外国人雇用が盛んな日本の中小企業経営者や総務の皆さまにとって、バングラデシュという国はまだ馴染みの薄い存在かもしれません。しかし、その国は日本に対して非常に親しみを持つ「親日国」として世界的に知られています。実際、多くのバングラデシュ人は日本を尊敬し、日本企業や文化に深い敬意を抱いています。

「なぜバングラデシュがこれほど親日的なのか？」という疑問はよく耳にしますが、その背景には長い歴史的な交流、独立時の日本の支援、文化的な共通点などが関係しています。一方で、バングラデシュ人の性格や文化、社会的特徴を理解しないと、現地人材を活かした外国人雇用もなかなか成功しません。

この記事では、バングラデシュの親日性の理由を多角的に掘り下げるとともに、在留資格や就労ビザの観点から外国人雇用を検討している大阪、東京、名古屋、福岡の中小企業が知るべきポイントを解説します。親日国バングラデシュの魅力を理解し、外国人雇用トラブルを未然に防ぐための具体策もご紹介しますのでぜひご覧ください。

バングラデシュが親日国と呼ばれる理由と背景

バングラデシュは南アジアに位置し、1億6,000万人以上の人口を誇る世界でも人口密度が極めて高い国です。1971年にパキスタンから独立し、その翌年には日本から大規模なODA（政府開発援助）を受けて道路や農業、教育など多方面のインフラ支援を受けました。この長きにわたる支援関係が両国の親密な友好関係の土台となっています。

また、バングラデシュの国旗は日の丸を参考にしてデザインされており、豊かな緑と独立のために流された血を象徴する赤が特徴です。これは日本への敬意と親近感を表す象徴的な事例と言えるでしょう。

かつて明治時代の日本で発明された人力車が、“リキシャー”として今もバングラデシュの庶民の足として親しまれていることも、文化的な結びつきを示しています。さらに、バングラデシュ国内の多くの大学教授が日本の大学出身であったり、日本語学習が盛んであったりと、教育面でも日本に対する敬愛が根付いています。

社会や文化の面でも、バングラデシュの人々は穏やかで誠実、フレンドリーな性格を持ち大阪人のような距離感の近さを感じさせることが多いです。こうした国民性が日本の企業文化や地域社会とも調和しやすいのが特徴です。