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違いがわかる!労働協約と労使協定の正しい理解と活用法を徹底解説

2025.05.23 スタッフブログ

「労働協約と労使協定って何が違うの?」「どっちが強いの?」「自分の職場に関係あるの?」こんな疑問を感じたことはありませんか?

実は、これらはどちらも労働条件を決めるための取り決めですが、その内容や効力には大きな違いがあります。この違いを理解していないと、働く上で不利益を被ったり、経営側としても法的なリスクを抱えたりする可能性があるのです。

なぜそんなことが起きるのでしょうか?その理由は、労働協約と労使協定が異なる法律・背景に基づいて結ばれているからです。労働協約は労働組合と企業が締結する契約であり、労使協定は労働者代表と企業が取り交わす協定。この二つは、成立の過程も効力もまったく異なるのです。

この記事では、大阪難波にある社会保険労務士事務所が、労働協約と労使協定の違いとそれぞれの役割についてわかりやすく解説します。この記事を読めば、両者の違いがクリアになり、自分の職場でどう関わっているのかが理解できるようになります。

労働協約と労使協定の違いとは?その仕組みと背景を徹底解説

まず、労働協約と労使協定、それぞれの定義から整理しましょう。

【労働協約とは】

労働協約は、労働組合法に基づき、労働組合と使用者(会社)が締結する契約です。労働条件や労働関係に関する取り決めが書かれており、法的拘束力があります。組合員だけでなく、原則として全労働者に適用される点が特徴です。

【労使協定とは】

労使協定は、労働基準法などに基づき、労働者代表(必ずしも労働組合ではない)と使用者が締結する合意です。36協定(時間外労働・休日労働協定)や、変形労働時間制の導入など、労働基準法の特例適用のために必要な協定がこれに当たります。

【労働協約と労使協定の主な違い】

項目 労働協約 労使協定
根拠法 労働組合法 労働基準法など
締結相手 労働組合 労働者代表
法的拘束力 あり(全労働者に適用) あり(協定対象のみ)
主な内容 賃金・労働条件全般 残業、変形労働時間制など
届け出先 不要(ただし掲示義務あり) 労働基準監督署への届け出が必要(例:36協定)

【よくある誤解】

「労働協約と労使協定は似たもの」と思われがちですが、締結する相手や適用範囲が全く異なります。労働協約は労働組合が存在している職場に限られ、労使協定は労働者代表を選出すれば締結可能です。

【具体例:A社のケース】

A社では、労働組合と賃金や休日について労働協約を結んでいます。一方で、時間外労働のための36協定は、労働者代表と結んでいます。このように、同じ企業内でも両方の取り決めが存在するケースは多く見られます。

【意外と知られていないポイント】

労働協約は法定労働条件を上回る条件を設定できる場合もありますが、下回る条件は無効です。一方、労使協定は、労働基準法の枠内で特例を設けるためのものです。

労働協約・労使協定を正しく理解し活用するための8つのアクション

  • 1. 自社に労働組合があるか確認する
    労働協約が結ばれているかどうかは、まず労働組合の有無で決まります。組合がある場合は、協約の内容を確認してみましょう。
  • 2. 労使協定の種類と目的を把握する
    36協定や変形労働時間制、裁量労働制など、会社で結んでいる労使協定の種類と内容を確認し、自分の働き方にどう影響するか理解しましょう。
  • 3. 労働協約や労使協定の更新時期を確認する
    これらは定期的に見直しや更新が行われます。更新時期を把握し、必要に応じて意見を伝える機会を逃さないようにしましょう。
  • 4. 労働協約の掲示義務をチェックする
    労働協約は社内に掲示する義務があります。内容が確認できる場所に掲示されているかチェックしましょう。
  • 5. 労使協定の届出状況を確認する
    労使協定のうち、36協定などは労働基準監督署に届け出が必要です。届出がきちんと行われているか、社内で確認しましょう。
  • 6. 労働条件に疑問があれば協定内容を確認する
    残業時間や休日の扱いなど、疑問があれば労働協約や労使協定の内容を確認することで、納得できるかもしれません。
  • 7. 労働者代表の選出方法を知る
    労使協定を締結する際、労働者代表は公正な手続きで選出されなければなりません。選出方法が適正か確認してみましょう。
  • 8. やってはいけない!内容を知らずに働き続ける
    自分に適用される労働協約や労使協定の内容を知らずに働くのはNG。労働条件を守るためにも、必ず確認しましょう。

Q&A よくある疑問に答えます

Q. 労働協約と労使協定、どちらが強いの?
A. 労働協約の方が法的拘束力が強く、労働者全員に適用されます。労使協定は、その協定内容に限定して適用されます。

Q. 労働組合がない会社では労働協約は結べない?
A. はい、労働組合が存在しない場合は労働協約を締結できません。その代わり、労使協定を締結することができます。

Q. 36協定は労働協約とは違うの?
A. 違います。36協定は労使協定の一種で、時間外労働や休日労働を行うために必要な取り決めです。

Q. 労働協約に違反したらどうなる?
A. 労働協約は法的拘束力があるため、違反した場合は労働審判訴訟の対象となることがあります。

まとめ:労働協約と労使協定の違いを正しく理解し、安心して働こう

この記事では、労働協約と労使協定の違いとそれぞれの役割について詳しく解説しました。要点は以下の通りです。

  • 労働協約は労働組合と会社が結び、法的拘束力が強い
  • 労使協定は労働者代表と会社が結び、労基法の特例を適用するための合意
  • 両者の違いを理解して、自分の働き方にどう影響するか把握する

労働条件を守るためには、これらの取り決めの内容を知ることが重要です。自分の職場でどのような協定があるのか、一度確認してみましょう。わからない場合は、社会保険労務士など専門家に相談するのもおすすめです。

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