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【労働時間の定義と就業規則の書き方】違法リスクを防ぐための制度設計と実務対応

2025.06.25 スタッフブログ

「就業規則に労働時間ってどう書けばいいの?」
「休憩や残業の扱いまで明記する必要ある?」
「タイムカードの時間=労働時間じゃないの?」

東京・大阪・福岡・名古屋など、従業員100名以上の中小企業では、労働時間の管理と就業規則への正確な記載が法令遵守と労務トラブル防止のカギになります。
特に多様な働き方やシフト制、時短勤務制度が広がる中で、「曖昧な労働時間ルール」が原因で残業代請求や是正勧告を受ける事例も少なくありません。

本記事では、大阪の社会保険労務士が「労働時間とは何か?」の基本から、就業規則への記載方法、給与計算・助成金・手続き・アウトソースとの関係まで、実務対応の視点で詳しく解説します。

1. 労働時間とは?法的定義と就業規則における位置づけ

◆ 労働時間の定義(労働基準法)

労働時間とは、使用者の指揮命令下にある時間を指します(労基法第32条)。
つまり、作業していなくても「指示待ち・準備・片付け」なども含まれる場合があります。

◆ 所定労働時間と法定労働時間の違い

  • 法定労働時間: 原則1日8時間・週40時間(業種により例外あり)
  • 所定労働時間: 会社が就業規則で定めた勤務時間(例:9:00~18:00)

◆ 就業規則に記載すべき項目

  • 始業・終業時刻
  • 休憩時間・付与のタイミング
  • 休日の定義(法定休日/所定休日)
  • 所定外労働(残業)や深夜労働の取り扱い
  • フレックスタイム・変形労働時間制の内容

◆ B社(福岡・製造業)の事例

就業規則に「始業・終業時刻」の記載がなく、タイムカード管理も曖昧だったため、残業代請求が発生。
顧問社労士の助言で、労働時間定義の見直しと打刻ルールを整備。社内説明会を実施しトラブル解消。

◆ よくある誤解

  • 「休憩時間も労働時間に含める」→ ×:自由利用できる場合は除外
  • 「タイムカード=労働時間」→ △:会社の指揮命令下かどうかが判断基準
  • 「就業規則に細かく書かなくてもよい」→ ×:明文化しないと争点になるリスクあり

2. 労働時間制度を就業規則で適正に運用するための企業アクション8選

  1. 就業規則に「所定労働時間・休憩時間・残業」を明記
    始業・終業時間、休憩の位置、残業命令のルールなど詳細に記載。大阪のIT企業で運用開始。
  2. 1ヶ月単位の変形労働時間制を導入する場合は協定届出+就業規則変更
    名古屋の運送業で、36協定と合わせて制度運用が安定。
  3. タイムカード・打刻システムと実態の整合性を取る
    「勤務開始時間=労働開始」とみなされないよう業務開始時間を明示。東京の飲食業で実施。
  4. 休憩時間の取得方法を明文化
    自由利用の原則と例外(業務都合での中断)を記載。福岡の介護施設で効果あり。
  5. 固定残業代制度を採用する場合は就業規則と雇用契約書に記載必須
    残業時間・割増率・超過支払い方法をセットで明記。大阪の商社で是正勧告を回避。
  6. 労働時間管理ツールと給与計算ソフトを連動
    残業集計ミスを防ぎ、手続き工数も削減。東京の小売業で導入。
  7. 社内研修で「労働時間とは何か」を教育
    自主出勤やサービス残業の温床を排除。名古屋の製造業で実施。
  8. やってはいけない:実態と異なる「形式だけの就業時間」
    就業規則と実際の勤務が異なる場合、法的トラブルの原因に。

3. よくある質問(Q&A)

Q. 就業規則の「所定労働時間」は何を基準に設定すべき?
A. 1日8時間・週40時間以内が法定。企業の実態に合わせて合理的に設定することが必要です。

Q. 労働時間に準備・片付け時間は含まれる?
A. 使用者の指揮命令下にある場合は労働時間に含まれます。

Q. フレックスタイム制の労働時間はどう管理する?
A. 就業規則・労使協定でコアタイムや清算期間を明記し、実働時間の記録が必要です。

Q. 労働時間の上限を超えたら罰則はある?
A. 36協定未締結での時間外労働や、上限超過は労基法違反となり罰則対象です。

まとめ:労働時間の明確化は“トラブル予防×制度整備”の要

労働時間は就業規則・給与計算・助成金制度の根幹に関わる重要な要素です。
本記事では、労基法上の定義、所定時間との違い、就業規則への記載ポイント、給与計算・打刻システム・アウトソース対応など、実務で見落とされがちな部分を含めて解説しました。

大阪・東京・福岡・名古屋などの企業では、社労士と連携しながら「労働時間の定義と管理体制」の見直しを進める動きが広がっています。
正確な制度運用を構築することが、労働トラブルを防ぎ、従業員との信頼を築く第一歩となるでしょう。

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