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定住と永住の違いとは?外国人雇用で混同しやすい在留資格を徹底解説

2025.06.17 スタッフブログ

「定住者と永住者ってどう違うの?」「就労制限や更新の要件は?」「どちらの在留資格なら安心して雇えるの?」——外国人雇用を行う中小企業の経営者や総務担当者から、こうした疑問が頻繁に寄せられます。

大阪、東京、福岡、名古屋など、日本全国で外国人労働者の雇用が進むなか、「在留資格」の違いを正確に理解していないことが、法的トラブルや採用ミスマッチの原因になるケースも少なくありません。

なかでも「定住者」と「永住者」は名前が似ているため混同されがちですが、制度上は明確な違いがあります。特に雇用契約やビザ更新、職種制限の有無においては、企業側にとって大きな影響があります。

この記事では、登録支援機関として外国人雇用をサポートする社会保険労務士事務所が、「定住者」と「永住者」の違いをわかりやすく比較し、それぞれの在留資格を持つ外国人を雇用する際の注意点や企業側の対応策を解説します。

定住者と永住者の違いとは?

1. 在留資格の性質

  • 定住者:個別の事情に応じて特別に在留が認められる在留資格(法務大臣の裁量)
  • 永住者:長年の在留実績や素行の善良性などを踏まえ、原則的に永住が許可される資格

2. 在留期間の違い

  • 定住者:1年、3年、5年などの在留期間が設定され、定期的に更新が必要
  • 永住者:在留期間の制限なし(更新不要)、在留カードの更新のみ

3. 就労範囲の違い

両者ともに基本的に就労制限はなく、どの業種・職種でも働くことが可能ですが、「永住者」はより自由度が高く、ビザの変更や雇用主の変更も柔軟に行えます。

4. 帯同・生活の自由度

  • 定住者:家族帯同可能だが、条件付き
  • 永住者:配偶者・子など家族の在留資格取得が容易で、生活設計の自由度が高い

5. 資格取得の難易度

永住者は原則「10年以上の在留歴」「安定した収入」「納税状況」「素行が良好」など厳しい基準をクリアする必要があります。対して定住者は、出入国管理庁が「人道的・社会的理由」により個別に判断します。

事例比較:名古屋の食品会社H社

H社では、日系ブラジル人の定住者Aさんと、在日歴15年の永住者Bさんを雇用。Aさんは更新時期に合わせて書類確認や再契約が必要でしたが、Bさんは長期雇用前提で昇進も可能に。就労範囲は同じでも、管理方法に差が出ました。

企業が押さえておくべき8つの対応策

  1. 1. 雇用前に在留資格を確認
    在留カードで「定住者」か「永住者」かを明確に確認し、記録を保管。
  2. 2. 定住者の更新期限を管理
    定住者は在留期間の更新があるため、更新スケジュールの社内管理が必須。
  3. 3. 永住者の長期雇用計画を立てやすい
    長期間の雇用を前提とするなら永住者が安心。役職登用なども視野に。
  4. 4. 定住者向けの支援体制を強化
    在留更新の手続き支援や相談窓口を設けると、定着率が高まる。
  5. 5. 職種制限がないからこそ契約書を明確に
    雇用内容を明文化し、不当な配置転換などがないよう配慮。
  6. 6. 永住者の離職時のリスクを想定
    すぐに他社へ転職可能なため、社内満足度を維持する努力が重要。
  7. 7. 在留カード更新(永住者は7年ごと)にも注意
    永住者もカード更新は必要。本人が忘れていないか定期確認を。
  8. 8. やってはいけない:更新忘れによる不法滞在
    定住者の更新忘れが起こると不法就労になる可能性。企業責任が問われる。

よくある質問(Q&A)

Q. 定住者と永住者、どちらが雇いやすい?
A. 雇用管理のしやすさや長期安定性を重視するなら永住者。ただし、本人のスキルや人柄も重要です。

Q. 定住者から永住者に移行は可能?
A. はい。一定条件を満たせば、定住者から永住者への変更申請が可能です。

Q. 永住者にも雇用契約は必要?
A. もちろんです。日本人と同様に労働契約書や就業規則に基づいた雇用が求められます。

Q. 在留資格の管理は誰が担当するべき?
A. 総務部門が中心ですが、登録支援機関や社労士と連携しながら行うと安心です。

まとめ

「定住者」と「永住者」は名前こそ似ていますが、制度的には大きな違いがあります。企業が外国人を採用・管理するうえで、それぞれの在留資格の特徴と更新・支援義務の有無を理解しておくことは不可欠です。

大阪・東京・福岡・名古屋などで外国人雇用を行う企業にとって、登録支援機関や社労士と連携し、在留資格に応じた適正な対応を進めることが、安心・安定した人材活用につながります。

まずは、雇用前に「定住」か「永住」かを見極め、制度理解からスタートしましょう。

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