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【大阪難波の社労士】会社がとるべき受動喫煙対策は?求人票の記載例も紹介

2023.08.22 スタッフブログ

大阪難波を中心に企業の労務対応をサポートしている、社会保険労務士法人渡辺事務所です。

非喫煙者への健康リスクを下げるために、受動喫煙対策に取り組んでいる会社が増えています。これから受動喫煙対策を始めようと思っている担当者様の中には、「どのように対策すればよいのかわからない」と思っている方がいらっしゃるかもしれません。

本記事では会社がとるべき受動喫煙対策について、求人票への記載例と一緒に紹介します。

会社が受動喫煙対策をとるべき理由

最近は会社の規模を問わず、受動喫煙対策へ積極的に取り組んでいるところが増えてきました。会社や職場において受動喫煙対策をとるべき理由は、主に次の3つです。

副流煙による健康被害

たばこの煙は大きく、次の3種類に分けられます。

  • 主流煙(喫煙者がたばこから直接吸う煙)
  • 副流煙(たばこの先端から発生する煙)
  • 呼出煙(喫煙者が喫煙後に吐き出す煙)

特に受動喫煙で問題になっているのが、副流煙です。副流煙はたばこのフィルターを介さないため、主流煙の2倍~4倍もの有害物質が含まれています。

たとえば、喫煙者がいる場面では、たばこを吸わない人も副流煙を自然に吸ってしまうでしょう。副流煙に含まれているニコチンやタール、一酸化炭素といった有害化学物質により、肺がんや脳卒中、虚血性心疾患などの健康被害が懸念されます。

妊娠している女性従業員や未成年従業員への健康リスク

妊娠している女性従業員や未成年従業員がいる場合は、受動喫煙によって健康な人や成人と比べて健康へのリスクが高まるでしょう。

妊娠中の女性が副流煙を吸うと、胎盤を通ってお腹の中の赤ちゃんに有害物質が届きます。切迫流産や切迫早産、低出生体重児、胎児の発育の遅れなどの可能性が生じます。

また発育期の細胞は感受性が高いため、未成年者の喫煙・受動喫煙は、発がん性物質や有害物質の影響を受けやすいです。

参照:福島県「妊婦さん ご家族のみなさまへ
参照:厚生労働省e-ヘルスネット「若者の健康と喫煙

健康増進法の一部を改正する法律によるルール化

2020年4月に、健康増進法の一部を改正する法律が全面施行されました。健康増進法とは国民の健康維持と現代病の予防を目的として、2003年5月1日に施行された法律です。

改正では多くの人たちが利用するさまざまな屋内施設で、原則として禁煙となりました(ただし、学校や病院、児童福祉施設、行政機関などは敷地内禁煙)。喫煙できるのは、基準を満たした喫煙室のみです。

また従業員の受動喫煙防止に向けた対策を、努力義務として設けています。

参照:厚生労働省「なくそう!望まない受動喫煙

誰もが働きやすい職場環境へ!会社がとるべき受動喫煙対策

喫煙者と非喫煙者のどちらも働きやすい職場環境をつくるためには、受動喫煙対策が欠かせません。会社がとるべき具体的な受動喫煙対策を見ていきましょう。

喫煙状況をチェックする

適切な環境整備に向けて、まずは喫煙状況をチェックしましょう。喫煙者の人数やそれぞれの喫煙頻度は、会社や職場によって異なるためです。喫煙状況が明確になると、よりケースに合った効果的な対策を講じられます。

来客者が頻繁に訪れる会社や職場の場合は、来客者の喫煙状況も確認するとよいでしょう。

状況に合わせて環境整備する

会社や職場ごとの喫煙状況がわかったら、それぞれに合わせて環境を整備します。最も簡単なのは全面禁煙ですが、ある程度の喫煙者がいる場合はトラブルや不満のもととなってしまうでしょう。

非喫煙者に煙がおよばないよう、喫煙室を設けるのがおすすめです。屋内に喫煙室を設ける際は、以下の基準を満たす必要があります。

  • 出入り口において、室外から室内へ入る空気の気流が毎秒0.2m以上となっている
  • 煙が室外に出ないよう、壁や天井などによって区画されている
  • 煙が屋外や外部に排気されている
  • 標識を掲示する

喫煙室の設置には、受動喫煙防止対策助成金を活用できます。設置に必要な工費や設備費、備品費、機械装置費などの一部を助成する制度で、上限は100万円です。

当事務所では助成金の申請代行をしております。ぜひご相談ください。

参照:厚生労働省「屋内は原則禁煙!受動喫煙防止のルールを守りましょう
参照:厚生労働省「受動喫煙防止対策助成金

禁煙しやすい環境をつくる

喫煙者がいなければ、受動喫煙対策自体が不要になります。喫煙者の健康リスクも下がるため、禁煙しやすい環境づくりにも取り組みましょう。

たとえば、以下のような方法が考えられます。

  • ニコチンパックやニコチンガムといった禁煙グッズの配布
  • 禁煙外来の紹介やカウンセリング指導
  • 禁煙セミナーの開催
  • たばこの自動販売機の撤去

また厚生労働省では受動喫煙防止対策に係る相談支援を、一般社団法人日本労働安全衛生コンサルサント会へ委託して実施しています。受動喫煙対策をする上での悩みについて、専門家が相談に応じる制度です。訪問助言にも対応しています。

費用は無料のため、気軽に活用してみるとよいでしょう。

参照:厚生労働省「受動喫煙防止対策に係る相談支援 職場の受動喫煙防止対策に関する各種支援事業(技術的支援)

受動喫煙対策に関する求人票への記載例

職業安定法施行規則の一部改正によって、2020年4月1日以降は求人票に受動喫煙対策の内容記載が義務化されました。望まない受動喫煙をなくすことが、目的のひとつです。

以下で記載例を見ていきましょう。

場所 受動喫煙防止措置の内容 求人票への記載例
病院・学校・児童福祉施設・行政機関など 敷地内禁煙

・屋内の受動喫煙対策:あり(禁煙)

・受動喫煙対策:敷地内禁煙

敷地内に特定屋外喫煙場所を設置

・屋内の受動喫煙対策:あり(禁煙、屋外に喫煙場所を設置)

・受動喫煙対策:敷地内禁煙(屋外に喫煙場所あり)

事業所・飲食店・ホテル・旅館・鉄道・船舶・その他の施設 屋内禁煙

・屋内の受動喫煙対策:あり(禁煙)

・受動喫煙対策:屋内禁煙

喫煙専用室、または加熱式たばこ専用喫煙室を設置

・屋内の受動喫煙対策:あり(喫煙室あり)

・受動喫煙対策:屋内は原則禁煙(喫煙室を設置)

宿泊室内など、適用除外の場所がある

・屋内の受動喫煙対策:あり(禁煙、喫煙可の宿泊室あり)

・受動喫煙対策:屋内は原則禁煙(喫煙可の宿泊室あり)

喫煙が主目的のバー・スナック・たばこ販売店など 店内の一部を喫煙目的室としている ・屋内の受動喫煙対策:なし(喫煙目的室内のみで喫煙可)
店内の全部を喫煙目的室としている ・屋内の受動喫煙対策:なし(喫煙可)

表現の細かな違いは問題ありません。ケースに合わせて、他の情報の記載も可能です。

参照:厚生労働省「従業員に対する受動喫煙対策について

まとめ

副流煙による健康被害だけでなく、法律によるルール化などもあり、会社や職場は受動喫煙対策に取り組まなければいけません。まずは喫煙者の状況を確認した上で、喫煙室の設置や全面禁煙などの対策を講じるとよいでしょう。

社会保険労務士法人渡辺事務所は、大阪市中央区難波を拠点に全国対応しております。受動喫煙対策に関する助成金の申請代行のほか、採用定着に向けた支援も行っております。

受動喫煙対策でお困りの担当者様は、ぜひお気軽にご相談ください。

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