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【完全解説】休職とは?種類・手続き・社会保険・給与のポイントをわかりやすく解説

2025.04.16 スタッフブログ

休職者の対応や復職判定に悩む総務担当者様へ

「メンタルヘルス不調での休職者が増えているが、適切な対応方法がわからない…」「休職期間満了時の復職判定はどう行えばいいの?」「休職中の社会保険料の取り扱いが複雑で困っている」そんな悩みを抱えていませんか?

100名規模の企業では、年間数名から十数名の休職者が発生することが一般的で、適切な休職制度の運用が労務管理の重要な課題となります。不適切な対応は労働紛争のリスクを招くだけでなく、復職支援の不備により優秀な人材を失う可能性もあります。また、メンタルヘルス不調による休職が増加する中、企業には安全配慮義務の観点から適切な対応が求められています。

一方で、適切な休職制度の整備・運用は、従業員の安心感向上、人材定着率の改善、企業イメージの向上につながります。特に人材確保が困難な現在の労働市場では、充実した休職・復職支援制度は優秀な人材を引きつける重要な要素となっています。

本記事では、全国対応のHR BrEdge(エイチアールブレッジ)社会保険労務士法人が、100名規模企業の経営者・総務担当者が押さえるべき休職制度の基本から実務運用まで、包括的に解説します。法的リスクを回避しながら、従業員に寄り添った制度運用を実現する実践的な情報をお届けします。

休職制度の基本構造と100名規模企業における重要性

休職とは、労働者が一定期間、会社との雇用関係を維持したまま労務を免除される制度です。一般的に就業規則に基づいて適用されるもので、会社が休職を認めるかどうかの判断を行います。100名規模の企業では、多様な休職事由に対応できる包括的な制度設計が重要になります。

休職と欠勤の明確な区分

休職制度を適切に運用するためには、欠勤との違いを明確にすることが重要です:

項目 休職 欠勤 100名企業での注意点 実務上の判断基準
期間 長期間(数か月~年単位) 短期間(数日~数週間) 明確な基準設定が必要 連続30日が目安
雇用関係 維持(復職前提) 維持(継続勤務前提) 復職可能性の評価 医学的根拠に基づく
給与 原則無給 欠勤控除 手当制度の整備 就業規則での明記
手続き 正式申請・承認 届出・連絡 手続きフローの標準化 書面による申請

100名規模の企業では、休職と欠勤の境界を曖昧にしない明確な基準設定が重要です。特に、メンタルヘルス不調の場合は症状の変動があるため、医師の診断に基づく客観的な判断が必要になります。

休職の種類と100名規模企業での頻度

100名規模の企業で一般的に発生する休職の種類と対応のポイント:

1. 傷病休職(最頻出:年間5-10件程度)

  • 身体的疾患:がん、心疾患、脳血管疾患など
  • 精神的疾患:うつ病、適応障害、パニック障害など
  • 必要書類:医師の診断書、休職願
  • 注意点:復職時の健康状態評価が重要

2. 自己都合休職(年間1-3件程度)

  • 家族介護、留学、資格取得など
  • 会社の許可が前提
  • 期間限定での承認が一般的
  • 注意点:業務への影響を考慮した判断

3. 育児・介護休職(年間3-8件程度)

  • 育児・介護休業法に基づく法定制度
  • 給付金の支給あり
  • 復職権の保障
  • 注意点:法改正への対応が必要

4. その他の休職(稀発)

  • 出向休職、組合専従休職、公職就任休職、起訴休職
  • 企業規模や業種により発生頻度が変動
  • 個別対応が基本

100名規模企業特有の課題

100名規模の企業では、以下のような特有の課題があります:

  • 代替要員確保の困難:一人当たりの業務負担が大きく、休職者の業務代替が困難
  • 専門知識の不足:人事担当者の専門性不足による対応の不備
  • 制度の未整備:就業規則での休職規定が不十分
  • 個別対応の負担:少数精鋭のため、個別ケースへの対応負荷が大きい
  • 復職支援体制:産業医や専門機関との連携不足

効果的な休職制度運用と実務上の成功事例

休職制度の適切な運用は、明確な制度設計と継続的なサポート体制により実現できます。以下、実際の改善事例と効果的な運用方法をご紹介します。

包括的休職支援制度による人材定着事例

IT企業NN社(従業員110名)の革新的取り組み:
メンタルヘルス不調による休職者が年間8名発生し、そのうち4名が復職できずに退職していました。顧問社労士と産業医の連携により包括的な休職支援制度を構築し、復職率の劇的改善を実現しました。

構築した支援システム:

  • 段階的復職プログラム(リワーク制度)
  • 休職中の定期面談(月1回)
  • 産業医による医学的評価
  • 職場環境改善の並行実施
  • 上司・同僚への研修実施
  • 外部EAP(従業員支援プログラム)との連携

結果、復職成功率が50%から85%に向上し、優秀な人材の定着が実現しました。従業員からは「安心して働ける環境」との評価を得て、採用競争力も向上しています。

製造業OO社(従業員98名)の事例:
身体的疾患による長期休職者の職場復帰に課題を抱えていました。段階的復職制度と業務調整システムを導入し、個人の状況に応じた柔軟な復職支援を実現しました。

この取り組みにより、休職者の90%以上が復職に成功し、再休職率も大幅に低下しました。アウトソース先の社労士による継続的なサポートにより、法的リスクも回避されています。

休職制度の適正運用7ステップ

ステップ1:制度設計と就業規則整備(初期設定)

  • 休職事由の明確化
  • 休職期間の設定(疾患別・勤続年数別)
  • 手続きフローの標準化
  • 復職要件の明文化

ステップ2:休職申請受理と初期対応(発生時)

  • 医師の診断書確認
  • 休職事由の適格性判定
  • 休職期間の決定
  • 社会保険手続きの説明

ステップ3:休職期間中の継続サポート(月次)

  • 定期的な安否確認
  • 治療状況の把握
  • 復職意向の確認
  • 職場環境改善の検討

ステップ4:復職準備と評価(復職前1-2か月)

  • 主治医からの復職可能意見書取得
  • 産業医による復職可能性評価
  • 段階的復職プランの策定
  • 職場受け入れ体制の整備

ステップ5:復職実施と初期フォロー(復職後3か月)

  • 業務負荷の段階的調整
  • 定期面談の実施
  • 健康状態の継続モニタリング
  • 必要に応じた追加支援

ステップ6:復職定着と評価(復職後6か月)

  • 完全復職への移行判定
  • 再発防止策の確認
  • 制度改善点の抽出
  • 成功事例の蓄積

ステップ7:制度見直しと改善(年次)

  • 運用実績の分析
  • 法改正への対応
  • 制度の有効性評価
  • 継続的な改善実施

休職中の経済的支援制度活用

休職期間中の経済的不安を軽減するため、以下の制度を適切に活用します:

制度名 支給条件 支給額・期間 企業の役割
傷病手当金 連続3日以上の疾病 給与の2/3・最大1年6か月 申請サポート
育児休業給付金 1歳未満子の養育 賃金の67%→50% 手続き代行
介護休業給付金 家族の介護 賃金の67%・最大93日 制度説明
休職手当(任意) 企業独自制度 企業規定による 制度設計・運用

特に傷病手当金は、休職者の生活安定に重要な制度であり、企業として申請サポートを行うことで従業員の安心感向上に寄与できます。

社会保険料の適切な取り扱い

休職中の社会保険料については、以下の方法で適切に管理します:

  • 会社立て替え方式:復職後の給与から分割徴収
  • 本人納付方式:口座振替・現金納付での個別支払い
  • 免除申請:産前産後休業・育児休業期間中の免除活用
  • 任意継続移行:退職時の選択肢として説明

100名規模では、個別事情に応じた柔軟な対応が可能で、従業員の経済的負担軽減に配慮した運用が重要です。

アウトソース活用による専門性確保

複雑な休職制度運用は、社労士事務所との連携により専門性を確保できます:

  • 就業規則の休職規定整備
  • 個別ケースの法的リスク評価
  • 復職判定の客観性確保
  • 給付金申請の代行・サポート
  • 労働紛争時の対応支援

特に、産業医や医療機関との連携においても、社労士の専門知識が重要な役割を果たします。

休職制度運用で頻出する実務上の疑問をQ&A形式で解決

Q1:メンタルヘルス不調での休職から復職させる際の判断基準は?

A: 主治医の復職可能意見書と産業医の職場復帰可能性評価を総合的に判断します。重要なのは、単に症状の改善だけでなく、職場でのストレス耐性や業務遂行能力の回復を評価することです。経営者としては、安全配慮義務の観点から慎重な判断が必要で、段階的復職制度の活用により リスクを軽減できます。総務担当者は、医学的根拠に基づく客観的な評価を重視し、感情的な判断を避けることが重要です。

Q2:休職期間満了時に復職できない場合、自然退職と解雇のどちらになる?

A: 就業規則の規定により決まりますが、一般的には自然退職として扱われます。ただし、解雇に該当する場合は解雇予告手当の支払いが必要になることがあります。重要なのは、就業規則で明確に規定しておくことと、休職期間満了前に十分な復職検討期間を設けることです。法的リスクを回避するため、個別ケースでは専門家と相談しながら慎重に対応することをお勧めします。

Q3:休職中の従業員が副業を始めた場合、企業はどう対応すべき?

A: 休職事由と副業内容の整合性を慎重に判断する必要があります。身体的疾患で休職中にデスクワークの副業を行っている場合、復職可能性に疑義が生じます。メンタルヘルス不調の場合も、ストレス耐性の評価に影響する可能性があります。就業規則で休職中の副業について明確に規定し、発覚した場合の対応方針を定めておくことが重要です。個別ケースでは医学的見地からの評価も含めて総合的に判断してください。

適切な休職制度で築く安心できる職場環境と持続的成長

休職制度の適切な整備・運用は、従業員の安心感向上と企業の持続的成長の重要な基盤となります。適切な制度により、従業員は安心して治療に専念でき、企業は優秀な人材の流出を防ぎながら、健全な職場環境を維持できます。

100名規模の企業では、一人ひとりの従業員が組織に与える影響が大きく、適切な休職・復職支援により人材の価値を最大化することが競争力向上の鍵となります。メンタルヘルス対策、働き方改革、ダイバーシティ推進など、現代の経営課題への対応においても、充実した休職制度は重要な役割を果たします。

現在の休職制度に不安を感じていらっしゃるなら、今すぐ専門家にご相談ください。全国対応のHR BrEdge社会保険労務士法人では、2007年創業・顧問先50社の豊富な実績をもとに、個別企業の特性に応じた休職制度の設計・運用をサポートいたします。産業医との連携による医学的根拠に基づく復職判定から、給付金申請の代行まで、包括的な支援により安心できる休職制度運用を実現いたします。LINE・Slack・Chatworkでの迅速な相談対応も可能ですので、まずはお気軽に無料相談をご利用ください。

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