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パート雇用も要注意!働き方改革で変わるルールと企業対応とは

2025.06.01 スタッフブログ

「パートタイマーにも有給休暇?」「同一労働同一賃金ってうちにも関係ある?」「社会保険の加入義務は?」——従業員数100名を超える中小企業の経営者や総務担当者の多くが、パートタイム雇用における「働き方改革」の影響について頭を悩ませています。

次のようなお悩みに心当たりはありませんか?

  • 「パートも正社員並みに処遇しないといけないの?」
  • 「有給休暇の義務化って、パートにも関係あるの?」
  • 「社保加入の基準が複雑で、毎年変わっていてついていけない」

これらの疑問や不安は、すべて「働き方改革関連法」に起因しています。特に、非正規雇用(パート・アルバイト)においては、「待遇格差の是正」「労働時間の適正管理」「有給取得義務」など、従来とはまったく異なるルールが求められるようになりました。

パート雇用を多数抱える企業では、対応を誤れば、是正勧告や労使紛争、ひいては企業イメージの悪化を招きかねません。本記事では、大阪・東京・名古屋・福岡といった主要都市を中心に、中小企業が押さえておくべきパート雇用に関する働き方改革のポイントと、実務対応の具体策について解説します。

パート雇用と働き方改革:何が変わったのか?

背景:なぜ今パート雇用が注目されているのか

働き方改革は、少子高齢化や人手不足が深刻化する中で、あらゆる労働者の処遇改善と労働生産性向上を目的として実施されています。特にパートタイム労働者は、日本の労働人口の約3割を占めており、改革の中心的対象とされています。

1. 同一労働同一賃金の原則

2020年4月から中小企業にも適用されたこの原則により、職務内容が同じであれば、正社員と同じ待遇を与えなければならないとされました。これは、給与だけでなく、通勤手当、福利厚生、教育訓練などにも影響します。

例えば、福岡のある製造業では、パートに賞与を支給していなかったため、行政指導を受けたケースもあります。

2. 有給休暇の取得義務化

パートであっても、年10日以上の有給休暇が付与される場合には、年5日の取得が義務化されました。東京の企業では、対象者の管理が不十分で、是正勧告を受けた例もあります。

3. 労働時間と社会保険加入の条件

短時間勤務のパートであっても、週20時間以上勤務、月額賃金8.8万円以上、勤務期間2ヶ月超、従業員数101人以上といった条件を満たすと、社会保険加入が義務になります(2024年10月には「51人以上」企業も対象へ拡大)。

4. 就業規則とパートの位置づけ

実は多くの中小企業では、就業規則にパート向けの記載が不十分です。パートの扱いも明記し、平等性・合理性の説明が可能な内容とする必要があります。

5. 誤解と現実:「パートは短時間だから適当でいい」は通用しない

「パートだからこの程度でいい」は通用しません。むしろ、企業としての法令遵守体制が厳しく問われるのが、現在の労働環境です。大阪や名古屋の行政も、パート労働の待遇改善に向けた指導を強化しています。

企業が取るべき具体的な対応8選

  1. 職務ごとの待遇表を作成する
    理由:同一労働同一賃金への対応に不可欠。
    方法:職種・業務内容ごとに手当・福利厚生の対応一覧を整備。
    効果:待遇差の合理的説明が可能になり、トラブルを回避できる。
  2. パート就業規則を整備する
    理由:法令遵守と内部管理体制強化のため。
    方法:正社員と分けた規定や補足規定を明記。顧問社労士の協力が有効。
    効果:監査・調査時にも安心できる運用が実現。
  3. 勤務時間の管理を厳密に行う
    理由:残業・社保加入の基準に影響。
    方法:ICタイムカードやクラウド型勤怠システムを導入。
    効果:正確な給与計算と社会保険対応が可能に。
  4. パート向け研修制度を導入する
    理由:待遇格差是正の一環として求められる。
    方法:eラーニングや集合研修などを計画的に実施。
    効果:教育訓練機会の提供実績を明示でき、助成金対象にもなる。
  5. 有給管理簿を整備する
    理由:年5日取得義務化への対応。
    方法:勤怠システムで自動集計し、月1回の確認をルーチン化。
    効果:法令違反のリスクを回避し、従業員の信頼向上にもつながる。
  6. アウトソースを活用する
    理由:勤怠・給与・社保手続きを一括管理しやすくなる。
    方法:外部の労務管理サービスやBPOに委託。
    効果:業務効率化と法令遵守を両立。
  7. 助成金を活用する
    理由:制度整備や研修にかかる費用を補填できる。
    方法:キャリアアップ助成金などを顧問社労士と相談して申請。
    効果:コストを抑えつつ制度整備を推進。
  8. 顧問社労士に継続的に相談する
    理由:法改正・運用指針のアップデートが頻繁なため。
    方法:大阪・東京・福岡の信頼できる事務所と契約し、定期面談を実施。
    効果:常に最新の対応が可能となり、労務リスクを最小化。

よくあるQ&A

Q1. パートには賞与を払う必要がある?
A. 職務内容・貢献度が正社員と同等であれば、支給しない合理的理由がない限り、賞与の支給が求められます。

Q2. 社会保険の加入ラインはどう決まる?
A. 勤務時間・賃金・勤務期間・企業規模の4条件をすべて満たすと加入義務が発生します。年々基準が拡大しており、今後さらに対象が広がる見込みです。

Q3. パートの就業規則って必要?
A. 明文化されていないと、トラブルの際に不利になるケースが多くあります。専用規定を作成するのが望ましいです。

Q4. アウトソースするとコストがかかりすぎない?
A. 初期投資は必要ですが、ミス削減・労働時間削減による間接的なコスト削減効果は高く、実際には効率的な選択です。

まとめ

パート雇用と働き方改革は、もはや切り離せない課題です。
企業が対応すべき要点は:

  • 同一労働同一賃金の実現
  • 有給休暇や社保の適正管理
  • 就業規則の整備
  • アウトソースや助成金活用によるコスト・リスクの最小化

これからの時代、パート従業員も「企業の顔」です。大阪・東京・名古屋・福岡の中小企業が競争力を維持するには、誠実で柔軟な雇用体制が鍵となります。今すぐ実務対応を見直し、未来志向の組織作りを始めましょう。

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