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【基礎算定とは?】社会保険料を左右する“4〜6月の給与”の正体と対応のすべて

2025.07.17 スタッフブログ

「“基礎算定”って具体的に何のこと?」「なぜ4月〜6月の給与が大事なの?」「間違えると保険料がずっと変わるって本当?」——大阪・東京・福岡・名古屋の中小企業の総務担当者や人事担当者から、毎年6月〜7月に集中する疑問がこの“基礎算定”に関するものです。

導入:社会保険の“基礎算定”は知らないと損をする

  • 「算定届って出して終わりじゃないの?」
  • 「パート・アルバイトの対応が難しすぎる…」
  • 「残業代や手当って含めるべき?」

基礎算定とは、4月〜6月に支払った給与をもとに、9月以降の1年間の社会保険料(健康保険・厚生年金)を決める仕組み。これは年に1度、企業として絶対に避けて通れない手続きです。

この記事では、基礎算定の意味・対象者・給与の範囲・提出の注意点を、給与計算・労務管理のプロがわかりやすく解説します。

基礎算定とは何か?制度の仕組みと目的

■ 基礎算定の正式名称:
「算定基礎届提出による標準報酬月額の決定」

■ 制度の目的:
4月〜6月に実際に支払った報酬(給与)を基に、その年の9月〜翌年8月までの社会保険料を算出する仕組み

■ 標準報酬月額とは:
報酬月額(給与総額)を一定の等級に区分したもの。保険料の基準になる

■ 対象者:
7月1日時点で在籍している社会保険加入者(役員・正社員・パート含む)

実務で押さえておくべき8つのポイント

  • 1. 報酬には“通勤手当・残業代”も含む
    単純な基本給ではなく、あらゆる手当・現物給与も含めた金額で集計が必要
  • 2. 3か月の“平均額”で計算する
    4月・5月・6月に実際に支払った給与額の平均をもとに標準報酬月額を決定
  • 3. 支払基礎日数が17日未満の場合は除外
    たとえば月に出勤日数が極端に少ない社員は算定対象外になる(育休復帰後、病休など)
  • 4. 役員報酬も基礎算定の対象
    代表取締役や取締役も“報酬がある限り”社会保険対象であり、算定対象となる
  • 5. 算定対象の判断を誤ると過不足が出る
    特にパート社員・短時間労働者の算定要否判断ミスは、保険料差異を生む大きな原因に
  • 6. 算定届の提出は原則電子申請
    現在ではe-Govなどを使った電子提出が主流。DX対応も重要
  • 7. 助成金や外部評価にも影響
    算定届の処理ミスがあると、助成金審査や認定制度(例:ユースエール)の足かせになることも
  • 8. 顧問社労士との連携で精度アップ
    就業規則・給与体系と整合性をとるには、社労士による事前チェックが有効

Q&A:基礎算定に関するよくある疑問

Q. 月の途中入社の場合も算定対象になる?
A. 4月〜6月の3か月間で「支払基礎日数17日以上の月が1か月以上あれば対象」になります。

Q. 賞与は含めるの?
A. 含めません。賞与は「標準賞与額」として別途手続き対象となります。

Q. 7月に退職予定の社員も算定対象?
A. 7月1日時点で在籍していれば対象。2日以降に退職予定でも算定手続きは必要です。

Q. 月変(随時改定)との違いは?
A. 月変は報酬が大幅に変動した場合に行う臨時の見直し。基礎算定は年1回の“定時決定”です。

まとめ:基礎算定は「正確な給与把握」と「制度理解」がカギ

“基礎算定”は、社会保険の保険料を左右する最重要手続きのひとつ。ミスがあれば、過剰な負担や従業員とのトラブルを招きかねません。

大阪・東京・名古屋・福岡などの企業では、給与計算と連携したDX化、社労士顧問との事前相談、就業規則の整備によって、算定業務の正確性と効率化を実現しています。

「なんとなく提出していた算定届」から脱却し、仕組みを理解したうえで戦略的に対応することが、経営リスクの回避にもつながります。

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