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【副業規定の整備方法】就業規則に必須の内容と企業が守るべき5つのルール

2025.06.19 スタッフブログ

「最近副業を始める社員が増えてきたけど、会社としてどう対応すればいい?」
「副業を禁止したいわけじゃないけど、会社に不利益が出ないか心配…」
「就業規則に“副業禁止”って書いてあればそれでいいの?」

東京・大阪・福岡・名古屋などの都市部では、従業員100名以上の中小企業においても「副業・兼業」に関する対応が急務となっています。
政府の「働き方改革実行計画」や副業解禁の流れを受けて、多くの企業が対応を迫られていますが、就業規則に適切な「副業規定」がないまま運用しているケースも多く見受けられます。

本記事では、大阪を拠点とする社会保険労務士が、企業が副業を認める場合・禁止する場合それぞれの対応方法、副業規定に盛り込むべき条項、助成金や給与計算・手続き・アウトソースとの関連まで、実務視点で詳しく解説します。

1. 副業規定の必要性と就業規則における位置づけ

◆ なぜ副業規定が必要なのか?

「副業禁止」と書いてあるから安心、という時代は終わりました。
厚生労働省は2018年に「モデル就業規則」を改定し、原則として副業・兼業を容認する方向を示しています。
企業は副業を一律禁止できない時代に突入しており、労働契約法や判例も「合理的な理由がなければ副業禁止は無効」と判断しています。

◆ 規定を設けないとどうなる?

  • 従業員が無断で競業ビジネスを始めていた
  • 深夜の副業で本業に支障が出た
  • 社名を使って営業活動され、会社の信用が損なわれた

こうしたトラブルを防ぐには、「副業を認める/制限する」だけでなく、就業規則に明確なルールを定め、周知することが不可欠です。

◆ 規定に盛り込むべき内容例

  • 副業の定義(収益の有無・雇用か自営か)
  • 事前届出義務・承認制の導入
  • 労働時間の通算管理に関する注意点
  • 秘密保持・競業禁止の明文化
  • 健康悪化や本業への支障が出た場合の処分規定

◆ A社(福岡・IT企業)の事例

副業に寛容な社風だったA社では、就業規則に副業規定がなく、ある社員がライバル企業で業務委託を受けていたことが判明。
顧問社労士と連携し、副業の定義と禁止範囲を整理、届出制に変更することで信頼性と健全性を担保しました。

2. 副業規定を設ける企業が取るべきアクション8選

  1. 就業規則に副業規定を追加・更新する
    モデル就業規則に基づき、自社の実情に合わせた条文を策定。大阪の製造業で導入し、リスク管理が強化された。
  2. 副業の定義を明確にする
    投資活動やボランティアとの線引きも含め、名古屋のサービス企業で社内理解が進んだ。
  3. 届出・承認フローを整備
    東京の教育機関ではGoogleフォームで副業届出制度を導入。従業員の抵抗感が低減。
  4. 労働時間の通算を意識する
    2つの会社で通算週40時間を超えると労基法違反の可能性。福岡の運送会社で注意喚起ポスターを設置。
  5. 競業・信用毀損行為を明示的に禁止
    社外活動でも会社の評判を損なう行為は禁止事項に明記。東京の美容業界で就業規則に反映。
  6. 給与計算ソフトで副業者の勤務時間を別管理
    本業への影響や残業上限を把握するため、大阪の会計事務所でソフトをカスタマイズ。
  7. 社労士と相談しながら制度設計
    助成金(働き方改革推進支援助成金)と連携可能な場合も。名古屋の建設業で活用。
  8. やってはいけない:一律禁止規定
    「すべての副業を禁止する」という就業規則は無効と判断されるリスクが高く、見直しが必要。

3. よくある質問(Q&A)

Q. 副業は全面的に認めないといけないの?
A. いいえ。合理的な制限は可能です。競業や健康悪化、本業への支障などを根拠にした制限は合法です。

Q. 副業届を出さずにこっそり働いていたら懲戒できる?
A. 就業規則に「届出義務違反」を明記していれば、懲戒の対象にできます。ただし程度に応じた対応が必要です。

Q. 副業時間と本業の労働時間は合算する必要ある?
A. 原則として合算しなければなりません。違法な長時間労働をさせたと見なされる可能性があります。

Q. 就業規則に副業について何も書かれていない場合は?
A. 原則自由と解釈される可能性が高く、明文化しないことでかえってトラブルのリスクが高まります。

まとめ:副業規定は“攻めと守り”のバランス設計がカギ

副業はこれからの時代の「当たり前」になる一方で、企業としては信用管理・労働時間・健康への影響など、慎重な制度設計が求められます。
本記事では、副業規定を就業規則に組み込む際の注意点、企業が実施すべき対応、助成金やアウトソースとの関係まで実務に沿って解説しました。

大阪・東京・福岡・名古屋など都市部では副業容認と労務管理の両立に向けて、社労士と連携した見直しが加速しています。
従業員と企業双方が安心して副業に向き合えるルール作りを、今こそ進めましょう。

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