい見極め方
「“昇給あり”って書いてあるけど、実際に上がったことがない…」「どのくらいの昇給か分からないまま入社した」「昇給があいまいなせいで、若手がすぐに辞めてしまう」——大阪・東京・名古屋・福岡などの中堅企業(従業員100名以上)では、“昇給あり”の表記に関する誤解やトラブルが後を絶ちません。
導入:昇給“あり”と書けば安心、ではない時代
以下のような企業側・求職者側の“すれ違い”は非常に多く発生しています:
- 求人票には「昇給あり」→実際には「過去5年昇給ゼロ」
- 昇給ルールが就業規則や評価制度に明記されていない
- 昇給しても「月額500円」「年1回上司の裁量で判断」など実態不明
実は、「昇給あり」の表記には法的定義がなく、書けばOKというケースも存在。この記事では、昇給制度の正しい設計、トラブルにならない表記の工夫、企業側が取るべき昇給の“見える化”対応について詳しく解説します。
“昇給あり”の背景と企業の設計ミスが起こる理由
■ なぜ「昇給あり=安心」にならないのか?
求人表記における「昇給あり」は、形式的には“制度上存在すること”を示すに過ぎません。以下のような運用実態が問題になります:
- 実際の昇給額や頻度が一切定められていない
- 評価制度がなく、上司の主観のみで決定
- 業績不振時に毎年見送られる“名ばかり昇給”
■ 就業規則・給与規程に昇給ルールがない
たとえば「年1回昇給の可能性あり」と書いていても、具体的な基準・評価項目・手当構成が社内に定められていないケースも少なくありません。
■ 労使間で“期待値ギャップ”が発生する
社員「年に5,000円〜1万円ぐらい上がると期待」
会社「実績次第。そもそも上げるかは業績による」
→ このギャップこそが離職理由の上位に。
■ 大企業と中小企業の“昇給格差”
令和6年版厚労省調査によると、従業員300人未満の企業では昇給率が1.5%以下にとどまる企業も多数。特にDX・アウトソース活用が進んでいない企業ほど、制度整備に遅れがあります。
“昇給あり”が信頼されるために企業が取るべき8つのアクション
- 1. 昇給制度を明文化した就業規則の整備
「年1回(4月)に評価面談を実施」「評価A:1万円、B:5千円、C:据置」など昇給ルールを明記。大阪では「昇給制度条項」を別紙で作成する企業が増加。 - 2. 昇給履歴の見える化
過去3年の昇給実績(平均・最高・最低)を開示。名古屋の企業では、社員向けに「キャリア別昇給モデル図」を配布。 - 3. 評価制度の導入と連動
「定量評価+行動評価」の2軸を設け、フィードバックと昇給を紐づけ。福岡では外部の人事顧問と制度設計を行う動きが進行中。 - 4. DX化された評価システムの活用
評価項目の入力・集計・面談記録をクラウドで一元化。東京の企業では、給与ソフトと連動した昇給額自動計算も。 - 5. 昇給条件の“例外ケース”も明示
業績悪化時の凍結、査定Dランクの場合は据置などの明示で社員の納得感を向上。制度透明性が高まります。 - 6. 採用時の昇給モデル提示
「3年目で年収360万円→420万円」「役職なしでも平均昇給5千円/年」など、現実的な昇給イメージを採用面談で提示。 - 7. 昇給時の説明面談を必ず実施
単なる金額通知ではなく、評価理由・今後の期待も含めたフィードバックを実施。モチベーション向上に直結。 - 8. 顧問社労士による運用監査
昇給制度が「均等・公正な待遇」となっているか、労務的な観点からチェック。大阪では社労士監修のガイドライン導入企業が増加中。
Q&A:昇給制度に関するよくある誤解
Q. 「昇給あり」と書けば必ず昇給しないといけない?
A. いいえ。“制度上存在”していれば記載可能です。ただし、実態が伴わないと虚偽表示と見なされる可能性も。
Q. 昇給制度がない会社は違法?
A. 違法ではありませんが、厚労省が推奨する「キャリアアップ支援」や「同一労働同一賃金」には反します。
Q. 昇給しなかった社員が訴えるケースはある?
A. 就業規則・雇用契約書に「昇給を確約」している場合は、裁判で争点になることも。曖昧な文言は要注意です。
Q. 中小企業でも昇給制度は必要?
A. 必要です。採用競争力・定着率・モチベーション向上のためにも、明確な昇給制度の整備が求められます。
まとめ:昇給制度は“存在”より“中身”が問われる時代へ
「昇給あり」と表記するだけでは、社員の信頼は得られません。就業規則や評価制度の整備、透明な昇給ルールの可視化、適切なフィードバックこそが、企業の競争力・定着率を左右します。
大阪・東京・名古屋・福岡の中堅企業でも、顧問社労士や人事コンサルと連携し、昇給制度のDX化・制度見直しを進める動きが広がっています。
今こそ「うちは昇給制度がないから…」ではなく、「誰もが納得できる昇給ルールを作ろう」という前向きな第一歩を踏み出しましょう。
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