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間違えると税務調査で指摘も?「通勤手当」の正しい仕訳と実務対応を徹底解説
「通勤手当の仕訳って交通費?給料?」「定期代をまとめて支払うときの会計処理は?」「非課税限度額を超えた場合の対応はどうなる?」——大阪・東京・名古屋・福岡など、全国の中小企業から日々寄せられる実務的な疑問です。
こんな悩みを抱えていませんか?
- 「給与と一緒に支払っている通勤手当、勘定科目は“給与手当”でいいのか分からない」
- 「会計ソフトでの仕訳が人によってバラバラになっている」
- 「税務署から“課税対象かどうか”で指摘されたことがある」
通勤手当は、労働法・税法・会計の3分野が交わる項目です。
正しい仕訳と処理を行わないと、経費として認められない・源泉所得税の誤計算・助成金審査落ちなど、企業経営にも影響が及びます。
この記事では、通勤手当の基本と非課税限度額、会計上の仕訳のルール、就業規則・給与計算との連動、顧問社労士やアウトソースの活用まで、中小企業が実務で押さえるべきポイントをわかりやすく解説します。
通勤手当の基礎知識と非課税枠のルール
1. 通勤手当とは
従業員が通勤にかかる費用を会社が負担する制度で、月額15万円までの実費分は所得税非課税とされています(公共交通機関利用の場合)。
2. 非課税限度額を超えるとどうなる?
超過分については、給与所得として課税対象になります。給与明細や会計処理でも、非課税分と課税分を分けて記録する必要があります。
3. 支給方法の種類
- 毎月支給(定額制)
- 定期券の購入費を半年分一括支給
- 実費精算(不定期な出勤者向け)
いずれの場合も、支払明細・領収書・就業規則などとの整合性が重要です。
通勤手当の仕訳処理:基本パターン
1. 毎月支給の通勤手当(非課税枠内)
【借方】福利厚生費 ×××円 【貸方】普通預金 ×××円
ポイント:勘定科目は「福利厚生費」を使用し、交通費ではなく通勤手当として扱います。
2. 非課税限度を超えた通勤手当の仕訳
【借方】福利厚生費 150,000円 【借方】給与手当 10,000円 【貸方】普通預金 160,000円
ポイント:15万円を超えた部分(課税対象)は「給与手当」に振り分け、源泉徴収対象として計上します。
3. 定期代を半年分前払いした場合
支払時: 【借方】前払費用(資産) 180,000円 【貸方】普通預金 180,000円 毎月按分処理: 【借方】福利厚生費 30,000円 【貸方】前払費用 30,000円
ポイント:期間に応じて月割り処理を行い、費用計上のタイミングを合わせます。
4. 実費精算の通勤費(都度払い)
【借方】旅費交通費 ×××円 【貸方】現金・普通預金 ×××円
不定期で通勤する従業員(例:業務委託やパート)に都度支給する場合は、旅費交通費扱いにすることもあります。
通勤手当の運用でやるべき8つのアクション
- 就業規則に通勤手当の支給基準を明記
理由:制度の不明瞭さがトラブルのもとに。
方法:上限・支給方法・対象者を明文化。
効果:税務調査・従業員説明に強くなる。 - 非課税限度額の確認を徹底
理由:課税対象分の仕訳ミスを防ぐ。
方法:15万円を超える場合は自動的に按分処理。
効果:所得税・住民税のミスを予防。 - 定期代の領収書・交通経路を収集
理由:合理的な支給根拠として必要。
方法:経路申請書と領収証のセット提出を義務化。
効果:監査・税務調査への備えが強化。 - 給与ソフトで課税・非課税を分離管理
理由:支給明細での透明性が求められるため。
方法:交通費科目の内訳を設定。
効果:誤課税の防止と従業員の納得性向上。 - 給与計算と仕訳を自動連携
理由:二重入力によるミスを防ぐ。
方法:給与計算ソフトと会計ソフトをAPI連携。
効果:作業負担の軽減と正確性の確保。 - 通勤手当の年度更新を実施
理由:定期の変更や引っ越しが反映されないリスク。
方法:年1回の通勤経路再申請を実施。
効果:過大支給・課税漏れを防止。 - 顧問社労士・税理士と仕訳ルールを確認
理由:勘定科目・課税対象の判断に専門知識が必要。
方法:年次で制度レビュー・業務相談を行う。
効果:会計・労務の一貫性を保持。 - 会計処理をアウトソース
理由:担当者によって処理がばらつくリスク。
方法:経理業務代行や記帳代行サービスを活用。
効果:正確な処理と業務効率化を同時に実現。
よくあるQ&A
Q1. 通勤手当を「交通費」で仕訳してもいい?
A. 法律上の制限はありませんが、「福利厚生費」として処理する方が税務調査に強く、科目として適切です。
Q2. 給与と一緒に通勤手当を振り込んだら「給与手当」になる?
A. 否。支給形態ではなく性質で判断します。通勤目的であれば福利厚生費として処理可能です。
Q3. 一括支給時の会計処理が面倒…
A. 「前払費用」として資産計上し、毎月費用振替する運用が望ましいです。
Q4. 税務調査で仕訳ミスを指摘されたら?
A. 状況により修正申告や追徴課税が発生する可能性もあります。社労士や税理士と早急に相談しましょう。
まとめ
通勤手当の仕訳は、単なる経理処理ではなく、税務・労務・制度運用の要所です。
- 非課税限度額・支給ルールを把握する
- 仕訳を正しく処理し、会計・給与計算と整合を取る
- アウトソースや社労士との連携で制度運用を最適化する
大阪・東京・福岡・名古屋などの企業でも、交通費制度の見直しや経理仕訳の標準化が進んでいます。今こそ、通勤手当の「見える化」と「仕訳精度向上」に取り組みましょう。
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