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みなし残業廃止は法律違反?
100人規模企業が今すぐ確認すべき3つのポイント
働き方改革関連法の施行以降、多くの経営者や総務担当者が抱える不安です。特に従業員100人規模の企業では、労働基準監督署の調査対象となりやすく、みなし残業制度の適正性について厳しくチェックされるケースが増加しています。
「みなし残業廃止したいけれど、法律的に問題はないのか?」「従業員への説明はどうすればよいのか?」「給与計算はどう変わるのか?」—こうした疑問や不安を抱えている方も多いのではないでしょうか。
本記事では、全国対応のHR BrEdge(エイチアールブレッジ)社会保険労務士法人が、みなし残業廃止に関する法律の正しい理解から、実際の廃止手続きまで、100人規模企業の経営者・総務担当者が知っておくべきポイントを詳しく解説いたします。法的リスクを回避しながら、適切な労務管理体制を構築する道筋が見えてくるはずです。
みなし残業制度と法律の関係性を正しく理解する
法律上認められる条件は以下の通りです:
・基本給と固定残業代が明確に区分されていること
・何時間分の残業代に相当するかが明示されていること
・実際の残業時間が設定時間を超えた場合、差額を支払うこと
・固定残業代が最低賃金を下回らないこと
総務担当者の視点では、これらの条件を日常的に管理することの負担が課題となります。毎月の実労働時間を正確に把握し、固定残業代との差額計算を行う必要があります。さらに、就業規則や労働契約書への明記、従業員への説明義務も発生します。
多くの企業で問題となるのは、「みなし残業時間の設定根拠が曖昧」「実際の残業時間を把握していない」「差額支払いを行っていない」といったケースです。当法人でも、労働基準監督署の調査で指摘を受けた企業からの相談が後を絶ちません。
経営者の視点では、みなし残業制度のメリットとリスクを天秤にかける必要があります。人件費の予算管理がしやすい反面、法的要件を満たさない運用は未払い賃金リスクを生み、場合によっては過去2年分(悪質な場合は3年分)の差額支払いを求められる可能性があります。
実際に、IT企業E社(従業員85名)では、みなし残業制度の運用不備により、労働基準監督署から約800万円の未払い賃金支払いを指導されました。固定残業代30時間分を設定していたにも関わらず、実際の平均残業時間は45時間を超えており、差額支払いを怠っていたことが原因でした。
このように、みなし残業廃止を検討する企業が増えているのは、適正運用の難しさと法的リスクの高さが主な理由です。DX化による労働時間管理の精密化も、制度見直しの後押しとなっています。
みなし残業廃止の具体的な手順と成功事例
【STEP1:現状分析と制度設計】
まず、現在のみなし残業制度の運用状況を詳細に分析します。過去1年間の実残業時間データを集計し、部署別・職種別の傾向を把握することが重要です。
製造業F社(従業員95名)では、みなし残業時間を月30時間に設定していましたが、実際の平均残業時間は部署により15時間〜50時間と大きく異なることが判明しました。この分析結果をもとに、部署別の基本給調整と、適正な残業管理体制を構築しました。
【STEP2:従業員への説明と合意形成】
みなし残業廃止は労働条件の重要な変更にあたるため、従業員の合意が不可欠です。変更の理由、新制度のメリット、移行スケジュールを丁寧に説明することが重要です。
総務担当者の視点では、個別面談の実施が効果的です。サービス業G社では、全従業員との個別面談を通じて、新制度への不安や疑問を解消し、100%の合意を得ることに成功しました。特に、「残業した分だけきちんと支払われる」という透明性が評価されました。
【STEP3:就業規則と給与制度の変更】
法的手続きとして、就業規則の変更届出が必要です。また、給与計算システムの設定変更、労働契約書の更新も同時に行います。
建設業H社では、みなし残業廃止により基本給を月3万円増額し、実残業代制に移行しました。結果的に、従業員の労働時間への意識が向上し、業務効率化により総人件費は変更前とほぼ同水準を維持できました。
【STEP4:運用開始と効果測定】
新制度開始後は、労働時間管理の精度向上と、従業員の満足度調査を継続的に実施します。
経営者の視点では、みなし残業廃止により以下の効果が期待できます:
・労働基準監督署調査時のリスク軽減
・従業員のモチベーション向上
・助成金(働き方改革推進支援助成金等)の活用機会創出
・優秀な人材の採用力強化
一方、失敗例もあります。IT企業I社では、みなし残業廃止時の基本給調整を怠った結果、一部従業員の月収が大幅に減少し、離職者が続出しました。制度変更時は、従業員の不利益にならないよう十分な配慮が必要です。
アウトソースの活用も有効です。労務管理の専門性が求められる分野であり、顧問社労士のサポートを受けることで、法的リスクを最小限に抑えながら制度変更を進められます。
よくある質問と回答
A. 適切に運用されていたみなし残業制度であれば、廃止による人件費増加は限定的です。重要なのは移行時の基本給調整です。現在のみなし残業代相当額を基本給に組み入れることで、従業員の収入を維持しながら移行できます。むしろ、残業時間の適正管理により、内製化できる業務の見直しや効率化が進み、総労働時間の削減につながるケースが多く見られます。
Q2. 労働基準監督署から指摘を受けた場合、すぐに廃止しなければなりませんか?
A. 即座の廃止が求められるわけではありませんが、適正化への取り組みは必要です。まず、現在の制度の何が問題なのかを正確に把握し、是正計画を立てることが重要です。手続きとしては、労働基準監督署への改善報告書提出が求められることもあります。当法人では、監督署対応から制度改善まで包括的にサポートいたします。
Q3. みなし残業廃止後の労働時間管理で注意すべき点はありますか?
A. 最も重要なのは、客観的な労働時間把握の徹底です。タイムカードやICカード、PCログ等を活用し、始業・終業時刻を正確に記録する必要があります。また、36協定の範囲内での残業管理、割増賃金の適正計算も欠かせません。DXツールの活用により、これらの管理業務を効率化することも可能です。勤怠管理システムと給与計算システムの連携により、手作業によるミスを大幅に削減できます。
まとめ
現状分析、従業員との合意形成、制度設計、運用開始という4つのステップを確実に実行することで、法的リスクを回避しながら、より透明で公正な労務管理体制を構築できます。
みなし残業制度に関する不安や疑問を抱えているなら、一人で悩まず専門家に相談することをお勧めします。適正な労務管理は、企業の持続的成長と従業員の働きがいの向上に直結する重要な要素です。
今すぐ無料相談で、あなたの会社の状況に最適な解決策を見つけませんか?全国対応のHR BrEdge社会保険労務士法人では、みなし残業制度の見直しから廃止後の運用サポートまで、包括的にお手伝いいたします。オンライン相談にも対応しておりますので、お気軽にご連絡ください。
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