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月給の日割り計算、間違っていませんか?知らないと損する給与ルール
「月給制の社員が途中入社・途中退職したとき、どう日割り計算すればいいのか分からない…」
「社員に『計算が間違っている』と指摘されて不安になった」
「東京・大阪・名古屋・福岡など複数拠点で給与計算しているけど、拠点ごとに対応が違って混乱している」
そんな悩みを抱えていませんか?
実はこの「月給の日割り計算」には、法的なルールが明確に定められていないため、企業ごとに方法が異なります。就業規則の不備や、説明不足によってトラブルになるケースも少なくありません。
この記事では、月給制社員の日割り計算の方法を、法律的な観点・実務的な観点から解説しつつ、給与計算の混乱を避けるためにどう制度設計すべきか、さらにアウトソースやDXによる効率化のヒントまでご紹介します。
「従業員数100名以上の中小企業」にとって不可欠な知識を、顧問先300社以上の社労士事務所が徹底解説します。
月給の日割り計算とは?制度の背景とよくある誤解
まず、月給の日割り計算には、法律上の明確な決まりが存在しません。労働基準法では「最低賃金」や「割増賃金」などは定められていますが、「月給制の日割りルール」は会社ごとの就業規則や給与規定に委ねられています。
代表的な3つの日割り計算方法
- 1ヶ月の暦日数で割る方法(30日・31日など)
シンプルですが、月によって金額が変動しやすい点がデメリットです。 - 1ヶ月を30日で固定して割る方法
会計処理しやすく、経理部門では多く採用されています。 - 営業日数(稼働日)で割る方法
働いた日数を正確に反映できますが、複雑で手計算では困難です。
実務での選択ポイント
どの方法を採用するかは、就業規則の記載内容がカギとなります。記載がなければ、社員から「不公平だ」と指摘されるリスクが高まります。特に東京や大阪、名古屋、福岡など複数拠点がある企業では、支店間で計算方法が異なることで、内部不満や労務トラブルにつながることも。
仮想ケース:A社の事例
たとえば、大阪本社・東京支店をもつA社は、支店ごとに異なる日割り計算を行っていました。あるとき社員から「同じように途中入社したのに、支店によって給与が違う」とのクレームが寄せられ、社内で混乱。結果的に顧問社労士が介入し、就業規則を統一化・再整備することで信頼回復につながりました。
実は知られていない「日割り計算」のリスク
・日割りルールが曖昧なままだと、未払賃金としてトラブルになる可能性がある
・助成金の申請に影響が出る場合も(例:雇用調整助成金の算定基礎)
・誤った処理が累積すると、社会保険料の過不足にも直結
業界比較:他社はどうしている?
実際、従業員数100名以上の中小企業のうち、約6割が「1ヶ月30日」で統一しているという統計があります。DX化された給与計算ソフトを導入している企業ほど、統一ルールによる効率化が進んでいます。
文化的視点:なぜ曖昧なまま放置されがち?
「なんとなく前任者がこうしていた」「指摘されなければ気づかない」という社内文化が影響しているケースが多いです。しかし、それが数年後のトラブルの火種になりかねません。
給与トラブルを防ぐ8つの具体策
- 1. 就業規則に明文化する
理由:曖昧さを排除し、トラブルの火種を消せる
方法:「日割り計算は30日基準とする」と明記
効果:社員への説明責任を果たし、顧問社労士との連携もスムーズに - 2. 入退社の手続きを標準化する
理由:計算のミスや漏れを減らすため
方法:フォーマット化し、全拠点で運用統一
効果:東京・大阪・福岡など多拠点でも混乱しにくくなる - 3. 給与計算業務をアウトソースする
理由:専門知識とミス回避のため
方法:社労士事務所など信頼できる外部に依頼
効果:専門性の高い対応で安心感アップ - 4. DX化を進める
理由:人的ミスを減らすため
方法:クラウド型給与計算ソフトを導入
効果:計算ロジックを統一でき、助成金申請とも連携可能 - 5. 定期的に社内研修を実施する
理由:誤解や知識差をなくすため
方法:総務担当者向けにオンライン勉強会を開催
効果:全国拠点の理解度を均一に保てる - 6. 顧問社労士に制度チェックを依頼
理由:法改正や実務変更への迅速対応
方法:年1回の就業規則レビューを実施
効果:常に最新ルールを反映した運用が可能に - 7. 事例集を社内マニュアル化する
理由:過去のトラブルを教訓化
方法:「この場合どうする?」のQ&A形式でまとめる
効果:総務担当者が判断に迷わず行動できる - 8. 「やってはいけない」誤計算例を共有
理由:再発防止と注意喚起
方法:過去の誤りや裁判事例などを資料化
効果:計算ミスによる法的リスクを回避
よくある質問Q&A
Q. 「月給=毎月同じ金額」なのに日割りで金額が変わるのはおかしくない?
A. 実際、途中入社や退職の場合は勤務日数が違うため、給与を調整する必要があります。これは「働いた分だけ支払う」という労働法の基本原則に基づく対応です。
Q. 月によって支給額が変わると社員が不満を感じませんか?
A. だからこそ「なぜこの計算方法なのか」を丁寧に説明することが大切です。就業規則や雇用契約書で事前に合意を得ておくことで、納得感を高められます。
Q. 給与計算ソフトに任せればすべて安心ですか?
A. ソフトの設定が間違っていればミスも起こります。特に、制度変更や就業規則改定後に更新していない場合、正しく反映されません。導入後も定期点検が必要です。
Q. 月給の日割りはどの方法が一番「正解」なの?
A. 実は「これが正解」という決まりはありません。大切なのは「自社にとって合理的かつ社員にとって分かりやすい」方法を選び、それを就業規則で明文化することです。
まとめ:月給の日割り計算を整えることは、会社の信頼を守ること
この記事では、月給の日割り計算の基本から、実務でのポイント、よくある誤解やトラブルまで幅広く解説しました。
ポイントは以下の通りです。
- 月給の日割り計算には法的な決まりがない
- 就業規則に明記することでトラブルを防げる
- アウトソースやDXの活用が精度と効率を高める
給与計算は、企業の信頼を支える大切な業務です。「うちは大丈夫」と思っていても、いつ問題が起きるか分かりません。
いま一度、自社の給与制度や計算ルールを見直し、安心・納得の仕組みを整えていきましょう。
次にすべき行動としては、まず自社の就業規則に日割り計算の方法が明記されているか確認し、記載がない場合は顧問社労士への相談をおすすめします。
未来の給与トラブルを未然に防ぎ、社員との信頼関係を築くために、今こそ制度整備とDX推進を進めていきましょう。
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