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取締役の役員報酬とは?税金・社会保険の仕組みや適正額の決め方を徹底解説

2025.05.19 スタッフブログ

「取締役の役員報酬ってどう決まるの?」「税金や社会保険への影響は?」「自社の役員報酬が適正か不安…」
そんな役員報酬についての疑問や不安、あなたも感じたことはありませんか?

役員報酬に関する3つのよくある悩みとその原因

・「役員報酬の決め方に明確なルールがあるのかわからない」
・「税金や社会保険料がどのくらいかかるのか不安」
・「利益が少ない年でも役員報酬は支払うべき?」

これらの悩みが生まれる背景には、役員報酬は法律上の規定があるものの、実務運用が複雑である点が挙げられます。特に、税務上の制約社会保険料への影響が大きく、知らずに損をするケースも少なくありません。

この記事では、取締役の役員報酬の仕組みや、税金・社会保険との関係、さらに適正な決め方まで、わかりやすく解説します。

取締役の役員報酬とは?仕組みと決め方を徹底解説!

1. 役員報酬とは?

役員報酬(やくいんほうしゅう)とは、取締役や監査役など会社の役員に支払われる報酬のことです。従業員の給与とは異なり、法人税法や会社法に基づく特別な規定があります。

役員報酬は、法人の利益から支払われるため、法人税の課税対象としても扱われます。また、社会保険料の計算基礎にも含まれるため、税金・保険料の負担にも影響します。

2. 役員報酬の決め方

役員報酬は、会社の定款株主総会(または取締役会)の決議によって決定されます。具体的には以下の流れで決まります。

  1. 定款で役員報酬の決定方法を定める
  2. 株主総会または取締役会で具体的な報酬額を決議する
  3. 決定後は原則として毎月定額支給(定期同額給与)

税務上、役員報酬は原則として毎月一定額でなければ損金算入が認められません。ただし、事業年度開始から3ヶ月以内であれば改定可能です(期中変更は原則不可)。

3. 役員賞与との違い

役員に対する賞与(ボーナス)は、事前に税務署へ届出を行わなければ損金算入できません。これを事前確定届出給与と呼び、あらかじめ支給額と支給時期を定める必要があります。

4. 税金・社会保険への影響

所得税:役員報酬も給与所得として課税されます。給与と同様に源泉徴収が必要です。
法人税:役員報酬は、定期同額給与事前確定届出給与であれば損金算入できます。
社会保険料:役員報酬も厚生年金・健康保険料の算定基礎になります。

たとえば、役員報酬月額50万円のA社の取締役は、給与所得控除や源泉徴収が適用され、また会社はその報酬を基に社会保険料を負担しています。

5. 適正な役員報酬額とは?

適正な役員報酬額は、会社の利益状況・業界水準・役員の貢献度などを総合的に判断して決めます。過大な報酬は、税務調査で否認される可能性があります。

参考として、中小企業の役員報酬の相場は、売上高の5〜10%程度とも言われていますが、業種や会社規模によって異なります。

役員報酬を適正に決めるための8つのアクション

  1. 会社の定款を確認する
    理由:役員報酬の決定方法が定められているため。
    方法:定款の報酬条項を確認する。
    効果:決議の流れがわかる。
  2. 株主総会または取締役会で決議する
    理由:税務上、正式な手続きを経る必要があるため。
    方法:会議議事録を作成し、報酬額を記録する。
    効果:適法な手続きが取れる。
  3. 報酬額を年初に決め、期中変更しない
    理由:定期同額給与でなければ損金算入できないため。
    方法:事業年度開始から3ヶ月以内に決める。
    効果:法人税の損金算入ができる。
  4. 事前確定届出給与を活用する
    理由:役員賞与も損金算入できるようにするため。
    方法:税務署に支給額・時期を届出する。
    効果:ボーナスも経費計上できる。
  5. 税理士に相談する
    理由:税務調査リスクを避けるため。
    方法:報酬額の妥当性や手続きを確認する。
    効果:税務リスクが軽減される。
  6. 業界水準を調べる
    理由:適正な報酬額を判断するため。
    方法:同業他社の役員報酬を調査する。
    効果:報酬決定の参考になる。
  7. 社会保険料の負担をシミュレーションする
    理由:報酬額により保険料負担が変わるため。
    方法:社会保険料の計算表を活用する。
    効果:キャッシュフロー管理がしやすくなる。
  8. 利益状況に応じて報酬を見直す
    理由:業績悪化時の負担を減らすため。
    方法:毎年事業年度開始時に適正額を検討する。
    効果:無理のない報酬設計ができる。

Q&A:取締役の役員報酬に関する疑問を解決!

Q. 役員報酬は従業員の給与と何が違う?

A. 役員報酬は法人税法や会社法に基づく特別なルールがあり、税務上の取り扱いが異なります。報酬の決定には株主総会の決議が必要です。

Q. 赤字でも役員報酬を支払うべき?

A. 法律上は可能ですが、資金繰りや税務リスクを考慮して適正額を見直すことが推奨されます。

Q. 役員賞与はどう扱われる?

A. 原則として損金算入できませんが、事前確定届出給与として税務署に届出すれば損金計上が可能です。

Q. 役員報酬を途中で変更できる?

A. 基本的には事業年度開始から3ヶ月以内なら変更可能ですが、それ以降の期中変更は原則不可です。

まとめ:役員報酬の適正な設定で税務・保険リスクを回避!

この記事では、取締役の役員報酬の仕組みや、税金・社会保険との関係について解説しました。

  • 役員報酬は株主総会などの決議で決定し、税務上のルールに従う
  • 税金・社会保険への影響を理解し、適正な額を設定する
  • 業績や資金繰りに応じて毎年見直すことが重要

役員報酬を適正に設定し、税務・保険リスクを回避しながら、健全な経営を進めましょう。不安がある場合は、専門家への相談をおすすめします。

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