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企業が社労士へ相談!雇用・労働問題【賃金・労働条件編】は社会保険労務士へ

2017.04.24 社労士コラム

~企業側が受ける労働問題の相談についての説明(賃金・労働条件)~

Q(企業側)
弊社には、面接時・入社時に会社が期待したよりも実際には能力が無く、成果も思ったほど上げられない社員がいます。
最初に契約した給与額ほどの働きがないので、その社員の能力に合わせて給与を下げても大丈夫でしょうか?

A(社労士)
まず、労働契約法の第八条に「労働者及び使用者は、その合意により、労働契約の内容である労働条件を変更することができる。」とあります。
また、会社の就業規則の変更によって、労働者の労働条件を変更する方法もあり、労働契約法第十条には「使用者が就業規則の変更により労働条件を変更する場合において、変更後の就業規則を労働者に周知させ、かつ、就業規則の変更が、労働者の受ける不利益の程度、労働条件の変更の必要性、変更後の就業規則の内容の相当性、労働組合等との交渉の状況その他の就業規則の変更に係る事情に照らして合理的なものであるときは、労働契約の内容である労働条件は、当該変更後の就業規則に定めるところによるものとする。ただし、労働契約において、労働者及び使用者が就業規則の変更によっては変更されない労働条件として合意していた部分については、第十二条(就業規則違反の労働契約)に該当する場合を除き、この限りでない。」とあります。
しかし、条文中の「合理的なものであるとき」というのがかなり限定的なものであり、経営危機への対応策として認められる一部の場合などを除き、当てはまらないことがほとんどです。
特に、単純に給与を引き下げるような変更は、合理性の要件を満たすのは難しいです。
このことから、入社時の給与設定や入社後の昇給は慎重にして頂く必要があります。
従業員さんの能力や実際の成果、またその方の仕事に対する姿勢や性格など、いろいろな視点からの能力をしっかりと見極めてから給与を設定・昇給し、一度決定したり昇給した後は、決して下げない覚悟が必要です。

また、どうしても個別査定により給与を切り下げる場合は、以下の要件が必要になると言われています。

① 賃金の切り下げを予定した賃金制度や就業規則など、労働契約(雇用契約)上の根拠に基づいていること
② 制度内容が合理的であること(評価基準、評価方法など)
③ 査定が合理的であること
ここでも、「合理的である」という要件が出てきますが、規定が明確に定められているか?当該事案が社会的・客観的に見ても問題が無いか?という観点で検討する必要がありますので、ただ同意があればよいということではありません。

基本給とは別に、役職や資格等に対して支給している手当(役職手当や資格手当など)を、その職務から外れたり、資格を失ったりしたことにより、当該手当分を減額することは合理性が認められやすいです。

以上のことから、会社の給与の考え方や支払い方も労務管理上重要なファクターになりますが、社会保険労務士は、このような給与(賃金)に関する問題のエキスパートでもあります。
もし、会社の賃金や労働条件等で気になることがございましたら、社会保険労務士法人渡辺事務所にまずはご相談ください。

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