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その支払い、法律違反かも?給与支払いの基本ルールと実務チェックポイント

2025.06.17 スタッフブログ

「給与は毎月払ってるけど、ルール通りになっているか不安…」「残業代や休日手当、いつどうやって支払えばいい?」「振込が遅れたら法律違反になるの?」——大阪・東京・名古屋・福岡などで中小企業を運営する経営者や総務担当者から多く寄せられる質問です。

こんな疑問を感じたことはありませんか?

  • 「給与支払いの法律上のルールってどこまで守らないといけない?」
  • 「パートや契約社員でも同じルールが適用されるの?」
  • 「就業規則や雇用契約書に何を記載すればトラブルを防げる?」

給与の支払いは、労働基準法に明確なルールが定められており、「支払いの5原則」に従わないと、労働基準監督署から是正勧告を受ける可能性もあります。

この記事では、給与支払いの基本ルール、就業規則や契約書に記載すべきポイント、トラブルを防ぐ実務対応、顧問社労士やアウトソースの活用法、助成金との関係まで、実務で押さえておくべき情報を網羅的に解説します。

給与支払いの「5原則」とは?法律で定められた基本ルール

1. 通貨払いの原則

原則として、給与は現金(日本円)での支払いが義務です。ただし、本人の同意があれば銀行振込も可能です。

2. 直接払いの原則

給与は、原則として労働者本人に直接支払う必要があります。親族や他人への代理支払いは本人の同意と適正な手続きが必要です。

3. 全額払いの原則

原則として、給与は全額支払う必要があり、天引きは禁止です。ただし、法律や労使協定に基づくもの(社会保険料、税金、組合費など)は例外として認められます。

4. 毎月1回以上の定期払い

給与は毎月1回以上、一定期日に支払う必要があります。
支払日を過ぎると遅延利息や行政指導の対象になる場合もあります。

5. 一定期日払いの原則

「毎月25日払い」「末締め翌月10日払い」など、就業規則や雇用契約書に支払日を明記し、それを守る必要があります。

実務でよくある給与支払いミスと対策

1. 支払日の変更・遅延

例:月末が休日なので次の営業日にずらした
→ 基本的には前倒しで支払うのが正解です。後ろ倒しは原則NG。

2. 残業代・深夜割増の未払い

誤り:固定残業代制度を導入しているが明確な内訳なし
→ 明示がなければ割増分の追加支払い義務が発生します。

3. 賃金控除の誤適用

例:社宅費や食事代を勝手に天引き
→ 労使協定(または本人の書面同意)がないと違法控除に該当します。

4. 最終給与の精算漏れ

例:退職者に最終月の残業代が含まれていなかった
→ 労働基準監督署から遡及請求を受ける事例も増えています。

給与支払いの実務対応チェックリスト:8つのアクション

  1. 就業規則に支払い方法・日を明記
    理由:法的ルールを遵守するため。
    方法:社労士とともに賃金規程を作成。
    効果:支払日の混乱・トラブルを防止。
  2. 雇用契約書に支給条件を記載
    理由:就業形態ごとの給与条件を明確に。
    方法:基本給・手当・残業代の支給基準を記載。
    効果:従業員の納得度が向上。
  3. 賃金控除協定書を整備
    理由:法的に認められる控除の根拠が必要。
    方法:組合または労働者代表と書面協定を締結。
    効果:違法控除の指摘を防ぐ。
  4. 勤怠データと給与の連携をチェック
    理由:時間外手当・休日出勤手当の計算ミスを防ぐ。
    方法:勤怠ソフトと給与計算ソフトの連動を確認。
    効果:正確な支給額を担保。
  5. 給与明細に支給・控除項目を明記
    理由:従業員の誤解・問い合わせを防ぐ。
    方法:全項目を分かりやすく記載。
    効果:トラブルの未然防止。
  6. 給与計算をアウトソース
    理由:法改正や制度変更に即応できないリスクあり。
    方法:社労士や専門業者に委託。
    効果:計算ミス防止・効率化が実現。
  7. 支払い遅延時の対応マニュアルを作成
    理由:不測の事態に備えるため。
    方法:休日・システム障害時のフローを明文化。
    効果:トラブル時もスムーズに対応可能。
  8. 助成金申請に対応できる台帳整備
    理由:賃金台帳・出勤簿の整合性が求められる。
    方法:キャリアアップ助成金等に向け、整備・社労士と連携。
    効果:受給率の向上と監査対応力アップ。

よくあるQ&A

Q1. 給与の振込日が土日祝の場合は?
A. 原則として「前倒し支払い」が必要です。翌営業日は労基法違反となる可能性があります。

Q2. 労働者の口座に振込できない場合は?
A. 直接現金で手渡すか、再振込のための手続を案内し、記録を残すことが重要です。

Q3. パート・アルバイトの給与も同じルール?
A. はい。すべての雇用形態に労働基準法のルールが適用されます。

Q4. 給与支払いが遅れた場合の罰則は?
A. 未払い賃金として遅延損害金の支払い義務が発生する場合があります。重大な場合は是正勧告や企業名の公表対象になることも。

まとめ

給与支払いは、「当たり前」の業務であるからこそ、正確性と法令遵守が強く求められます。

  • 労基法で定められた「5原則」を必ず守る
  • 就業規則・契約書・給与明細の整合性を保つ
  • 社労士・アウトソースを活用し、業務の正確性と効率性を高める

大阪・東京・福岡・名古屋など、地域ごとの労基署の監査も厳しくなっています。いま一度、自社の給与支払い体制を点検し、信頼される組織づくりを進めましょう。

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