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【就業規則の周知方法とは?】知らないと労基法違反!正しい手順とポイントを徹底解説

2025.05.29 スタッフブログ

「就業規則を作成したけど、どうやって従業員に伝えればいいの?」「紙で配ればOK?」「周知しないと何が問題なの?」

こんな疑問や不安を抱えていませんか?会社が従業員の労働条件やルールを定めた就業規則。作成や変更を行っただけでは十分ではなく、必ず周知しなければ労働基準法違反となります。周知が不十分だと、会社が決めたルールが無効とされ、労使トラブルにつながるリスクも。

この記事では、就業規則の正しい周知方法や、押さえておくべきポイントについて、社会保険労務士がわかりやすく解説します。中小企業の経営者や人事担当者の方は必見です。ぜひ最後までご覧ください。

就業規則の周知義務とは?基本知識と法的根拠を解説

まずは、就業規則の周知義務がなぜ重要なのか、その背景や法律について理解しましょう。

1. 労働基準法が定める「就業規則の周知義務」

労働基準法第106条では、就業規則や労働条件に関する規定を従業員に周知させなければならないと定めています。作成・変更した就業規則は、以下のいずれかの方法で周知することが義務付けられています。

  • 常時各作業場の見やすい場所に掲示または備え付ける
  • 書面を交付する
  • パソコンやスマートフォンなどで確認できる状態にする

この周知がなされていないと、就業規則が効力を持たないとされ、労使間のルールとして機能しなくなるリスクがあります。

2. 周知義務を怠るとどうなる?

労働基準法違反として罰則(30万円以下の罰金)が科される可能性があります。また、就業規則に基づいて懲戒処分や労働条件の変更を行ったとしても、「規則の存在を知らなかった」と従業員から無効を主張されることも。特に懲戒規定や賃金規定などはトラブルになりやすいため、周知徹底が不可欠です。

3. ケーススタディ:K社の例

例えば、K社は就業規則を作成したものの、周知を怠っていました。その後、従業員の遅刻常習に対して就業規則に基づく減給処分を行ったところ、「規則の存在を知らなかった」と従業員が労基署に相談。結果、減給処分が無効とされ、労基署から是正指導を受けることになりました。

就業規則を適切に周知する8つの方法とポイント

就業規則を適切に周知するための方法と、それぞれのポイントを紹介します。

  • 1. 作業場への掲示または備え付け
    理由:労基法で定められた代表的な方法。
    方法:社員が常に見やすい場所(掲示板、休憩室など)に掲示、またはファイルを設置。
    効果:誰でも気軽に確認できる状態を保てる。
  • 2. 書面の交付
    理由:従業員が自宅でも確認でき、証拠が残る。
    方法:印刷物を配布し、受領サインをもらう。
    効果:周知したことが証拠として残るため、万が一のトラブルに強い。
  • 3. 社内イントラネットでの公開
    理由:ペーパーレスで最新の規則をすぐに共有できる。
    方法:イントラネットやクラウドにPDFをアップロード。
    効果:場所や時間を問わずアクセスでき、周知が行き届く。
  • 4. スマートフォンアプリでの配信
    理由:外回りやリモートワークの従業員にも周知できる。
    方法:社内連絡アプリ(LINE WORKS、Slackなど)に規則を共有。
    効果:通知機能で確実に読んでもらえる。
  • 5. 説明会を開催する
    理由:従業員が内容を理解しやすくなる。
    方法:就業規則の主な変更点や重要項目を説明し、質疑応答を実施。
    効果:形骸化せず、規則の内容が浸透する。
  • 6. オンライン研修を活用する
    理由:リモートワーカーや多拠点の従業員にも対応できる。
    方法:動画や資料を用意し、視聴完了後に確認テストを行う。
    効果:理解度を測定でき、従業員教育にもつながる。
  • 7. 電子承認システムで確認記録を残す
    理由:周知済みである証拠を残せる。
    方法:クラウドサインやDocuSignなどで規則を確認・承認させる。
    効果:法的証拠として強力。
  • 8. 定期的に周知を行う
    理由:規則変更時だけでなく、定期的な再確認が必要。
    方法:年度ごとや重要変更時に再周知。
    効果:従業員が最新のルールを常に把握できる。
  • やってはいけない行動:口頭での周知だけで済ませる
    理由:証拠が残らず、トラブル時に「知らなかった」と主張されやすい。
    たとえば、口頭で伝えただけでは法的な周知義務を果たしたとは認められません。

よくあるQ&A:就業規則の周知に関する疑問を解決!

Q. 電子データでの周知は有効?

A. はい、パソコンやスマートフォンなどでいつでも確認できる状態であれば、労基法上の周知義務を果たしたと認められます。ただし、従業員全員がアクセスできる環境であることが必要です。

Q. 規則が変更になった場合、再度周知が必要?

A. 必要です。就業規則の変更時には、労働基準監督署への届出と、従業員への周知を再度行わなければなりません。

Q. 周知を怠った場合、どんなリスクがある?

A. 労働基準法違反となり、30万円以下の罰金が科される場合があります。また、従業員との間でルールを巡るトラブルが発生した際、規則の効力が認められないこともあります。

Q. 外国人労働者への周知はどうする?

A. 外国人労働者にも理解できるよう、母国語での翻訳版を用意するか、通訳を通じて説明することが望ましいです。理解不足によるトラブルを防ぐ効果があります。

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