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「残業代1.25倍」の意味とは?知らなきゃ損する割増賃金の基本を解説

2025.08.25 スタッフブログ

「残業すると時給が1.25倍になるって本当?」「1.25倍って何が基準なの?」「いつから1.25倍になるのか分からない」——残業代の計算に関して、こんな疑問を持っていませんか?

残業代の「1.25倍ルール」は、労働基準法に基づいた正当な権利ですが、実際の計算方法や適用条件を正確に理解していない方も少なくありません。特に、東京・大阪・名古屋・福岡といった主要都市では、企業の就業規則や運用の実態にばらつきがあり、従業員との間でトラブルが起きることも。

本記事では、「残業代1.25倍」の意味や背景、計算の具体例、よくある誤解とそのリスク、そして給与計算や手続きにおけるDX・アウトソースの活用法まで、社会保険労務士事務所の視点から徹底解説します。内製化と外注のバランスを取りながら、効率的かつ正確な労務管理を目指しましょう。

1. 「残業代1.25倍」はどこから来たのか?制度と運用の基本

「残業代が1.25倍になる」というのは、労働基準法第37条に規定された法定割増賃金のことです。具体的には、法定労働時間(原則1日8時間・週40時間)を超えて労働させた場合、その超過時間分について通常の賃金の1.25倍以上を支払う必要があります。

たとえば、時給1,200円の社員が1時間残業した場合、残業代は「1,200円×1.25=1,500円」となります。これは最低ラインであり、企業によってはこれ以上の割増率を設定している場合もあります(例:1.3倍、1.5倍など)。

注意が必要なのは、「所定労働時間内の残業(=法定外残業)」と「法定労働時間を超える残業(=法定内残業)」の区別です。前者は必ずしも1.25倍の対象ではなく、就業規則に基づいた企業独自の取り扱いになります。

また、深夜(22時〜翌5時)の労働については、さらに0.25倍の割増(計1.5倍)が、休日労働の場合は1.35倍の支払いが必要となります。つまり、深夜残業は「1.25+0.25=1.5倍」、休日深夜労働は「1.25+0.25+0.35=1.85倍」というように、重複して加算されるのです。

このような制度は、日本の高度経済成長期以降、労働者保護の一環として整備されてきました。しかし現代では、労働時間の長さが問題視される一方で、正確な給与計算や運用の透明性がより重視されるようになっています。

「給与=働いた時間×時給」という単純計算では済まされない背景には、こうした複雑な割増ルールと、それに対応したシステム整備や就業規則の整合性が求められる時代になってきたからです。

2. 実務で注意すべき残業代の取り扱いとアクション

  • 1. 就業規則に法定労働時間の明記を
    理由:残業の起点を明確にするため
    方法:1日8時間・週40時間を基準に記載
    効果:誤った残業計算を防ぎ、労使トラブルを回避
  • 2. 残業の定義を社内で統一する
    理由:「所定外労働」と「法定外労働」の混同を防ぐ
    方法:研修やマニュアルで明示
    効果:無駄な残業代の支払いを防止
  • 3. 給与計算をDX化・アウトソースする
    理由:複雑な計算を自動化し、ミスを削減
    方法:給与計算ソフトや顧問社労士を活用
    効果:手続きの効率化と法令遵守の両立
  • 4. タイムカードと労働時間記録を見直す
    理由:サービス残業や過少申告のリスクがあるため
    方法:打刻システムや残業申請の運用ルールを整備
    効果:証拠としての正確性を確保
  • 5. 固定残業制度(みなし残業)の適法運用
    理由:過大・過少請求トラブルのリスクがあるため
    方法:固定時間・超過分の精算ルールを就業規則に明記
    効果:労働基準監督署の指導リスクを低減
  • 6. 残業承認制の導入
    理由:残業の抑制とコストコントロールのため
    方法:事前申請・上司承認制の運用
    効果:予算管理と生産性向上につながる
  • 7. 労働時間の「見える化」
    理由:働きすぎや隠れ残業を可視化するため
    方法:ダッシュボードや月次報告を導入
    効果:組織全体の健康管理に寄与
  • 8. 月60時間超の残業には1.5倍の割増を
    理由:中小企業でも2023年4月から適用開始
    方法:超過分に対し「1.5倍」で計算するようシステム対応
    効果:法令違反による罰則を回避
  • やってはいけない行動:定時後の雑務を残業扱いしない
    理由:労働時間の不適切な扱いは違法の可能性
    結果:未払賃金請求・是正勧告につながる

3. よくある疑問と回答

Q. 1.25倍の残業代って絶対に払わなきゃいけない?
A. はい、法定労働時間を超えた場合は必ず支払う必要があります。未払いは労基法違反です。

Q. 月給制でも残業代は必要?
A. 必要です。月給には通常の労働分しか含まれておらず、残業代は別途支給が義務です。ただし、固定残業代制度を導入していれば別です。

Q. 定額で残業代込みの契約でも問題ない?
A. 合法ですが、「何時間分の残業代が含まれているか」を明記する必要があります。不明確だと無効になるリスクがあります。

Q. 管理職なら残業代は不要?
A. 一般的には「管理監督者」は残業代不要とされていますが、実態が該当しなければ支払い義務があります。役職名だけで判断しないことが重要です。

まとめ

残業代1.25倍は、労働者の基本的な権利であり、企業が守るべき義務です。給与計算のミスや不備は、訴訟や監督署対応といった大きなリスクにつながります。就業規則の整備、給与計算のDX化、アウトソースの活用、顧問社労士との連携を通じて、正確で透明性の高い労務管理を進めましょう。東京・大阪・名古屋・福岡など全国対応での支援も可能です。ご相談はお気軽に。

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