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知らないと損する?通勤費の勘定科目、正しい処理方法を徹底解説

2025.06.03 スタッフブログ

「通勤手当って、どの勘定科目で仕訳すればいいの?」「交通費とどう違うの?」「非課税と聞いたけど、どこまでが対象?」——大阪・東京・名古屋・福岡などで事業を営む中小企業の経理担当や総務の皆さまから、こうした質問が数多く寄せられています。

次のような疑問をお持ちではないでしょうか?

  • 「通勤費と出張交通費は同じ勘定科目?」
  • 「給与計算に含めるべき?別扱い?」
  • 「助成金の対象になる通勤費の取り扱いは?」

実は、通勤費の処理方法は、税務・労務・会計のすべてに関係しており、正しく理解していないと、税務調査での指摘や従業員とのトラブルに発展しかねません。

この記事では、「通勤費の勘定科目とは何か?」をわかりやすく解説し、実務で使える勘定科目の選び方、給与計算との関係、就業規則への記載、社労士や顧問活用、アウトソースによる効率化まで、総合的に解説します。

通勤費とは?基礎知識と勘定科目の選び方

1. 通勤費と交通費の違い

通勤費:自宅と職場の往復にかかる定期代など
交通費:出張や外出など、業務上の移動にかかる費用

この違いを理解することが、正確な勘定科目選定の第一歩です。

2. 通勤費の代表的な勘定科目

  • 旅費交通費:業務外出・出張時の移動費など(※通勤費には基本使わない)
  • 給与手当(通勤手当):月々の通勤費支給分(給与明細に記載される)
  • 福利厚生費:一定条件下で、非課税通勤費や補助が該当するケースも

会計上は「給与手当」として処理されることが一般的ですが、場合により「福利厚生費」とする選択もあります。

3. 税務上のポイント:非課税限度額の範囲

通勤手当は、月15万円まで非課税です。非課税とされるためには、合理的な経路・手段・金額であることが求められます。

例えば、福岡の企業で実際にあったケースでは、「特急利用の通勤ルート」を許可した結果、税務署から指摘を受け、過去の分を源泉徴収漏れとして追徴されました。

4. 給与計算との関係

通勤費は給与明細に記載されるため、給与計算と連動します。社会保険料や住民税の算出においては、非課税通勤費は除外対象であるため、正確な区分が必要です。

5. 会計処理上の仕訳例

社員に1か月定期代10,000円を支給した場合:

借方:給与手当 10,000円
貸方:現金(もしくは預金) 10,000円
※または、福利厚生費/現金 とすることも(※要確認)

6. 就業規則との連動が必須

通勤費の支給に関しては、就業規則や賃金規程に明記しておくことが必須です。特に、「非課税上限を超えた場合の取り扱い」「公共交通機関の定義」「マイカー通勤可否」など、詳細を規定しておくことでトラブルを回避できます。

7. 助成金との関係

一部の雇用助成金(例:トライアル雇用助成金など)では、通勤費支給実績の明示が必要となることがあります。正確な区分と処理が、助成金審査の通過率を高めるポイントにもなります。

通勤費の管理と処理で実践すべき8つのアクション

  1. 通勤手当の支給ルールを文書化
    理由:トラブル予防と非課税対象の明確化。
    方法:就業規則・通勤規程に記載。
    効果:従業員への説明責任が果たせる。
  2. 通勤経路を確認・証明として保管
    理由:税務調査や助成金申請に備えるため。
    方法:定期券コピー、経路メモ、交通IC記録などを管理。
    効果:合理的な通勤経路として認められる。
  3. 給与ソフトで非課税区分を設定
    理由:社会保険・税金の計算に影響。
    方法:「通勤費(非課税)」の項目を設ける。
    効果:計算ミスの防止と業務効率化。
  4. 勘定科目の統一ルールを整備
    理由:部署や担当者によるバラバラな処理を防ぐ。
    方法:旅費交通費との区別基準を明文化。
    効果:経理監査時の指摘を防止。
  5. 交通費精算システムの導入
    理由:手作業による誤記・申請漏れを防ぐ。
    方法:交通IC連携型のシステムなどを活用。
    効果:透明性・スピードが向上。
  6. アウトソースで給与・通勤費を一括管理
    理由:給与計算・税務処理の正確性を高める。
    方法:給与・労務管理のアウトソース企業に委託。
    効果:手続きミスの削減と業務効率化。
  7. 顧問社労士に規定と運用を確認
    理由:法改正・助成金要件との整合性を保つため。
    方法:就業規則・給与計算のレビュー依頼。
    効果:労基署・税務署対応に安心。
  8. 助成金活用の視点を持つ
    理由:通勤費支給を評価する制度があるため。
    方法:顧問とともに該当助成金の調査・申請準備。
    効果:制度整備のコストを削減。

よくあるQ&A

Q1. 通勤費は「旅費交通費」で処理してもいい?
A. 原則は「給与手当(通勤手当)」として処理します。旅費交通費と混在すると、税務上の誤解が生じやすくなります。

Q2. 自転車や徒歩通勤にも通勤手当は出せる?
A. はい。ただし非課税の対象外となるケースもあるため、就業規則で定義づけておくと安全です。

Q3. パート・アルバイトにも通勤手当は支給すべき?
A. 雇用形態に関係なく、支給規程がある場合は支給対象となります。公平性を持たせることが重要です。

Q4. 就業規則に書かれていないけど支給してる場合、問題はある?
A. 明文化されていない支給は、後のトラブルや助成金審査でマイナスとなる可能性があります。早期に規定化を検討しましょう。

まとめ

通勤費の処理は、会計・労務・税務の3分野に関わる重要なテーマです。

  • 給与との連動、非課税区分の明確化がポイント
  • 勘定科目は「給与手当」「福利厚生費」などで状況に応じて選定
  • 社労士・アウトソース・システム導入による正確な運用が鍵

大阪・東京・福岡・名古屋など、都市部の企業でも「通勤費の適正管理」が、労務リスク対策や助成金申請の成否を左右しています。今こそ、通勤費の取り扱いを見直し、制度整備を進めてみてはいかがでしょうか。

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