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算定基礎とは?社会保険料が決まる仕組みと手続きの流れをわかりやすく解説
「算定基礎って何?」「社会保険料の金額がどう決まるのか知りたい」「手続きのタイミングや方法がわからない…」
そんな算定基礎についての疑問や不安、あなたも感じたことがあるのではないでしょうか?
算定基礎に関する3つのよくある悩みとその原因
・「社会保険料の計算方法がわからない」
・「算定基礎届っていつ、どんなときに提出するの?」
・「自分の保険料が適正か不安になる」
これらの悩みが生まれる背景には、算定基礎の仕組みが複雑でわかりにくいことがあります。特に、年に一度の手続きである算定基礎届は、日常的に行う業務ではないため、理解が浅いままになりがちです。
この記事では、算定基礎の意味や仕組み、社会保険料が決まる流れ、そして手続きのポイントまでわかりやすく解説します。
算定基礎とは?社会保険料決定の仕組みを徹底解説!
1. 算定基礎とは?
算定基礎(さんていきそ)とは、社会保険料(健康保険・厚生年金保険)の標準報酬月額を決定するための基準です。年に一度、4月〜6月の給与をもとに標準報酬月額を見直し、社会保険料を再計算する仕組みになっています。
これにより、その年の9月〜翌年8月までの保険料が決まります。この作業を算定基礎届の提出と呼び、事業主が従業員分をまとめて提出します。
2. なぜ算定基礎が必要なのか?
社会保険料は、報酬額(給与)に比例して決まります。年に一度、実際の給与に応じて見直すことで、適正な保険料を徴収できる仕組みです。もし算定基礎がなければ、給与が増減しても保険料が変わらず、不公平が生じてしまいます。
3. 算定基礎届の提出時期と対象者
算定基礎届は、毎年7月1日〜10日の間に提出します。対象は、その年の4月〜6月に在籍していた被保険者全員です(短期間勤務者など一部除外される場合もあります)。
たとえば、従業員Aさんは4月〜6月に毎月25万円の給与を受け取っていた場合、その平均月額を基に標準報酬月額が決まり、翌9月からの社会保険料が適用されます。
4. 標準報酬月額とは?
標準報酬月額は、給与額を一定の幅で区切った保険料算出の基準です。実際の給与額ではなく、報酬月額表に基づいて決まります。たとえば、月収25万円の場合、標準報酬月額は26万円になるなど、段階的な設定がされています。
5. 変動時の調整:「随時改定」との違い
給与が大きく変動した場合、年に一度の算定基礎だけでなく、随時改定(随時の標準報酬月額変更)が行われます。たとえば、基本給が大幅に上がった場合や、残業代が急増した場合などが該当します。
算定基礎はあくまで年に一度の定期的な見直し、随時改定は変動が大きい場合の臨時対応という違いがあります。
算定基礎届を正しく行うための8つのアクション
- 提出対象者を確認する
理由:適切な対象者の把握が必要なため。
方法:4月〜6月に在籍していた従業員をリストアップする。
効果:提出漏れを防げる。 - 報酬額を正確に集計する
理由:標準報酬月額が正しく決まるため。
方法:4月〜6月の給与明細を確認し、月ごとの報酬額を集計する。
効果:適正な保険料が決まる。 - 残業代や手当を含める
理由:報酬額には基本給以外も含まれるため。
方法:通勤手当や住宅手当、残業代も含めて集計する。
効果:正確な標準報酬月額が算出できる。 - 支給日ベースで計算する
理由:支給日で報酬を計上するため。
方法:4月〜6月に支給された給与額で計算する。
効果:計算ミスを防げる。 - 標準報酬月額表を確認する
理由:報酬額に対応する等級を確認するため。
方法:日本年金機構や健康保険組合の資料を参照する。
効果:正しい等級が設定できる。 - 算定基礎届の提出期限を守る
理由:期限を過ぎると指導・是正が入るため。
方法:提出期間(7月1日〜10日)をスケジュールに入れる。
効果:適正な社会保険料が反映される。 - 随時改定も意識する
理由:給与変動が大きい場合は別途対応が必要なため。
方法:給与変動が50%以上の場合などは随時改定を検討する。
効果:保険料が適正に調整できる。 - 専門家に相談する
理由:手続きや計算に不安がある場合、正確な対応ができるため。
方法:社労士や税理士に相談する。
効果:ミスなく安心して進められる。
Q&A:算定基礎に関する疑問を解決!
Q. 算定基礎届はいつ提出する?
A. 毎年7月1日〜10日が提出期間です。この間に、4月〜6月の給与データを基に提出します。
Q. 基本給以外も報酬額に含まれる?
A. はい、通勤手当・残業代・住宅手当などすべての現金報酬が含まれます。ただし、賞与は含まれません。
Q. パートやアルバイトも対象?
A. 一定の条件(週30時間以上勤務など)を満たしていれば対象になります。詳細は健康保険組合や年金事務所に確認しましょう。
Q. 給与が大きく変動した場合はどうなる?
A. 大幅な変動があった場合は随時改定で標準報酬月額を変更します。算定基礎とは別の手続きです。
まとめ:算定基礎の仕組みを理解して適正な保険料を!
この記事では、算定基礎の意味や社会保険料決定の仕組みについて解説しました。
- 算定基礎は4月〜6月の給与を基に、社会保険料を決定するための仕組み
- 年に一度の算定基礎届の提出で、9月から翌年8月までの保険料が決まる
- 給与変動が大きい場合は随時改定が行われる
正しい知識を持って、適正な社会保険料を確保しましょう。不安がある場合は、専門家に相談するのもおすすめです。
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