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60歳でも年金がもらえる?老齢厚生年金の特別支給制度とは

2025.08.31 社労士コラム

「60歳で会社を退職したが、年金は65歳からと言われた」「働いてきたのに、今すぐ年金がもらえないのは不安」「老後の生活設計が狂ってしまうかも…」。こうした声は、大阪・東京・福岡・名古屋など大都市圏の中小企業経営者や従業員から多く聞かれます。

実は、一定の条件を満たす方に対しては、65歳より前に年金が支給される「老齢厚生年金の特別支給」という制度が存在します。しかし、その仕組みや対象者の条件は非常に複雑で、多くの方が誤解したり見落としたりしています。

この記事では、「老齢厚生年金 特別支給とは何か?」という疑問に答えながら、制度の成り立ち、条件、注意点、そして実際にどのように活用できるかを詳しく解説していきます。

老齢厚生年金の特別支給制度とは?仕組みと背景を徹底解説

老齢厚生年金の特別支給とは、1961年4月1日以前に生まれた男性、または1966年4月1日以前に生まれた女性を対象に、60歳から65歳になるまでの間に年金の一部を支給する制度です。これは「特別支給の老齢厚生年金」と呼ばれます。

もともと日本では、60歳から年金が支給される制度でしたが、少子高齢化に対応するため、1994年から年金支給開始年齢が段階的に65歳へ引き上げられることになりました。その過渡期にある人たちへの配慮として、この「特別支給制度」が設けられたのです。

対象となるのは、老齢基礎年金の受給資格(10年以上の保険加入)がある人で、厚生年金に一定期間以上加入していた方。具体的には、加入月数が300月(25年)以上であれば、報酬比例部分と定額部分を受け取ることができます。逆に300月未満であれば、報酬比例部分のみとなります。

例えば、大阪の製造業に勤めていたAさん(1963年生まれ)は、60歳の退職後、特別支給の老齢厚生年金を月10万円程度受け取っています。これにより、年金支給までの5年間の生活費に余裕が生まれ、安心して再就職活動ができたとのことです。

よくある誤解として「60歳になったら自動的に受け取れる」と思っている方がいますが、これは間違いです。実際には、所定の手続きが必要で、支給開始年齢も生年月日により異なります。たとえば、1961年生まれの男性なら支給開始は61歳から、1964年生まれの男性なら64歳からと、段階的に後ろ倒しされています。

また、特別支給を受けている間に働き続けると、「在職老齢年金」の仕組みによって支給額が調整されるケースがあります。月収と年金の合計額が一定を超えると、年金が一部または全部停止される可能性があるのです。これも制度の“知られざる落とし穴”といえるでしょう。

このように、制度の理解と適切な対策が重要です。顧問社労士のサポートを受けることで、手続きのミスや受給漏れを防ぎ、安定した老後設計が可能になります。

今すぐできる8つの実践行動で老齢厚生年金の特別支給を活用する

  • ①年金定期便を確認する
    理由:自分の加入履歴や支給開始年齢を正確に把握するため。
    方法:毎年送付される「ねんきん定期便」を確認し、年金事務所に問い合わせて詳細を把握する。
    効果:適切な支給タイミングの把握と手続き漏れの防止に繋がる。
  • ②生年月日による支給開始年齢を調べる
    理由:支給開始年齢は生年により異なる。
    方法:日本年金機構のウェブサイトや年金事務所で自分の該当年齢を確認。
    効果:早期の生活設計や準備が可能になる。
  • ③顧問社労士に相談する
    理由:制度は複雑で変更が多いため、専門家のサポートが安心。
    方法:大阪・東京・福岡・名古屋などの地域で実績のある社労士事務所に相談。
    効果:誤った手続きや受給漏れを防ぎ、助成金との併用提案も可能。
  • ④就業規則を見直す
    理由:定年後再雇用のルールや給与計算に影響を与えるため。
    方法:社内規程と年金支給の関係を見直し、DX化も視野に。
    効果:年金と給与のバランスを最適化し、在職老齢年金の損失回避が可能。
  • ⑤年金の手続きを早めに準備する
    理由:支給には数ヶ月かかることがある。
    方法:誕生月の3ヶ月前には手続き開始。
    効果:支給開始の遅延を防ぎ、スムーズな生活資金確保に繋がる。
  • ⑥給与明細のチェックで働き方を調整する
    理由:在職老齢年金の調整基準に影響する。
    方法:月収と年金額の合計を見ながら勤務時間を調整。
    効果:不必要な支給停止を回避し、最適な収入設計が可能。
  • ⑦アウトソースで手続きを効率化
    理由:社内での手続き負担を減らせる。
    方法:年金・助成金・労務管理のDX対応アウトソーシングサービスを活用。
    効果:手続きミスを防ぎ、総務部門の内製化コスト削減にも貢献。
  • ⑧社内向け説明会を開催する
    理由:従業員も正しい知識を得ることで離職リスクを減らせる。
    方法:顧問社労士に依頼し、定年と年金に関する社内研修を実施。
    効果:安心感のある職場づくりができ、定年延長後の活用促進にも繋がる。

よくある疑問にお答え!老齢厚生年金の特別支給Q&A

Q1. 60歳になったら自動的に年金がもらえるの?
A1. いいえ、自動的には支給されません。特別支給の申請手続きが必要です。手続きを忘れると支給が遅れるため、必ず誕生月の3ヶ月前までに年金事務所で手続きを行ってください。

Q2. 働きながらでも特別支給の年金はもらえる?
A2. 基本的には可能ですが、月収と年金額の合計が一定を超えると在職老齢年金制度により年金が減額または停止されることがあります。勤務形態や給与体系の調整が必要です。

Q3. 企業として何をすれば良いの?
A3. 総務部門や経営者は、就業規則の整備や給与計算の見直し、社内周知などを進めましょう。大阪・東京・名古屋・福岡など各地域でサポート実績のある社労士顧問と連携すれば、助成金活用なども視野に入れた戦略的対応が可能です。

Q4. 特別支給制度はもうすぐ終わるって本当?
A4. はい、事実です。制度は段階的に縮小されており、該当生年の方が減っていくため、新たに適用される人は今後出てこなくなります。60代前半での支給を期待するなら、今がラストチャンスです。

まとめ:特別支給制度を活かし、安心の老後設計を

老齢厚生年金の特別支給とは、過渡期の世代を支える重要な制度であり、正しく理解すれば60歳以降の生活に大きな安心をもたらします。

この記事では、制度の仕組み、活用の方法、よくある疑問について丁寧に解説しました。年金制度は複雑ですが、顧問社労士のサポートやアウトソースによるDX活用で、制度の恩恵を最大限に受け取ることができます。

ぜひ、就業規則や給与計算を見直し、助成金との組み合わせを検討しながら、次の行動に移りましょう。未来の安心は、今の一歩から始まります。

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