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時間外手当とは?計算方法と注意点・残業手当との違いも解説
給与明細を見るたびに疑問を感じたり、自身の権利をきちんと主張できているか不安に思ったりしていませんか。
実は、この2つの手当は計算方法や適用条件が異なり、正しく理解することで、より納得のいく賃金を受け取ることができるのです。
今回は、時間外手当の正しい理解と計算方法について、具体的な例を交えながらご紹介します。
スムーズな給与計算と、労働時間に関する不安解消の一助となれば幸いです。
時間外手当とは何か
1:時間外手当の定義
時間外手当とは、労働基準法で定められた法定労働時間を超えて働いた場合に支払われる手当です。
法定労働時間は、1日8時間、1週間40時間とされています。
この時間を超えて労働した場合、通常賃金の1.25倍以上の割増賃金を支払うことが義務付けられています。
2:残業手当との違い
残業手当は、企業が定めた所定労働時間を超えて働いた場合に支払われる手当です。
一方、時間外手当は法定労働時間を超えた場合に支払われるため、必ずしも両者が一致するとは限りません。
例えば、所定労働時間が1日7時間の場合、1日8時間働いても法定労働時間は超えていないため、時間外手当は発生しません。
しかし、所定労働時間を超えた分は残業手当として支払われる可能性があります。
3:法定労働時間との関係
法定労働時間は労働者の健康と生活を守るための基準です。
法定労働時間を超える時間外労働は、企業と労働者間の協定(36協定)に基づいて行われ、その時間に対して時間外手当が支払われます。
36協定では、時間外労働の上限も定められています。
時間外手当の計算方法
1:基本給の算出方法
時間外手当の計算には、まず基本給を算出する必要があります。
基本給は、通常賃金に含まれるもので、給与明細に記載されている金額が基本となります。
ただし、賞与や通勤手当などは通常賃金に含まれません。
2:時間外労働時間の算出
時間外労働時間は、法定労働時間を超えた労働時間です。
正確な記録を付けることが重要です。
タイムカードや勤怠管理システムなどの記録を基に、法定労働時間を超えた時間を計算します。
3:時間外手当の計算式
時間外手当の計算式は、通常賃金×時間外労働時間×割増率です。
割増率は、労働基準法で最低1.25倍と定められていますが、36協定で異なる率が定められている場合もあります。
深夜労働や休日労働の場合は、さらに高い割増率が適用されます。
4:36協定と時間外労働の上限
36協定は、時間外労働の上限時間を定める労使協定です。
原則として月45時間、年360時間以内ですが、特別な事情がある場合は、上限を増やすことも可能です。
しかし、上限を超える時間外労働は違法となるため、注意が必要です。
まとめ
今回は、時間外手当の定義、残業手当との違い、計算方法、そして36協定と時間外労働の上限について解説しました。
時間外手当は、法定労働時間を超えた労働に対する割増賃金であり、正確な労働時間管理と36協定の理解が、適切な時間外手当の受領に繋がります。
法定労働時間と所定労働時間の区別、そして割増賃金の計算方法を理解することで、自身の権利を確実に守ることが可能になります。
給与明細の内容に疑問点がある場合は、会社に確認したり、必要であれば専門機関に相談することをお勧めします。
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