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副業解禁の波に乗れる?就業規則に「副業規定」を入れる際の注意点とは
「社員から副業の申請があったが、就業規則に何も書いていない…」「副業禁止にしたいけど、法的に問題は?」「副業を許可するなら、何をルールにすべき?」——大阪・東京・名古屋・福岡の中小企業から寄せられるリアルな相談です。
以下のような悩みを感じていませんか?
- 「最近“副業OK”が流行っているけど、うちの就業規則はそのまま…」
- 「社員のSNSで副業がバレて、社内で混乱した」
- 「副業を容認する場合、どこまで会社が介入できるのか分からない」
副業はもはや一部の特別な働き方ではなくなり、国(厚生労働省)も推奨の方向性を示しています。
しかし、就業規則に副業規定がない、もしくは曖昧なままだと、機密漏洩・労働時間の過重・会社の信用毀損など、さまざまなリスクを抱えることに。
この記事では、副業に関する法的な基本知識から、就業規則に記載すべきルール、実際の記載例、助成金制度との連動、顧問社労士やアウトソース活用まで、中小企業が取るべき実務対応をわかりやすく解説します。
副業と就業規則の関係:基本と最新動向
1. 副業禁止は法律違反?
副業を法律で禁止することはできません。
ただし、職務専念義務・競業避止義務・秘密保持義務などに違反する場合は、制限や禁止が可能とされています。
2. 厚生労働省の副業ガイドライン(2020年改訂)
・副業・兼業を推奨する方向性
・就業規則への「許可制」や「届出制」の導入を認める
・時間外労働や健康管理の観点からの対応を企業に要請
3. 労働時間の通算と健康管理リスク
複数の会社で働く場合、労働時間は通算されます(労基法38条)。
たとえば、本業で8時間、副業で4時間働いた場合、12時間の労働として扱われ、本業側が割増賃金を負担するリスクも。
4. 社会保険・税務との関係
副業が一定額以上になると、住民税・所得税の申告が必要になり、本業側にバレるケースも。
さらに、副業先でも社会保険適用(週20時間・月8.8万円以上)になると、「複数事業所勤務」の特例手続きが必要です。
就業規則に副業規定を入れるための8つのアクション
- 副業に関する会社方針を決める
理由:全面禁止か、許可制・届出制にするかを明確に。
方法:経営層・顧問社労士と協議し、方針を文書化。
効果:社内の一貫性と従業員の納得感が生まれる。 - 就業規則に「副業・兼業」の条文を追加
理由:副業のルールがないと対応不能に。
方法:「副業は会社の許可を得て可能」と明記。
効果:後出し禁止や懲戒の根拠が持てる。 - 届出制・許可制の申請フローを設計
理由:形式だけでなく運用可能な体制を作る。
方法:申請書フォーマット・審査基準・回答期限を整備。
効果:トラブル防止と公平性の確保。 - 競業避止・機密保持条項の強化
理由:同業他社や取引先での副業を防ぐため。
方法:就業規則・雇用契約書に明記。
効果:営業秘密の漏洩を防止。 - 時間外労働と健康管理に関する規定
理由:通算労働時間による割増賃金リスクを避ける。
方法:本業に支障が出る場合の禁止条項を設ける。
効果:労基法違反・安全配慮義務の対応が可能に。 - 副業情報の収集と記録体制を整備
理由:届出内容の把握と継続監視が必要。
方法:年次更新・変更届出制度を導入。
効果:不正な副業を発見・是正しやすくなる。 - 給与計算と副業情報の連携確認
理由:副業収入との合算による社会保険・税金トラブルを防止。
方法:給与システム・人事部門との情報共有を強化。
効果:住民税の特別徴収でのトラブル回避。 - 社労士と定期的な規程チェックを実施
理由:法改正や判例に応じたメンテナンスが必要。
方法:年1回以上、顧問社労士と制度レビュー。
効果:最新のルールを維持し、助成金要件にも対応可能。
よくあるQ&A
Q1. 副業を一律で禁止するのは違法ですか?
A. 原則自由ですが、「業務に支障がある場合」「会社の信用を毀損する場合」などに限定して禁止することは可能です。
Q2. 届出制では、どこまで情報を求めてよい?
A. 副業先の業種・業務内容・労働時間・報酬の有無など、就業に支障が出ないかを確認する情報にとどめましょう。
Q3. SNSやネットショップなどの収益活動も副業に該当?
A. 一般的には「収益性がある定期的な活動」は副業と見なされる可能性があります。ガイドラインに照らして判断しましょう。
Q4. 副業を認めると助成金に不利?
A. 就業規則に副業容認が明記されていても、キャリアアップ助成金や両立支援助成金の審査に影響するケースは基本的にありませんが、労働時間の通算などには注意が必要です。
まとめ
副業容認は、柔軟な働き方・人材確保において重要なキーワードです。
- 法的には原則自由。ただし制限やルール設定は可能
- 就業規則には「許可制・届出制」「禁止条件」などを明記
- 社労士・アウトソースを活用し、制度設計・運用を効率化
大阪・東京・福岡・名古屋でも、副業規程を整備する中小企業が増えています。自社でも、リスクと自由を両立する就業規則への見直しを進めましょう。
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