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時間給者の平均賃金計算方法を解説!時給から正確に算出する方法

2025.07.27 社労士コラム

時間給制で働く従業員の給与計算、特に平均賃金の算出は、複雑で間違いやすいと感じる方もいるかもしれません。
正しく計算しなければ、法令違反に繋がりかねません。
従業員の権利と企業の責任、両方を守るためには、正確な理解が不可欠です。
今回は、時間給者の平均賃金計算について、具体的な計算方法と注意点をご紹介します。
スムーズな給与計算の実務に役立つ情報を提供しますので、ぜひ最後までお読みください。

時間給者の平均賃金計算

賃金計算の基本事項

平均賃金とは、労働基準法などで定められている各種手当や補償、減給制裁の制限額を算定する際の基準となる金額です。
基本給だけでなく、残業代や通勤手当なども含めた総支給額が計算対象となります。
通勤手当が定期券代の場合には、1ヶ月分の金額を計算します。
計算期間は、原則として事由発生日の前3ヶ月間です。

暦日数と労働日数の違い

平均賃金の計算において、日数計算には暦日数と労働日数の2種類があります。
暦日数は、3ヶ月間の実際の日数(例:7月31日、8月31日、9月30日の合計92日)です。
一方、労働日数は、実際に労働した日数です。
時間給・日給者の平均賃金計算では、この2つの日数を使った異なる計算方法があり、いずれか高い方を平均賃金とします。

時間外労働の取り扱い

時間外労働に対する賃金は、平均賃金の計算に含める必要があります。
残業代、深夜手当、休日手当などを正確に計算し、総支給額に加算しましょう。
時間外労働の有無やその時間数によって、平均賃金が大きく変動する可能性があります。

最低保障賃金の算出

時間給・日給者の平均賃金計算では、最低保障額の算出が必要です。
これは、暦日数で割った金額が極端に低くなった場合に適用されるもので、労働した日数で割った金額の60%を最低保障額とします。
具体的には、3ヶ月間の総支給額を3ヶ月間の労働日数で除し、さらに60%を乗じた金額です。
算出された暦日数での平均賃金と労働日数での平均賃金(最低保障額)を比較し、高い方を平均賃金とします。

時給における平均賃金の算出

平均賃金の算出方法

時間給者の平均賃金は、大きく分けて2種類の計算方法があります。
1つは、3ヶ月間の総支給額を3ヶ月間の暦日数で除したものです。
もう1つは、3ヶ月間の総支給額を3ヶ月間の労働日数で除し、60%を乗じたものです。
どちらの計算方法でも、通勤手当などの諸手当は総支給額に含めます。

各種手当の取り扱い

各種手当の取り扱いについては、正確な計算が重要です。
残業代、深夜手当、休日手当などは、必ず総支給額に含めます。
一方、賞与や一時金などは、平均賃金の計算には含めません。
会社規定や労働協約などを確認し、適切な手当の取り扱いを行いましょう。

計算例と注意点

具体的な計算例として、3ヶ月間の総支給額が18万円、暦日数が90日、労働日数が60日だったとします。
暦日数で計算すると、180,000円 ÷ 90日 = 2,000円/日となります。
労働日数で計算すると、(180,000円 ÷ 60日) × 60% = 1,800円/日となります。
この場合、暦日数で計算した2,000円/日が平均賃金となります。

法令に基づいた正確な計算

平均賃金の計算は、労働基準法などの法令に基づいて行う必要があります。
法令の規定を理解し、正確な計算を行うことが重要です。
不明な点があれば、専門家への相談も検討しましょう。
計算ミスは、従業員の権利を損なうだけでなく、企業にも不利益をもたらす可能性があります。

まとめ

時間給者の平均賃金計算は、暦日数と労働日数の2種類の計算方法があり、どちらか高い方を採用します。
最低保障額の計算も必要です。
正確な計算には、残業代などの諸手当の適切な取り扱いと、法令に基づいた理解が不可欠です。
計算に自信がない場合は、専門家への相談も検討することをお勧めします。
従業員の権利と企業の責任の両方を守るためにも、正確な平均賃金計算を心がけましょう。
この記事が、時間給者の平均賃金計算に関する皆様のお役に立てれば幸いです。

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