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【社保の算定とは?】年1回の定時決定で失敗しないための手続き・計算・注意点
「毎年6月に来る“あの手続き”、何をどう出せばいいの?」「算定基礎届って、給与が変わってない人も必要?」「パートや育休中の人も対象?」
大阪・東京・福岡・名古屋など、全国の企業で毎年6〜7月に行われるのが“社会保険の算定手続き”。この手続きは「算定基礎届(定時決定)」と呼ばれ、健康保険・厚生年金保険の保険料を決める重要な業務です。
しかし実際には、「なんとなく前年と同じ」で処理したり、「対象外の人を含めて提出してしまった」など、ミスの多い業務でもあります。
この記事では、300社以上の顧問実績をもつ社労士事務所の視点から、社保算定の基本・対象・手続きの流れ・よくある勘違いまでを分かりやすく解説します。
社保の「算定」とは何か?
■ 算定基礎届(定時決定)とは
- 毎年7月10日までに提出する、社会保険の手続き
- 4月・5月・6月の3ヶ月間に支払った給与の平均をもとに、保険料(標準報酬月額)を決定
- 決定された保険料は9月分(10月納付分)から適用
■ なぜ必要?
- 実際の給与水準に合わせて、健康保険・厚生年金保険の保険料を正確に徴収するため
- 年収が増えたのに保険料が安い/減ったのに高い、などの不公平を防ぐ
算定の対象と除外者
■ 算定の対象となる人
- 6月30日時点で在籍している社会保険加入者(正社員・契約社員・条件を満たすパートなど)
- 4月〜6月に給与が支払われていることが原則
■ 除外されるケース
- 7月1日以降に入社した人(=算定の対象外)
- 育児休業・介護休業中で給与支払いがない人
- 6月中に退職済の人
- 月変(随時改定)対象者:4~6月の3ヶ月間で昇給・減給などがあった場合
提出までの具体的な手順
- 4月~6月の給与データを集計
→ 通勤手当・残業手当・各種手当含む総支給額 - 1か月ごとの支給額を記載
→ 各月の支給額を「算定基礎届」に入力 - 平均額を算出
→ 3ヶ月合計 ÷ 出勤月数 = 平均報酬月額 - 標準報酬月額に区分
→ 算定表に基づいて該当する等級に置き換える - 電子申請または紙で提出
→ e-Govを使えば効率的。提出期限は7月10日
よくある間違いと注意点
■ 1. ボーナスを含めてしまう
→ 賞与は対象外です。月額報酬のみが算定対象です。
■ 2. 通勤手当を忘れている
→ 毎月支給・半年ごと支給どちらでも、月割り換算で報酬に含めます
■ 3. 育休中の人も記載してしまう
→ 育休中で給与支給がない場合は除外対象です。
■ 4. 6月退職者を含めてしまう
→ 6月30日「在籍」の人が対象。退職済みは記載不要。
■ 5. 月変の届出と重複処理
→ 4月~6月の給与が大きく増減した人は月変(随時改定)対象となり、算定とは別処理です。
Q&A:社保算定でよくある疑問
Q. パートやアルバイトも算定対象になりますか?
A. 週20時間以上勤務・年収106万円以上などの要件を満たしていれば社会保険加入対象となり、算定の対象になります。
Q. 通勤手当は年2回支給ですが、どう扱う?
A. 月額換算して加算します(例:6万円を6ヶ月に分けて月1万円として集計)。
Q. 残業代の変動が大きいと、標準報酬月額も変わりますか?
A. はい。変動が大きければ随時改定(月変)の対象になる可能性があります。
Q. 7月以降に昇給がある場合は?
A. 7月以降の変動は次の随時改定(月変)の対象となります。今回の算定には含みません。
まとめ:算定業務は「正確な集計」と「除外ルールの理解」がカギ
社会保険の算定基礎届は、毎年決まった手続きですが、対象者・給与範囲・除外規定をきちんと押さえないと、保険料の誤徴収や指摘の原因になりかねません。
大阪・東京・福岡・名古屋を中心に、社労士顧問がいる企業では、給与計算ソフトと連携したDX化や、就業規則の整備、通勤手当の非課税限度管理も進んでいます。
正しく理解し、毎年の算定を「作業」から「制度運用」へレベルアップさせていきましょう。
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