「企業型確定拠出年金でどのように配分すれば良いか分からない…」
「元本確保型だけでは将来が不安。けどリスク商品も怖い」
「2021年に加入したけど、初期設定のままで大丈夫？」

東京・大阪・福岡・名古屋などの大都市圏を中心に、企業型確定拠出年金（企業型DC）を導入する中小企業が急増しました。特に2021年は、コロナ禍による将来不安の影響もあり、多くの企業が社員の資産形成支援に力を入れ始めた時期でもあります。

しかし、制度導入と同時に起こったのが「投資配分が分からない」という声。多くの従業員が、金融リテラシーの不足から元本確保型100％のまま運用を続け、資産形成の機会を逃しているのが実情です。

本記事では、2021年に企業型DCに加入・導入された方を対象に、「おすすめの資産配分モデル」「年代別の配分戦略」「就業規則や給与計算との連動」など、顧問社労士の実務経験をもとにわかりやすく解説します。

◆ DC制度の特性：運用成果＝将来の年金額

企業型DCでは、会社が毎月拠出した掛金を従業員が自己責任で運用します。
そのため、どのように資産を配分するかが将来の受取額に直結します。

◆ 商品配分の分類

• 元本確保型（定期預金・保険）：低リスク・低リターン。資産を守りたい人向け
• 国内株式型：中リスク・中リターン。成長を見込みたい人に
• 海外株式型：高リスク・高リターン。若年層向け
• バランス型ファンド：リスク分散。初心者に最適
• ターゲットイヤー型ファンド：年齢に応じて自動調整。2021年以降人気急上昇

◆ 配分の基本原則：「年代×リスク許容度」で考える

• 20代〜30代：株式中心（例：株式70％・バランス20％・元本確保10％）
• 40代〜50代：バランス重視（例：株式40％・バランス40％・元本確保20％）
• 50代後半：元本保全優先（例：株式20％・バランス30％・元本確保50％）

◆ 実際の運用例（2021年に導入した大阪の製造業C社）

全社員が初期設定で元本確保型100％に配分。
その後、社労士顧問と連携し年代別おすすめ配分モデルを提示した結果、ターゲットイヤー型やバランス型を活用する社員が増加。3年後には平均年利2.3％の運用成果を実現。

◆ 就業規則・給与計算との連動

掛金額・支給タイミング・制度の利用条件などは、就業規則で明記する必要があります。
また給与計算ソフトとDC掛金を連携させることで、手続きのアウトソースが可能になります。

1. 社内で年代別のモデル配分を提示
   20代・30代・40代以降で異なるリスク耐性を考慮した分散投資モデルを作成。名古屋の運送業で実施。
2. ターゲットイヤー型ファンドを中心に教育
   年齢に合わせて自動で調整されるため、初心者にも人気。福岡の教育法人で加入者の6割が選択。
3. 初期設定（デフォルト）の見直し
   元本確保型100％を変更し、バランス型50％などに再設定。大阪のIT企業で若手社員に好評。
4. 運用シミュレーションツールを導入
   将来の受取額を可視化し、資産配分の重要性を体感。東京の金融系企業で導入。
5. 運用セミナーを年1回以上開催
   金融機関と連携し、社員教育を強化。大阪の建設会社で継続実施。
6. 給与明細に運用状況の概要を表示
   掛金・配分比率・残高などを記載し、関心を高める。名古屋の流通業で効果大。
7. 配分変更を年に一度推奨
   ライフステージに応じて見直しを促す体制を構築。福岡の製造業で定着化。
8. やってはいけない：3年間放置する
   2021年加入時のまま元本確保型に固定した結果、インフレ負けしてしまうリスクが高まります。

Q. 元本確保型だけで配分しても大丈夫？
A. 長期的にはインフレリスクにより実質的な資産目減りの可能性が高いため、分散が重要です。

Q. 銘柄は途中で変更できますか？
A. はい。月1回などの頻度で「スイッチング（乗り換え）」が可能です。

Q. 企業が「おすすめ配分」を指導しても大丈夫？
A. 投資助言にあたる可能性があるため、あくまで「モデル例の提示」や「教育」が安全です。

Q. 2021年に設定した配分は見直すべき？
A. はい。数年経過すれば年齢や経済状況も変わるため、年1回の見直しが推奨されます。

2021年以降、企業型確定拠出年金を導入した中小企業では、制度の定着と社員の資産形成をいかに支援できるかが問われています。
本記事では、おすすめの配分比率や年代別モデル、就業規則・給与計算・助成金との連携、アウトソース活用まで実務に即したポイントを解説しました。

東京・大阪・福岡・名古屋などでは、社労士と連携した制度設計が成果を上げています。
まずは社員が「自分で考え、選べる環境」を整えることから始めましょう。それが企業と社員、双方の未来を支える力になります。