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【休職中の社会保険はどうなる?】保険料負担と傷病手当金の仕組みを徹底解説
「休職中も社会保険料は払わないといけない?」「給与がゼロなのに保険料負担がきつい…」「傷病手当金ってどんな制度?」
病気やケガ、メンタルヘルスの不調で休職することになったとき、意外と悩むのが社会保険の扱い。休職中でも社会保険料の支払い義務があることを知らずに、思わぬ出費に困ったり、傷病手当金などの制度を使いこなせず損をしてしまうケースが少なくありません。
この記事では、休職中の社会保険料の仕組みや負担を軽減する方法、受け取れる公的給付(傷病手当金)について、社会保険労務士がわかりやすく解説します。休職中の不安を減らし、安心して療養に専念できるよう、ぜひ最後までご覧ください。
休職中の社会保険はどうなる?保険料負担と制度の仕組み
休職中の社会保険(健康保険・厚生年金)の取り扱いは、就業状況や給与の有無にかかわらず一定のルールがあります。まずは、その基本的な仕組みを確認しましょう。
1. 休職中も社会保険の資格は継続
会社を退職せず休職している場合、社会保険の加入資格は継続されます。これにより、医療保険(健康保険)や年金保険(厚生年金)の保障は受けられます。
- 健康保険:医療費の3割負担、傷病手当金などの給付
- 厚生年金:将来の年金額に反映
ただし、**保険料の支払い義務**も継続する点に注意が必要です。
2. 休職中の保険料負担はどうなる?
給与が支払われない無給の休職中でも、社会保険料は原則、自己負担となります。具体的には、会社負担分と合わせた全額負担になる場合が多いです。
給与天引きができないため、会社から直接請求され、銀行振込などで納付します。
3. 保険料免除制度はある?
厚生年金保険料は免除制度がありませんが、健康保険料については「育児休業」「介護休業」の場合に保険料免除の制度があります。しかし、病気やケガによる休職では基本的に免除されません。
4. ケーススタディ:Jさんの例
Jさんはうつ病で半年間休職し、その間給与はゼロ。しかし社会保険料の請求があり、毎月約5万円を会社に支払う必要がありました。ただし、傷病手当金を活用することで生活費の一部をカバーできました。
休職中の社会保険料負担を軽減するための8つのポイント
休職中の保険料負担や給付制度を正しく理解し、経済的な負担を軽減するためのポイントを紹介します。
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1. 傷病手当金を申請する
理由:給与が支払われない休職中の収入補填となるため。
方法:会社を通じて健康保険組合や協会けんぽに申請。医師の意見書が必要。
効果:月給の約2/3相当が支給され、生活費をカバーできる。 -
2. 保険料の支払いスケジュールを確認する
理由:無給期間の保険料が高額になることを避けるため。
方法:会社と相談し、支払い方法や分割納付を確認。
効果:負担感が軽減し、計画的に支払える。 -
3. 家族の扶養に入れるか検討する
理由:一定の条件を満たせば、扶養に入ることで社会保険料の負担がゼロになる。
方法:配偶者の会社や保険組合に確認。
効果:保険料の負担を抑えられる。 -
4. 傷病手当金の支給期間を把握する
理由:支給期間は最長1年6か月と決まっているため。
方法:支給開始日と終了日を確認し、期間内に復職や次の対応を検討。
効果:計画的な生活設計ができる。 -
5. 厚生年金保険料は将来の年金額に影響
理由:休職中も保険料を払うことで、将来の年金額が減らない。
方法:納付状況を確認し、未納がないようにする。
効果:老後の年金受給額が安定する。 -
6. 自己都合退職との違いを理解する
理由:退職すると社会保険資格喪失となり、国民健康保険・国民年金に切り替わる。
方法:退職するかどうかは経済的負担も含め慎重に検討。
効果:保険料負担や給付内容が変わるため、最適な選択ができる。 -
7. 公的支援制度(生活福祉資金など)を活用する
理由:生活費や保険料の支払いが困難な場合、支援が受けられる可能性がある。
方法:市区町村の社会福祉協議会などに相談。
効果:経済的負担が緩和できる。 -
8. 長期休職が見込まれる場合は医師や社労士に相談
理由:適切な制度活用や復職支援が得られる。
方法:主治医や社会保険労務士と連携。
効果:無理なく休職期間を過ごせる。 -
やってはいけない行動:保険料を未納のまま放置する
理由:未納が続くと、資格喪失や将来の年金額減少につながる。
たとえば、厚生年金が未納だと、老後の受給額に大きな影響を与えることがあります。
よくあるQ&A:休職中の社会保険に関する疑問を解決!
Q. 傷病手当金はいくらもらえる?
A. 過去12か月の標準報酬月額の平均を基に計算し、1日あたりの約2/3相当が支給されます。
Q. 保険料の支払いを会社が負担してくれることはある?
A. 会社の規定によりますが、福利厚生として一定期間負担してくれるケースもあります。就業規則や労使協定を確認しましょう。
Q. 休職が長引いたら保険料はどうなる?
A. 休職中でも保険料の支払いは継続します。長期化する場合は、分割納付や扶養への切り替えも検討しましょう。
Q. 傷病手当金と失業手当は同時に受け取れる?
A. 同時受給はできません。ただし、失業手当の受給期間を延長できる場合があるので、ハローワークに相談しましょう。
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