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労働契約書とは?中小企業が押さえるべき作成のポイントと注意点
「労働契約書って何?」「作成しないといけないの?」「どんな項目を記載すればいいの?」——このような疑問を抱える中小企業の経営者や総務担当者の方々に向けて、今回は労働契約書の基本から作成時の注意点までを解説します。
労働契約書は、従業員と企業との間で取り交わす雇用条件を明確にするための書類です。労働契約自体は口頭でも成立しますが、書面での明示が義務付けられている項目もあり、トラブル防止のためにも文書化が推奨されています。
特に、労働時間や賃金、就業場所などの基本的な労働条件は、労働基準法に基づき明示が求められています。これらを明確にすることで、労使間の誤解や紛争を未然に防ぐことができます。
本記事では、労働契約書の定義や作成のポイント、注意点について詳しく解説します。大阪、東京、名古屋、福岡など全国の中小企業の皆様にとって、労務管理の改善に役立つ情報を提供します。
1. 労働契約書とは何か?その意義と法的背景
労働契約書とは、企業が従業員を雇用する際に結ぶ契約内容を記載した書類です。労働契約は、労働者が一定の労働条件のもとに労務を提供し、それに対し使用者が賃金を支払うことを約束した契約であり、口頭でも成立しますが、書面での明示が義務付けられている項目もあります。
労働契約書の作成は義務ではありませんが、労働条件通知書の交付が義務付けられており、労働契約書を作成することで、労働条件通知書の役割も果たすことができます。
労働契約書を作成することで、労使間のトラブルを防止し、信頼関係を築くことが可能です。契約内容を明確にすることで、従業員が安心して働くことができ、企業側も法的なリスクを回避できます。
2. 労働契約書作成時の必須記載事項
労働契約書には、労働基準法に基づき、以下の事項を明示する必要があります。
- 労働契約の期間:契約期間の有無、期間がある場合はその期間。
- 就業の場所及び従事すべき業務:勤務地や業務内容。
- 始業・終業の時刻、所定労働時間を超える労働の有無、休憩時間、休日、休暇:労働時間や休憩、休日に関する事項。
- 賃金の決定、計算及び支払の方法、賃金の締切り及び支払の時期:賃金に関する事項。
- 退職に関する事項:解雇の事由を含む退職に関する事項。
これらの事項を明確に記載することで、労使間の誤解やトラブルを防ぐことができます。
3. 労働契約書作成時の注意点
労働契約書を作成する際には、以下の点に注意する必要があります。
- 就業規則との整合性:労働契約書の内容が就業規則と矛盾しないようにする。
- 法令遵守:労働基準法などの法令に違反しない内容にする。
- 明確な表現:曖昧な表現を避け、具体的に記載する。
- 労働者への説明:契約内容を労働者に十分に説明し、理解を得る。
- 署名・押印:労働者と使用者双方の署名・押印を行う。
これらの点に留意することで、労働契約書の有効性を高め、トラブルを防ぐことができます。
4. 労働契約書の作成手順
労働契約書を作成する際の一般的な手順は以下の通りです。
- 雛形の準備:自社の業種や雇用形態に適した雛形を用意する。
- 必要事項の記入:前述の必須記載事項を漏れなく記入する。
- 就業規則との整合性確認:就業規則と矛盾がないか確認する。
- 労働者への説明と確認:契約内容を労働者に説明し、理解を得る。
- 署名・押印:労働者と使用者双方の署名・押印を行う。
- 写しの交付:労働者に契約書の写しを交付する。
- 保管:契約書を適切に保管する。
これらの手順を踏むことで、労働契約書を適切に作成・管理することができます。
5. よくある質問とその回答
Q. 労働契約書と労働条件通知書の違いは何ですか?
A. 労働契約書は労働契約の内容を明示した書類であり、労働条件通知書は労働基準法に基づき、労働条件を明示するための書類です。労働契約書を作成することで、労働条件通知書の役割も果たすことができます。
Q. 労働契約書は電子メールで交付しても良いですか?
A. 労働者が希望した場合には、ファクシミリの送信又は電子メール等の送信により明示することも可能とされています。
Q. 労働契約書を作成しないとどうなりますか?
A. 労働契約書を作成しない場合、労働条件の明示義務を果たしていないことになり、労使間のトラブルの原因となる可能性があります。
Q. 労働契約書の保管期間はどのくらいですか?
A. 労働契約書の保管期間は、労働者の退職後5年間とされています。
まとめ
労働契約書は、労働者と企業との間で取り交わす雇用条件を明確にするための重要な書類です。作成することで、労使間のトラブルを防止し、信頼関係を築くことができます。
作成時には、労働基準法に基づいた必須記載事項を漏れなく記載し、就業規則との整合性を確認することが重要です。また、労働者への説明と理解を得ること、署名・押印、写しの交付、適切な保管も忘れずに行いましょう。
労働契約書の作成に不安がある場合は、社会保険労務士などの専門家に相談することをおすすめします。
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