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【役員報酬とは?】給与との違い・決定ルール・社会保険・税務のポイントを徹底解説

2025.06.26 社労士コラム

「役員報酬って普通の給料と何が違うの?」
「社長や取締役の報酬はどのように決めるのが正しい?」
「就業規則には書かなくていいの?社会保険や税金はどうなる?」

東京・大阪・福岡・名古屋など、従業員100名以上の中小企業では、役員報酬に関する正しい理解と制度設計が経営の透明性と税務リスク回避に直結します。
特に創業間もない企業や、親族が役員に就任しているケースでは、報酬の決定や変更、就業規則との整合に関する誤解や対応ミスが発生しやすい状況です。

本記事では、大阪の社会保険労務士事務所が、役員報酬の定義と給与との違い、決定ルール、社会保険・税務・就業規則・助成金・アウトソースとの連携について、実務目線で解説します。

1. 役員報酬とは?給与との違いと法的な位置づけ

◆ 「役員報酬」とは

役員報酬とは、株式会社や法人組織の取締役・監査役・執行役などに支払われる報酬のことです。
労働契約によらず「経営者としての職務」に対して支払われるものであり、労働基準法は適用されません。

◆ 一般社員の給与との違い

  • 労働者ではないため、残業代・労働時間規定なし
  • 就業規則ではなく、株主総会・取締役会で決定
  • 変更には原則「事業年度開始から3か月以内の改定」が必要(税務上)

◆ 決定方法の基本

・株式会社 → 定款・株主総会または取締役会決議で金額を決定
・医療法人、社会福祉法人など → 理事会など法人の規程による
・就業規則には通常記載しないが、「役員待遇規程」を別途設けるケースも

◆ C社(名古屋・製造業)の事例

親族役員の報酬を年度途中で変更した結果、税務署より「定期同額給与でない」と否認され、損金不算入に。
顧問社労士・税理士と連携して、役員報酬規程と改定ルールを明文化。

2. 役員報酬制度の設計と運用で企業が取るべきアクション8選

  1. 株主総会または取締役会で報酬金額・上限を決議
    議事録を作成・保存して、税務上の証拠とする。大阪の建設会社で整備。
  2. 事業年度開始後3か月以内に報酬を決定・変更
    それ以降の変更は税務上の損金不算入になる可能性あり。
  3. 役員報酬規程を社内規程として作成
    支給基準・支給日・支給方法を明確に。東京のIT企業で導入済。
  4. 社会保険への加入を確認(法人役員は原則加入対象)
    健康保険・厚生年金の加入義務あり(非常勤除外要件あり)。
  5. 給与計算ソフトに役員報酬区分を設定
    勤怠連動なし、定期同額の設定で処理を安定化。福岡の医療法人で導入。
  6. 源泉所得税・住民税の天引きを適切に行う
    従業員と同様に税務処理が必要。月額報酬に応じた源泉徴収表を使用。
  7. 助成金との関係も考慮(代表者は対象外が多い)
    例:キャリアアップ助成金・人材開発支援助成金などは役員除外あり。
  8. やってはいけない:事後的な報酬変更
    業績に応じて調整する形は「業績連動給与」と見なされ、損金算入できなくなる。

3. よくある質問(Q&A)

Q. 役員報酬を就業規則に書く必要がありますか?
A. 基本的には不要ですが、役員待遇規程や報酬規程として別途定めるケースがあります。

Q. 社会保険料は社員と同じようにかかる?
A. はい。常勤役員は健康保険・厚生年金に加入義務があります。

Q. 役員報酬は途中で増減できますか?
A. 原則として「期首から3か月以内の定期改定」以外はできません(税務上の損金算入要件あり)。

Q. 非常勤役員も社会保険に加入させなければならない?
A. 一定の条件(実労働なし、常勤性なし等)を満たせば、適用除外が可能です。

まとめ:役員報酬は“ルールと証拠”が経営リスクを左右する

役員報酬は、単なる「給与支給」ではなく、経営判断・税務・社会保険が密接に関係する重要な制度です。
本記事では、給与との違い、報酬決定のルール、就業規則や報酬規程の整備、社会保険・税務処理、アウトソースや助成金制度との関係まで、実務に即して詳しく解説しました。

大阪・東京・福岡・名古屋などの企業では、顧問社労士・税理士と連携して、役員報酬の制度化と透明性確保を進める事例が増えています。
今こそ、制度と運用の棚卸しを行い、経営リスクの最小化と社内ルールの強化に取り組みましょう。

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