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【給与の不利益変更】社員とのトラブルを防ぐために企業が知っておくべき対応法
「業績が厳しいので給与を下げたいが、違法にならないか心配…」「就業規則を変更すれば、勝手に減額しても問題ない?」「社員から“納得できない”と反発を受けて困っている」——給与の不利益変更に関する悩みは、大阪・東京・福岡・名古屋を中心とした中堅企業の総務・経営者の間で年々増えています。
導入:給与の不利益変更で起きがちな3つの誤解
以下のような誤解、あなたの会社にもありませんか?
- 「就業規則を変えたから、すぐに給与を下げられる」
- 「社員が契約書にサインしているから問題ない」
- 「みんなに一律で下げるから公平性は担保されている」
実はこれらはすべて、法的に問題となる可能性があります。給与は“労働条件の本質的要素”とされており、その変更には厳しい要件が課せられています。
この記事では、給与の不利益変更に関する基本知識から、企業としての正しい対応手順、トラブル回避策まで詳しく解説します。
給与の不利益変更とは?法的な位置づけと制限
■ 「不利益変更」とは
労働者にとって給与や手当が下がるなど、マイナス影響を与える変更全般を「不利益変更」と呼びます。賃金本体に限らず、賞与・手当・昇給停止なども該当します。
■ 労働契約法第8条・第9条の規定
労働条件の不利益変更には、労働者の個別同意が原則必要。就業規則の変更で一方的に行う場合は、「合理性」と「周知」が必要不可欠です。
■ “就業規則の改定”だけでは不十分な理由
判例上、「就業規則の改定に合理性があり、周知されている場合のみ有効」とされており、例えば以下の要素が問われます:
- 業績悪化などの客観的な理由
- 変更内容の必要性と相当性
- 従業員への説明と周知状況
- 他の待遇改善とのバランス
■ よくある裁判例(東京地裁、大阪地裁等)
「賞与を業績連動型に変更」「住宅手当を廃止」などの変更が、合理性を欠くとして無効と判断されたケースがあります。逆に、十分な説明と代替措置を講じた企業では変更が認められた例も。
■ DX・就業規則のクラウド管理による対策
名古屋や福岡の企業では、就業規則の改定履歴・説明文書・社員同意の履歴をクラウド管理し、トラブル予防と証拠確保を両立しています。
給与の不利益変更を適法に行うための8つのステップ
- 1. 経営状況・変更理由を客観的に整理
経費削減・事業再編など、給与見直しの必要性を社内外に説明できるように文書化。大阪の製造業では、業績推移グラフを添付し納得度を高めた。 - 2. 就業規則・給与規程を見直す
給与構成の明確化、変更点の特定、新旧対照表の作成が基本。東京の企業では、顧問社労士がドラフトを監修し、労基署からの指摘を回避。 - 3. 社員説明会の実施と質疑応答の場を設ける
一方的な告知ではなく、双方向のコミュニケーションが重要。名古屋の企業では個別面談形式で説明を行い、トラブルゼロで改定完了。 - 4. 代替措置・緩和措置を提案する
「数ヶ月の経過措置」「別手当の新設」などの代替案を提示することで、従業員の理解が得られやすくなります。 - 5. 個別同意書を回収し、書面化する
同意の有無は後のトラブルで重要な証拠となるため、書面(電子でも可)で確実に取得しましょう。 - 6. 就業規則変更届を労基署へ提出
不利益変更であっても、変更後の規則は届出義務があります。提出しない場合は無効扱いとされる可能性も。 - 7. 顧問社労士・弁護士との事前確認
労務・法務の観点から問題点を事前に洗い出すことで、後の訴訟リスクを回避できます。福岡の企業ではこのプロセスにより訴訟回避に成功。 - 8. DXツールで変更履歴・同意状況を一元管理
説明資料・メールログ・同意書などをクラウドで管理することで、労働審判・裁判での立証負担を軽減できます。
Q&A:給与の不利益変更に関するよくある疑問
Q. 就業規則に「給与は変更することがある」と書いていればOK?
A. その文言だけでは不十分です。実際の変更には「合理性」と「周知・同意」が必要とされます。
Q. 社員の同意が得られなかったらどうなる?
A. 原則として現行条件が維持されます。無理に変更すると「債務不履行」や「不法行為」とされる恐れも。
Q. 一部の社員だけ給与を下げるのは違法?
A. 差別的取り扱いと見なされないよう、明確な基準と理由が必要です。客観性がなければ無効とされる可能性があります。
Q. 就業規則を変えても、実務で運用されなければ意味がない?
A. その通りです。制度と運用が一致して初めて法的効果が発生します。説明・同意・実行の3点セットが不可欠です。
まとめ:給与の不利益変更は“慎重・丁寧・合法的”に進めるべき
給与の不利益変更は、経営判断で必要になる場面もありますが、労働者の生活に直結するため、慎重な運用が求められます。大阪・東京・福岡・名古屋などの企業では、顧問社労士・弁護士と連携し、制度設計と説明体制を整えたうえで対応するのが主流です。
まずは「変更理由の整理」「就業規則の整備」「社員説明と同意取得」から始めましょう。法的リスクを回避しつつ、企業と社員の信頼関係を守ることが、これからの人事戦略のカギです。
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