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【代表取締役の給料】税務・手続き・助成金で損しない報酬設計のポイント

2025.07.10 スタッフブログ

「代表取締役の給料ってどう決めるのが正解?」「役員報酬と給与の違いが分かりづらい」「税務署から指摘されないためには何に気をつければ?」——こうした疑問は、大阪・東京・福岡・名古屋などの中堅企業でよく聞かれる経営者あるあるです。

導入:代表取締役の給料に関する“ありがちな悩み”

以下のような不安や疑問を感じたことはありませんか?

  • 「自分の給料(役員報酬)をあとから変更したいが、自由に変えていいのか?」
  • 「助成金の申請で“代表は対象外”とされてしまった…」
  • 「給与計算や手続きが一般社員と違いすぎてミスが怖い」

このような問題の多くは、「役員報酬のルール」と「税務上の取り扱い」「助成金・社会保険制度との関係」が正しく理解されていないことが原因です。特に代表取締役の報酬は“給与”とは異なり、制度上も手続き上も特殊です。

この記事では、代表取締役の給料(役員報酬)について、税務・手続き・助成金対応を含めた全体像を解説します。

代表取締役の給料=「役員報酬」その特性と制限とは?

■ 役員報酬と給与の違い
代表取締役をはじめとする役員の給料は「役員報酬」と呼ばれ、労働の対価ではなく「経営への貢献」に対する報酬です。そのため労働基準法は原則適用されず、残業代・休日手当・有給休暇の付与も対象外になります。

■ 税務上の「定期同額報酬」の原則
役員報酬は、法人税上「毎月同額」でないと損金算入(経費扱い)できません。途中で増減させた場合、変更理由や手続きを間違えると税務調査で否認され、追徴課税を受けるリスクがあります。

■ 初年度の設定は「設立月の役員会」で決定が基本
法人設立時は、会社の定款・議事録などで代表取締役の報酬を決定し、税務署に届出書を提出します。大阪や名古屋の企業では、この初期設定を誤って後から修正するケースも多く、注意が必要です。

■ 助成金・社会保険における取り扱い
代表取締役は「雇用契約に基づかない存在」であるため、原則として雇用保険の対象外。また、助成金制度でも「労働者以外=対象外」とされることが多く、人数カウントや条件設定で除外が必要です。

■ 社会保険(健康・厚生年金)は加入義務あり
報酬の有無に関係なく、法人の代表取締役は原則として社会保険の適用対象です(報酬がある場合)。そのため、手続きの抜け漏れには要注意。

代表取締役の給料設計で押さえるべき8つの実務ポイント

  • 1. 役員報酬は「定期同額」で決定する
    税務上、役員報酬は原則として「毎月同額であること」が損金算入の要件。年度途中での変更は「業績悪化」など特別な理由が必要であり、議事録も必要です。
  • 2. 初期設定は「株主総会議事録」に記載
    設立時や就任時には、報酬額・支給方法・開始月を議事録に記載し、会社としての意思決定を明文化しておく必要があります。
  • 3. 給与計算では「役員区分」を明確に
    一般社員とは異なる支給方法(交通費、手当、残業代などの除外)が必要。給与計算ソフトでは「役員区分」の設定が可能であり、名古屋の企業ではDX導入で自動分類を実現。
  • 4. 賞与の支給は「事前確定届出」が必須
    役員に賞与を出す場合は、事前に「事前確定届出給与」として税務署に届け出る必要があります。届出を怠ると損金扱い不可に。
  • 5. 社会保険加入手続きは早めに対応
    報酬を受けている限り、法人の代表取締役は厚生年金・健康保険の対象になります。大阪・東京では未加入が発覚し、過去分の遡及徴収が発生するケースも。
  • 6. 就業規則には役員の規定を分けて記載
    労働者とは異なるため、就業規則では別枠で役員報酬の扱いを記載するのが適切。福岡の企業では、社労士の助言により「役員報酬規程」を制定。
  • 7. 助成金申請時には「役員除外」に注意
    雇用調整助成金やキャリアアップ助成金など、労働者が対象となる制度では、役員を含めて申請すると却下の原因になります。顧問社労士との確認が必須。
  • 8. 報酬設計の見直しは年1回がベスト
    決算に合わせて報酬の妥当性を見直すことで、利益圧縮や節税に有効。東京のIT企業では、毎年4月に顧問税理士・社労士と報酬戦略ミーティングを実施。

Q&A:代表取締役の給料についてよくある疑問

Q. 代表取締役にも残業代や交通費を支払っていい?
A. 原則NGです。役員には労働基準法が適用されず、残業代・通勤手当・住宅手当などを支給すると税務上問題になるケースもあります。

Q. 途中で報酬を下げたいけど大丈夫?
A. 「経営状況悪化」など合理的理由があれば可能ですが、株主総会や取締役会の議事録が必要です。事後的な変更は損金否認のリスクが。

Q. 役員報酬を0円にして社会保険を外れることは可能?
A. 原則不可です。報酬ゼロでも“実質的に業務を行っている”場合は加入義務が生じる可能性があります。判断は慎重に。

Q. 給与計算に一般社員と同じルールを使っていい?
A. 危険です。税務・社会保険上の処理が異なるため、専用区分で管理すべきです。給与計算のアウトソースや顧問の活用が推奨されます。

まとめ:代表取締役の給料は“制度理解”と“実務対応”がすべて

代表取締役の報酬は、税務・労務・助成金といった複数制度にまたがるため、一般社員とはまったく異なる設計と管理が必要です。手続きを誤れば、損金否認や社会保険の遡及加入といったリスクに直結します。

大阪・東京・福岡・名古屋などの企業では、顧問社労士や税理士と連携し、DX化された給与計算や役員報酬規程の整備に取り組むケースが増えています。

まずは「代表取締役=労働者ではない」という前提を理解し、制度的に正しい報酬設計を行うことが、企業防衛と経営安定の第一歩となります。

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