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【特老厚とは?】特別支給の老齢厚生年金の仕組みと受給条件を社労士が徹底解説

2025.07.15 社労士コラム

「“特老厚”って略語だけど何のこと?」「年金が65歳からじゃないって本当?」「自分は該当するのか知りたい」——大阪・東京・名古屋・福岡の中高年層から、年金に関するこうした声をよく聞きます。

この“特老厚”とは、「特別支給の老齢厚生年金」の略。簡単に言えば、年金の支給開始年齢が段階的に引き上げられる中、経過措置として60歳から一部の厚生年金を受け取れる制度です。

導入:「年金は65歳から」の常識に潜む“例外制度”

  • 「60歳で定年退職したら無収入になってしまう?」
  • 「同僚は60から年金をもらってるのに、自分は65歳まで待つの?」
  • 「“特老厚”って昔の制度?今も関係あるの?」

実は、“特老厚”は1953年4月2日〜1961年4月1日生まれの方にとって、今なお重要な制度です。特に男性の昭和30年代生まれや、60歳以降も働いている方、老齢年金との関係に不安を抱える方にとって、将来の生活設計に直結します。

この記事では、「特老厚」の意味、対象者、年金額の計算、注意点などを社労士の視点から丁寧に解説します。

「特老厚」とは何か?制度の背景と対象者

■ 制度の正式名称
特別支給の老齢厚生年金(特老厚)

■ 制度の背景
本来、老齢基礎年金と老齢厚生年金は65歳から支給が原則。しかし、1994年の法改正により、支給年齢が段階的に引き上げられました。その過程で、「60歳台前半から部分的に支給する」制度として誕生したのが「特老厚」です。

■ 対象となる生年月日

  • 男性:1953年4月2日〜1961年4月1日生まれ
  • 女性:1958年4月2日〜1966年4月1日生まれ

■ 支給開始年齢は生まれ年で異なる
例:1955年生まれの男性は62歳から、1958年生まれの男性は64歳から

■ 受給には「一定の被保険者期間」が必要
・原則として厚生年金保険の加入期間が1年以上
・老齢基礎年金と違い、国民年金の受給資格期間(10年)とは別の計算。

特老厚を受給するための実務対応8選

  • 1. 生年月日による支給開始年齢を確認
    昭和30年代後半以降生まれは「64歳から」の場合が多い。東京の年金相談会では一覧表で視覚的に解説。
  • 2. 年金定期便を確認
    60歳前後の年齢で届く「ねんきん定期便」に支給予定年齢・額が記載。大阪の企業では退職面談で必ず確認を実施。
  • 3. 会社での就労状況を整理
    働きながら受給する場合、在職老齢年金制度の影響あり。名古屋では「60歳以降の働き方研修」で制度説明を行っている。
  • 4. 繰下げ・繰上げとの違いを理解
    特老厚は「繰上げ」ではない。あくまで経過措置による早期支給。誤解しやすいため注意。
  • 5. 社労士に相談しながら請求手続きを行う
    福岡の企業では顧問社労士が年金事務所とのやり取りを代行。時効請求のリスクも防げる。
  • 6. 在職老齢年金との調整を確認
    月収28万円以上の在職者は年金の一部停止あり。特老厚も例外ではない。
  • 7. 退職タイミングと支給開始月の整合を図る
    退職月の前月に支給資格が発生するよう調整すると有利。東京の企業では総務担当者が退職シミュレーション表を配布。
  • 8. 特老厚の終了タイミングに注意
    65歳以降は「通常の老齢厚生年金」に切り替わる。受給額や手続きに違いがあるため、事前に把握が必要。

Q&A:特老厚に関するよくある質問

Q. 60歳になったら自動的にもらえる?
A. いいえ。自分で年金請求書を提出しないと支給は始まりません。忘れていた場合、時効で過去分が受け取れない恐れも。

Q. 働いていると特老厚はもらえない?
A. 働きながらでも受給は可能ですが、「在職老齢年金」による支給調整(減額)があります。

Q. 特老厚の金額ってどのくらい?
A. 過去の厚生年金加入期間・報酬に応じて変動。一般的には月額数万円程度〜十数万円です。

Q. 老齢基礎年金とは別?
A. はい。老齢基礎年金は65歳から一律支給、特老厚は60〜64歳の間に支給される「厚生年金部分」です。

まとめ:「特老厚」は“該当者限定”の年金。自分が対象か、今すぐ確認を

特別支給の老齢厚生年金(特老厚)は、年金制度の過渡期に生まれた特例制度です。対象者であれば、60歳台前半から公的年金を受け取れる貴重な制度ですが、「自分で請求する」ことが前提であり、未請求のまま失効してしまうケースもあります。

大阪・東京・名古屋・福岡の企業では、定年面談・年金セミナー・社労士相談会などを活用し、社員の老後設計サポートを強化しています。あなた自身やご家族が対象かどうか、早めに確認して制度を最大限に活用しましょう。

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