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知らないと損!休職中の社会保険はどうなる?企業と従業員が知るべきこと

2025.09.05 スタッフブログ

「休職してる間の健康保険料ってどうなるの?」「厚生年金は支払わないといけない?」「復職までの給与計算や就業規則の対応が難しい…」。大阪・東京・名古屋・福岡など、全国の中小企業経営者や総務担当から、こんな疑問や悩みが多く寄せられています。

休職は病気やケガ、育児や介護など様々な理由で発生しますが、その間の社会保険の取り扱いは非常に複雑で、対応を誤ると従業員とのトラブルや助成金の返還リスクにも繋がります。

なぜこれほどまでに複雑なのか? それは、社会保険(健康保険・厚生年金)が“勤務実態”ではなく“雇用契約の有無”に基づいて適用される制度だからです。

この記事では、休職中の社会保険に関する制度の全体像、企業が取るべき対応、そして注意すべきポイントを解説します。手続きのアウトソースやDX活用、顧問社労士の導入を検討している企業にも必見の内容です。

休職中の社会保険:知られざる制度とその仕組み

休職とは「雇用契約を継続しながら、労務の提供を一時的に免除する状態」です。したがって、原則として社会保険(健康保険・厚生年金)の加入資格もそのまま継続します。

1. 健康保険
休職中でも保険証はそのまま使えます。また、業務外の傷病による休職であれば、傷病手当金(最長1年6ヶ月)が支給される場合があります。ただし、申請には医師の意見書や会社の証明が必要です。

2. 厚生年金
休職中も原則として保険料を支払い続けます。給与がゼロでも、標準報酬月額に基づいて企業と本人が折半で負担します。これは多くの企業が見落としがちなポイントです。

3. 社会保険料免除制度
育児休業や介護休業の場合、一定の条件を満たせば社会保険料の免除が可能です。たとえば、1歳未満の子を養育する場合は、会社と本人の両方の保険料が免除されます。ただし、病気休職では原則免除されません。

4. 就業規則との整合性
企業の就業規則で休職期間や取扱いが明記されていない場合、従業員とのトラブルや不公平感の温床になります。給与計算の誤り、助成金の不正受給などにも直結しかねません。

5. DX・アウトソースでの対応
社会保険手続きは煩雑なうえ法改正も多く、内製化には限界があります。そこで、顧問社労士と連携したアウトソースや、クラウド型の労務管理DXが有効な選択肢となります。

たとえば、大阪の製造業で100名以上を抱えるC社では、休職者の保険対応を人事部で内製していましたが、ミスによる年金機構からの督促が発生。顧問社労士を通じてDX化したことで、以後のミスがゼロになり、助成金の適正受給にも繋がったという事例があります。

休職中の社会保険対応における8つの実践行動

  • ①休職者の社会保険資格を確認する
    理由:雇用契約が継続している限り、資格喪失はできないため。
    方法:雇用契約書と就業規則を再確認し、資格継続の前提を整理。
    効果:誤った資格喪失処理による遡及トラブルを防止。
  • ②標準報酬月額に注意した給与計算を行う
    理由:給与ゼロでも保険料は発生するケースがある。
    方法:休職月の支払い状況に応じた正確な給与計算が必要。
    効果:年金機構・健保組合からの指摘リスクを低減。
  • ③傷病手当金の申請をサポートする
    理由:従業員の生活保障と職場復帰支援のため。
    方法:申請書類の社内手続きを迅速化し、社労士と連携。
    効果:従業員の安心感が高まり、復職率の向上に貢献。
  • ④就業規則に休職・復職のルールを明記する
    理由:対応の一貫性と法的正当性を確保するため。
    方法:休職の理由、期間、復職基準、延長条件などを明文化。
    効果:労務トラブルの予防と社員の納得感の向上。
  • ⑤顧問社労士と制度対応を協議する
    理由:複雑な法解釈と助成金活用に精通しているため。
    方法:社会保険、就業規則、給与処理の一元対応を依頼。
    効果:人事業務の属人化を防ぎ、経営リスクを低減。
  • ⑥DXによる手続きの可視化と自動化
    理由:休職者対応はタイミング管理が重要。
    方法:クラウド型の労務管理ツールで申請・記録・通知を自動化。
    効果:作業負担を削減し、人的ミスを防止。
  • ⑦社会保険料の免除制度を活用する
    理由:法定要件を満たすと保険料の負担がゼロになる。
    方法:育児・介護休業について要件確認し、適切に申請。
    効果:企業・従業員双方の負担軽減と制度活用の促進。
  • ⑧「休職復職マニュアル」を作成する
    理由:現場対応のばらつきを防ぐため。
    方法:休職理由別のフロー図、申請書類一覧、連絡方法を整理。
    効果:迅速かつ正確な対応が可能になり、企業信頼性も向上。

Q&A:休職中の社会保険に関する疑問に回答!

Q1. 休職中も社会保険料を払わないといけないの?
A1. 原則として必要です。雇用契約が継続している限り、社会保険の加入資格も継続します。ただし、育児休業や介護休業などでは免除制度があります。

Q2. 給与がゼロでも保険料は発生するの?
A2. はい、発生します。報酬が支給されなくても、標準報酬月額に基づいて保険料は発生し、企業と本人の折半負担になります。

Q3. 会社が保険料を全額負担することはできる?
A3. 可能です。就業規則や労使協定で定めれば、会社が従業員の保険料を立て替えたり、全額負担することもできます。ただし、社会保険上の取扱いには注意が必要です。

Q4. 休職期間が長くなったら社会保険はどうなる?
A4. 雇用契約が終了すれば社会保険の資格も喪失します。最長でも就業規則で定めた休職期間内で対応し、一定期間後は退職と同時に資格喪失手続きを行います。

まとめ:休職中こそ社会保険の正しい知識と運用が企業力を高める

休職中の社会保険対応は、企業の法令遵守、従業員との信頼構築、助成金の正当な活用に直結する重要テーマです。

健康保険・厚生年金の仕組み、就業規則の整備、給与計算の正確性、そして顧問社労士との連携やDXの導入が、企業の対応力を飛躍的に向上させます。

休職者の不安を取り除き、職場復帰を支援する体制づくりは、離職防止やエンゲージメント向上にも繋がります。ぜひ今すぐ、自社の対応を見直し、将来の労務リスクに備えましょう。

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