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【知らないと損】就業規則の作成義務とは?作らないリスクと正しい対応方法
「うちは就業規則、まだ作っていないけど大丈夫?」「従業員が少ないから義務はない?」「作ったけど、その後の届出をしていない…」
このような不安や疑問は、特に大阪・東京・福岡・名古屋など大都市圏の中小企業からよく寄せられます。就業規則は、企業と従業員のルールを明文化する法的文書であり、正しく整備・運用することがトラブル予防や助成金申請、DXによる業務効率化の土台となります。
しかし、就業規則の作成や変更、届出に関する義務やルールは意外と誤解されがちで、放置したままだと罰則や行政指導の対象になるリスクもあります。
この記事では、「就業規則を作成する義務がある企業とは?」「作成しないとどうなる?」「実際にどう作成・運用すべきか?」を社会保険労務士が実務目線でわかりやすく解説します。
就業規則とは?作成が義務になる条件と法的根拠
就業規則の定義と役割
就業規則とは、企業における労働条件や服務規律、懲戒・退職・休職などについて統一的に定めたルールブックです。労働基準法第89条に基づいて義務づけられています。
作成義務があるのは「常時10人以上」
労働基準法第89条では、次のように定められています:
常時10人以上の労働者を使用する使用者は、就業規則を作成し、所轄の労働基準監督署に届け出なければならない。
- 「常時」とは、正社員・パート・アルバイトを含めた常勤者の総数
- 雇用保険・社会保険の加入有無とは無関係
- 「10人未満」の場合は義務ではないが、任意での作成推奨
なぜ10人以上で義務になるのか?
労使間のトラブルが起きやすくなる人数の目安とされているからです。特に従業員100人以上の企業では、ルール未整備が原因で解雇・懲戒・労働時間・休職復職などでトラブルが多発します。
就業規則を作らないとどうなる?放置のリスク
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1. 行政指導・是正勧告の対象に
労働基準監督署の調査で「就業規則未届出」が発覚すると、是正勧告書が交付されることがあります。改善されない場合、企業名の公表や罰則の可能性も。 -
2. 社員とのトラブルで不利になる
休職・懲戒・退職ルールが就業規則で明文化されていないと、裁判などで企業が不利に。
例:「懲戒解雇をしたが、規則に懲戒項目の定義がなかった」=違法と判断される可能性。 -
3. 助成金・補助金の申請ができない
「キャリアアップ助成金」「両立支援等助成金」などの多くは就業規則の添付が必須。書類が整備されていないと申請が通らない。 -
4. 労働時間・給与計算の基準が曖昧に
就業時間・休憩・残業の取扱が明文化されていないと、給与計算やDX導入時に混乱が生じやすい。
就業規則作成とその後の手続き|8つのステップ
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1. 作成義務の有無を確認
従業員(正社員・パート含む)10名以上かどうかを把握。 -
2. 就業規則の基本構成を整理
労働時間・休憩・休日・賃金・退職・懲戒などを含めた全体設計。 -
3. 社労士と相談して法令適合を確認
テンプレートでは不十分な場合も。自社の業種・制度に合った内容にする。 -
4. 労働者代表から意見書を取得
従業員代表の署名が必要。労働組合がある場合は協議を。 -
5. 労働基準監督署に届出
作成日から原則7日以内に届出。電子申請(DX)も可能。 -
6. 従業員への周知・配布
周知義務あり。社内掲示、イントラ掲載、紙での配布など。 -
7. 定期的な見直し(年1回が理想)
法改正、制度変更、リモート勤務導入などに対応。 -
8. DXやアウトソースで整備を効率化
クラウド管理や顧問社労士との連携で属人化リスクを排除。
Q&A:就業規則の義務や作成に関する疑問
Q. パートタイマーばかりでも作成義務はある?
A. はい。「常時使用する労働者」にパート・アルバイトも含まれるため、10名以上いれば義務が生じます。
Q. 作成義務がない企業でも就業規則は必要?
A. 任意作成は可能で、トラブル予防や助成金活用の観点からむしろ推奨されます。
Q. 作ったけど届出していない…罰則ある?
A. 法令違反にあたり、労働基準監督署からの是正勧告対象です。罰金刑(30万円以下)の可能性もあるため早期に届出を。
Q. 就業規則はテンプレートで十分?
A. 雛形は参考程度。制度や業種に合わない内容だと意味がなく、かえってトラブルを招くことも。社労士のチェックが必須です。
まとめ:就業規則は“会社を守る防波堤”|義務の有無にかかわらず整備を
就業規則は、従業員100名以上の中小企業にとってコンプライアンスの要であり、トラブル回避・助成金申請・制度DXの土台です。大阪・東京・名古屋・福岡など都市部で採用競争が激化する中、ルール整備による企業の信頼力がますます問われています。
義務があるか否かに関係なく、「トラブルの予防線」として、また「社内制度の可視化と運用強化」のために、就業規則の整備・改定を進めましょう。顧問社労士やアウトソースを活用すれば、法改正への対応も安心です。
就業規則は“あった方がいい”ではなく、“ないと損をする”時代へ。
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