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就業規則の提出義務とは?知らないと損する企業側の責任と罰則リスク

2025.06.18 スタッフブログ

「就業規則って作ったけど、提出しないといけないの?」
「従業員が10人を超えたけど、何か届出が必要なのか分からない」
「昔作った就業規則をそのまま使っているけど、大丈夫だろうか…」

東京・大阪・福岡・名古屋など都市部の中小企業、とくに従業員数が100名を超える企業では、就業規則に関する「提出義務」の認識があいまいなケースが少なくありません。
労働基準法では一定の条件を満たす企業に「就業規則の作成・提出義務」が明確に定められており、違反すると行政指導や罰則の対象にもなり得ます。

本記事では、大阪を拠点に顧問先を多数持つ社会保険労務士が、就業規則の提出義務、提出しないことによるリスク、そして給与計算や助成金、手続き・アウトソースとの関連までをわかりやすく解説します。

1. 就業規則の提出義務とは?制度の基礎と見落としがちなポイント

◆ 労働基準法に基づく義務

労働基準法第89条では、常時10人以上の労働者を使用する事業場には、就業規則を作成し、所轄の労働基準監督署へ届け出る義務があると定められています。

  • 従業員10人以上のカウントには正社員・契約社員・パート・アルバイトも含む
  • 1つの事業場ごとの人数が基準(本社・支店など別カウント)
  • 届出には労使協定や意見書の添付が必要

◆ よくある誤解

  • 「本社に提出してるから全国共通」→×:事業場単位で提出が必要
  • 「就業規則を掲示していればOK」→×:労基署への届出と従業員周知は別物
  • 「届出していないけど実害はない」→×:監督署調査で行政指導や是正勧告の対象に

◆ 罰則リスク

就業規則を作成すべき事業場で提出していない場合、労働基準法第120条により、30万円以下の罰金が科される可能性があります。

◆ 就業規則と給与計算の連動

実は、手当・残業・休暇制度など、給与計算の根拠は就業規則に基づいています。
記載が曖昧なまま運用していると、従業員からの申告・訴訟リスクが高まります。

◆ A社(福岡の製造業)の例

A社では、従業員が12名に達していたが、就業規則未提出のまま数年が経過。
労基署の定期監査で指摘され、改善命令とともに過去の勤怠記録の再確認・是正指導を受けた。
顧問社労士と連携し、就業規則の提出と給与計算システムの見直しを実施。

2. 中小企業がとるべき実務アクション8選

  1. 就業規則の作成・提出を徹底する
    常時10名以上の従業員がいる場合、作成+労基署提出が必須。大阪のIT企業では顧問社労士が代行提出。
  2. 提出書類には労働者代表の意見書を添付
    名古屋の教育機関で、提出忘れにより再提出が発生。書式と手順の整備が重要。
  3. 就業規則の内容を定期的に更新
    法改正(育児・介護・時間外割増率など)に応じて見直しを。東京の建設業で助成金申請に影響が出た事例あり。
  4. 提出だけでなく“社内周知”も徹底
    掲示・イントラ掲載・配布等での周知が義務。福岡の運送会社でトラブル削減。
  5. 給与計算ソフトと就業規則の整合性を確認
    特別手当・休暇など規定どおり処理されているか確認を。社労士との連携が有効。
  6. 手続き業務はアウトソースも視野に
    書式ミス・期限超過を防止。特に複数拠点企業では業務効率化に直結。
  7. 助成金制度との連動を意識する
    「就業規則の整備」が助成金の申請要件となるケースも。社労士のアドバイスが有効。
  8. やってはいけない:旧版のまま放置
    何年も前の制度のまま放置すると、現場運用と乖離し重大トラブルにつながる。

3. よくある質問(Q&A)

Q. 提出義務のある“10人”にはどんな従業員が含まれますか?
A. 正社員だけでなく、契約社員・パート・アルバイトも含まれます。

Q. 一度提出すれば更新しなくても良い?
A. 法改正や制度変更があればその都度「変更届」の提出が必要です。

Q. 就業規則を提出しないと何が起こりますか?
A. 是正指導・助成金申請の不備・従業員とのトラブルなど多方面で影響が出ます。

Q. 提出だけしていれば安心ですか?
A. いいえ。提出+社内周知が義務です。未周知だと無効とされることもあります。

まとめ:就業規則の提出は“企業防衛”の第一歩

就業規則の提出は、単なる義務ではなく「企業リスク管理」と「従業員との信頼構築」に直結します。
本記事では、提出義務の法的根拠から、罰則リスク、給与計算・助成金・手続き・アウトソースとの関係まで実務視点で解説しました。

大阪・東京・福岡・名古屋といった主要都市で監督署の調査が強化される中、就業規則の提出と社内周知を今一度確認しましょう。
社労士との連携やアウトソースの活用が、制度整備の加速とリスク回避に効果的です。

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