新着情報
【社会保険の基礎算定】間違うと危険!年1回の重要手続きで企業がすべきこと
「基礎算定の提出って毎年なんとなくやってるけど、本当に合ってる?」「総務に任せきりで、経営者はノータッチ」「報酬と給与の違いが分からない…」——大阪・東京・福岡・名古屋などの中小企業(従業員100名以上)では、社会保険の“基礎算定”がブラックボックス化している企業も少なくありません。
導入:基礎算定に関する“あるあるな悩み”
以下のような疑問や不安、抱えていませんか?
- 「今年も昨年と同じ報酬月額で出してしまって問題ない?」
- 「給与計算ソフトのまま転記しているけど、本当に合っている?」
- 「役員報酬や残業代はどこまで含めればいいの?」
基礎算定届は社会保険料(健康保険・厚生年金保険)を決定する重要な手続きであり、内容に誤りがあると過不足が生じたり、調査リスクにつながったりします。
本記事では、基礎算定の仕組みや計算方法、よくある誤解、そして企業が注意すべきポイントを分かりやすく解説します。
基礎算定とは?年1回の“定時決定”の基本を理解しよう
■ 基礎算定とは何か
毎年7月10日までに提出が義務づけられている「算定基礎届」は、4月・5月・6月に支払われた給与(報酬)をもとに、9月以降1年間の保険料等級を決定する手続きです。これを「定時決定」と呼びます。
■ 報酬月額とは?
基本給だけでなく、手当・残業代・役員報酬などを含んだ“支給額ベース”で考えます。以下のようなものが対象です:
- 基本給・役職手当・通勤手当・残業代・住宅手当
- ただし、賞与・出張旅費・慶弔金など一時的な支給は対象外
■ 算定の対象期間
原則として4月〜6月の「3カ月間に支払われた給与総額の平均」で算出します。給与締切日と支給日の関係によっては、3月分〜5月分となるケースもあるため注意。
■ 非対象者とは?
以下のようなケースは基礎算定の対象外です:
- 6月30日時点で退職している人
- 4~6月のいずれかの月で“17日未満”の出勤日数(短時間就労)
- 育児休業中や産休・休職中の者
■ 決定された保険料の適用期間
定時決定に基づく保険料は、9月分(10月納付分)から翌年8月分まで適用されます。
ミスを防ぐ!基礎算定で企業がすべき8つの実務アクション
- 1. 給与明細と支給額の一致をチェック
給与計算ソフトのデータと実際の支給明細・通帳記帳内容が一致しているかを確認しましょう。大阪の企業では、外部監査でズレが発覚し、再提出の手間が発生しました。 - 2. 賞与・出張旅費など除外項目を確認
一時金・非課税手当を誤って報酬に含めないように注意。東京の企業では、交通費のうち非課税限度を超えた部分だけを報酬に加算する設計にしています。 - 3. 役員報酬の取り扱いに注意
役員にも基礎算定が必要です。ただし報酬月額の変更が年1回のみであれば「随時改定」は原則不要。福岡の企業では、顧問税理士と連携して判断しています。 - 4. 出勤日数が“17日未満”の対象者を除外
短時間勤務・休職者を除くことで誤った報酬決定を避けられます。名古屋の企業では、勤怠データとの照合によりミスを回避。 - 5. DX化した集計ツールを活用
社会保険料の元となる報酬月額の算出をシステムで自動化。特に100名以上の企業では手計算の限界があり、クラウド連携が有効です。 - 6. 顧問社労士による確認フローを設ける
提出前に社労士とダブルチェックを行うことで、提出後の修正やトラブルを未然に防止。大阪では「労働保険と基礎算定の連携監査」を導入する企業も。 - 7. 再提出・訂正届の対応マニュアルを準備
ミスが発覚した場合の再提出方法をマニュアル化し、総務部門に共有しておくと安心です。 - 8. 就業規則や給与規程との整合性を確認
手当の支給ルールと報酬の定義が齟齬をきたしていないかを定期的に点検。特に固定残業代やインセンティブの取扱いに注意。
Q&A:基礎算定に関するよくある疑問
Q. 賞与も基礎算定に含めるの?
A. いいえ。賞与は別途「賞与支払届」で報告し、基礎算定には含めません。
Q. 役員は基礎算定の対象?
A. はい。厚生年金・健康保険に加入している役員は対象になります。ただし、年1回固定報酬である場合は随時改定の対象にはなりません。
Q. 育児休業中の社員はどう扱う?
A. 4〜6月に給与の支給がない場合、その年は基礎算定の対象外です。復職後の月変(随時改定)で対応します。
Q. 支給額と報酬月額が合わない場合、どうする?
A. 毎月の支給額にばらつきがある場合でも、3カ月平均で報酬月額を算出するのが原則です。
まとめ:基礎算定は“正確性”と“整合性”が命
社会保険料の基礎となる“算定基礎届”は、制度理解と実務処理の精度が求められる重要な手続きです。報酬の定義・対象者の確認・給与規程との整合性など、複数の観点からミスを防ぐ体制づくりが不可欠です。
大阪・東京・福岡・名古屋などの企業では、DXツールや顧問社労士との連携によって、基礎算定の正確な運用と効率化が進んでいます。まずは給与計算の現状と制度の見直しから始めてみましょう。
大阪なんば駅徒歩1分
給与計算からIPO・M&Aに向けた労務監査まで
【全国対応】社会保険労務士法人 渡辺事務所