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正社員の欠勤対応、間違っていませんか?給与・社会保険・就業規則まで徹底解説

2025.06.17 社労士コラム

「正社員が欠勤したとき、給与はどうなるの?」「欠勤が続いたら解雇できる?」「社会保険料や助成金に影響はある?」——大阪・東京・名古屋・福岡など全国の中小企業から、正社員の欠勤に関する相談が後を絶ちません。

こんなお悩みはありませんか?

  • 「体調不良で欠勤が続いている社員への対応に困っている」
  • 「無断欠勤が続いているが、解雇に踏み切ってよいのか不安」
  • 「欠勤が多い社員に対し、減給や配置転換を検討している」

正社員の欠勤には、私傷病、家庭の事情、メンタル不調、育児・介護など多様な理由があり、企業としてはその都度、法的根拠に基づいた適切な対応が求められます。

本記事では、正社員の欠勤に関する給与・就業規則・社会保険・助成金・懲戒処分など、実務に必要な対応とポイントを詳しく解説します。

正社員の欠勤に関する法的・制度的な基本

1. 欠勤とは?休暇との違い

  • 欠勤:出勤予定日に正当な理由なく出勤しないこと(有給・特別休暇ではない)
  • 休暇:年次有給休暇・産休・育休など、制度として認められた休み

欠勤は給与控除や評価に直結する可能性があります。

2. 給与への影響

欠勤した日数分の給与はノーワーク・ノーペイの原則により控除されます。
控除額の算出方法は「日割り計算(30日基準またはカレンダー日数)」に基づきます。

3. 社会保険の取り扱い

  • 欠勤が1ヶ月続いて給与が全く支払われない場合、社会保険資格喪失の対象になることがあります(報酬月額0円の場合)
  • 一部支給があれば資格は維持されるケースも

4. 無断欠勤と懲戒処分

正社員が無断で連続して欠勤した場合、就業規則に基づき「けん責」「減給」「出勤停止」などの処分、最終的には懲戒解雇も検討されます。ただし、正当な手続きを経ないと不当解雇と判断されるリスクがあります。

正社員の欠勤に対応するための8つの実務アクション

  1. 就業規則に欠勤・懲戒のルールを明記
    理由:対応の正当性を担保するため。
    方法:「無断欠勤が〇日続いた場合は〜」「遅刻・早退を累積カウント」などを記載。
    効果:労使トラブルを回避しやすくなる。
  2. 欠勤控除の計算方法を統一
    理由:日数や時間単位での控除ルールが曖昧だと混乱を招く。
    方法:給与規程に「月給÷30」「月給÷所定労働日数」など明記。
    効果:処理の統一性が保たれる。
  3. 欠勤理由の確認と記録を徹底
    理由:処分・評価・保険対応の根拠になる。
    方法:本人からの届出、診断書などを保管。
    効果:後日の説明責任にも対応可能。
  4. 体調不良による欠勤は休職制度を検討
    理由:私傷病欠勤が長期化するケースも。
    方法:就業規則で「休職扱い」とする日数基準を明記。
    効果:休職手当・復職支援・懲戒回避など整合が取れる。
  5. 欠勤時の社会保険料対応を社労士に確認
    理由:報酬月額変更届や資格喪失手続きが必要になる可能性。
    方法:30日超の欠勤で月額変更対象となるか確認。
    効果:保険料トラブルを未然に回避。
  6. 助成金申請との整合を取る
    理由:欠勤者が多いと助成金の支給対象外になることも。
    方法:キャリアアップ助成金などの勤務要件を確認。
    効果:支給停止を防ぎ、制度活用を最大化。
  7. 定期的な健康面談・ヒアリングを実施
    理由:欠勤の背景にメンタル不調がある場合も。
    方法:上司・人事が個別フォロー。
    効果:退職リスクや労災リスクの低減。
  8. 社労士・アウトソースに対応を相談
    理由:法的判断・手続きの正確性が重要。
    方法:顧問社労士や外部労務代行と連携。
    効果:リスクを抑えた円滑な対応が可能。

よくあるQ&A

Q1. 欠勤が続いた場合、即解雇してもいい?
A. 原則NGです。事前の注意・指導・休職制度の活用など段階的対応が必要です。不当解雇のリスクがあります。

Q2. 欠勤した日の給与は支払わなくていい?
A. はい。原則として欠勤分はノーワーク・ノーペイにより控除可能です。

Q3. 無断欠勤は何日続くと懲戒処分にできる?
A. 明確な日数の基準はありませんが、「就業規則に定めがあり」「事実確認を十分に行った上であれば」懲戒処分可能です。一般的には3日〜14日程度が目安とされています。

Q4. 欠勤があると賞与や昇給に影響する?
A. はい。賞与査定や人事評価において、欠勤日数は考慮要素のひとつとなります。

まとめ

正社員の欠勤は、給与計算・社会保険・就業規則・助成金対応に直結するため、明確なルールと正確な対応が求められます。

  • 欠勤は「休暇」ではない。就業規則に明確な定義と対応を
  • 給与・社保・懲戒・助成金の観点から制度整備が必要
  • 社労士・アウトソースとの連携で、トラブルの予防と法令順守を実現

大阪・東京・名古屋・福岡の企業でも、欠勤に対する労務リスク管理の重要性が高まっています。放置せず、早期に制度と対応体制を整備しましょう。

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