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知らないと損する!「算定基礎」とは?社会保険料の基本をわかりやすく解説

2025.06.04 社労士コラム

「算定基礎って何のこと?」「社会保険料が毎年変わるのはなぜ?」「給与が変わっても保険料がすぐに変わらないのはなぜ?」——大阪・東京・福岡・名古屋など、全国の中小企業の経営者や総務担当者から、こうした疑問が多く寄せられます。

以下のような悩みはありませんか?

  • 「保険料がどう決まっているかよく分からない」
  • 「算定基礎届って毎年出すもの?どう書けばいいの?」
  • 「パート社員の保険料ってどう算定するの?」

このような疑問のカギを握るのが「算定基礎(届)」です。
社会保険料(健康保険・厚生年金保険)は、「標準報酬月額」を基に計算されます。そしてこの標準報酬月額を毎年決めるための手続きが「算定基礎届」です。

この記事では、「算定基礎とは何か?」を初心者にもわかりやすく解説しながら、制度の仕組み、提出方法、注意点、顧問社労士の活用やアウトソース、助成金との関係まで、実務に役立つ情報をお届けします。

算定基礎とは?制度の基本をわかりやすく

1. 算定基礎とは何か?

「算定基礎」とは、社会保険料を算出するために、社員ごとの標準報酬月額を決定する年次手続きのことです。

この手続きで会社が提出するのが「算定基礎届」です。

2. なぜ算定基礎が必要なの?

社会保険料は、個人ごとの「報酬額」に応じて決まります。しかし、毎月変動する給与に応じて保険料が変わるのは非現実的なため、年1回、一定期間の報酬を元に「標準報酬月額」を定めることで、1年間の保険料を安定的に決定します。

3. 算定基礎届の提出時期と対象

  • 提出時期:毎年7月(6月末基準)
  • 対象者:7月1日時点で在籍しており、4〜6月に報酬を受け取った被保険者

この期間(4~6月)の給与平均をもとに、保険料の基礎となる等級(標準報酬月額)が決まります。

4. 算定対象となる「報酬」とは?

基本給だけでなく、以下も含まれます:

  • 通勤手当(定期代)
  • 残業代
  • 住宅手当・役職手当・精勤手当など

一方、賞与や臨時的な手当(慶弔見舞金など)は含みません。

5. 標準報酬月額とは?

報酬総額を、厚労省が定めた「報酬月額表」に当てはめて、等級ごとに区分された固定額(例:280,000円など)として設定されるのが標準報酬月額です。

この金額が、毎月の社会保険料の基礎になります。

6. 算定基礎の仕組みを図で理解しよう

(例)4~6月の平均報酬:月287,400円
→ 標準報酬月額:等級18(280,000円)に該当
→ 健康保険・厚生年金の保険料は、この等級に応じて会社と従業員が折半で納付

7. 「随時改定」との違い

算定基礎は年1回の「定時決定」による保険料改定ですが、給与が大きく変動した場合は、3か月の実績に基づいて「月額変更届(随時改定)」を提出し、保険料を見直す仕組みもあります。

8. 中小企業で多いミスと対策

・パート社員を除外してしまった
・給与ソフトの設定ミスで報酬額が異なる
・社宅提供や通勤定期の現物支給分を加算していない

→ 社労士や顧問と連携し、提出前に必ずチェックを。

算定基礎に関する実務でやるべき8つのアクション

  1. 4〜6月の給与実績を事前に確認
    理由:報酬額の誤集計を防ぐため。
    方法:支給実績を給与システムで集計。
    効果:正確な標準報酬月額を算定できる。
  2. 対象者リストを人事台帳で洗い出す
    理由:提出漏れの防止。
    方法:7月1日時点の在籍者・休職者を整理。
    効果:正確な届出が可能に。
  3. 各種手当の課税区分を整理
    理由:算定対象に含めるべき報酬を把握するため。
    方法:賃金規程と給与項目を照合。
    効果:社会保険料の過不足リスクを防止。
  4. 算定基礎届を社労士とダブルチェック
    理由:制度変更・記載ミスに備える。
    方法:顧問社労士へ事前レビュー依頼。
    効果:提出内容の正確性が担保される。
  5. 届出業務をアウトソースする
    理由:社内リソース負担を軽減。
    方法:社会保険手続きに強い外部業者に依頼。
    効果:時間と人的コストの削減。
  6. 給与規程・就業規則と連携確認
    理由:手当支給ルールと実支給額の整合を取る。
    方法:通勤手当や住宅手当などの明記有無をチェック。
    効果:トラブル防止と法令準拠を両立。
  7. パート・アルバイトの算定対象も確認
    理由:加入義務を見落としやすいため。
    方法:週20時間・月8.8万円など条件を照合。
    効果:加入漏れによる追徴リスクを回避。
  8. 助成金との整合性をチェック
    理由:算定情報は助成金要件に直結することも。
    方法:キャリアアップ助成金等と対象者情報を照合。
    効果:助成金申請の通過率アップ。

よくあるQ&A

Q1. 算定基礎届を出すのは義務ですか?
A. はい。健康保険・厚生年金保険の適用事業所は、年1回の提出が義務です。

Q2. 賞与は算定基礎に含まれますか?
A. 含まれません。賞与は「標準賞与額」として別途届出・保険料が発生します。

Q3. 休職中の社員も対象になりますか?
A. 無給であっても、7月1日時点で在籍していれば提出対象になります(ただし、報酬欄は0円で記載)。

Q4. 社労士なしで社内対応できますか?
A. 可能ですが、法令・制度の理解が必要です。中小企業ではアウトソースや顧問社労士の活用が一般的です。

まとめ

算定基礎は、社会保険料の根幹を担う年次イベントです。

  • 正確な報酬集計と提出が義務
  • 就業規則・給与システムとの整合がカギ
  • 顧問社労士・アウトソースの活用で効率的に

大阪・東京・福岡・名古屋の中小企業でも、「算定基礎」の体制整備が進んでいます。今こそ、自社の社会保険管理を見直すチャンスです。

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