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定住権とは?外国人雇用の前に知っておきたい在留資格の違いとメリット
「定住権って何?永住権とは違うの?」「定住者なら就労制限はあるの?」「外国人を雇うならどんな在留資格が有利?」——外国人雇用を検討する中小企業の経営者や総務担当者の間で、こうした疑問がよく聞かれます。
大阪、東京、福岡、名古屋など全国で外国人雇用が進む中、「在留資格」の内容を正しく理解しておくことは不可欠です。特に「定住権(=定住者)」は、日本に長く住んでいる外国人に与えられる在留資格であり、就労や生活の自由度が比較的高いのが特徴です。
しかし、その名称や制度内容が「永住者」と混同されることも多く、誤解や対応ミスが起きやすいのも事実です。雇用時の条件や企業が取るべき対応を理解することで、安心して外国人材を活用できます。
本記事では、登録支援機関として外国人雇用をサポートする社労士事務所の立場から、「定住権(定住者)」の定義、他の在留資格との違い、企業側のメリットと注意点を詳しく解説します。
定住権(定住者)とは?
1. 法的定義
「定住者」とは、出入国在留管理庁が個別に事情を考慮し、在留を認める外国人に対して与える在留資格の一つで、「出入国管理及び難民認定法」の別表第二に記載されています。
2. 該当者の例
- 日系3世やその配偶者・子
- 日本人の配偶者と離婚・死別後も在留する元配偶者
- 難民認定者の家族
- 養子縁組を通じて家族になった外国人
3. 他の在留資格との違い
「永住者」は在留期間の更新が不要で、ほぼすべての職種で就労可能な最も自由度の高い資格ですが、「定住者」は在留期間の更新が必要でありながら、基本的に就労活動に制限がないため、「技術・人文知識・国際業務」などのビザとは異なり幅広い職種に対応できます。
4. 在留期間と更新
定住者の在留期間は1年、3年、5年などで、定期的に更新が必要です。更新には雇用状況や生活状況などがチェックされます。
5. 定住者の雇用メリット
- 在留資格変更の手続きが不要
- 幅広い職種での雇用が可能(単純労働含む)
- すでに日本の生活に慣れている人が多く、定着率が高い
事例紹介:福岡の物流会社F社
福岡のF社は、日系ブラジル人の定住者をピッキング業務で採用。在留資格の制限がないため、工場内での作業も問題なく担当。日本語も日常会話レベルで話せ、地域にも慣れていたため、即戦力として活躍しています。
企業が押さえておくべきポイント8つ
- 1. 定住者かどうかを採用前に確認
「就労制限がない」在留資格かどうかを確認し、誤って制限付き資格で雇用しないよう注意。 - 2. 在留カードのコピーを必ず保管
雇用時には在留資格・期間を確認し、管理台帳に反映。更新期限も管理対象に。 - 3. 雇用契約書に明確な職務内容を記載
定住者でも適正な雇用管理を行うことで、入管対応や労基署調査に備えられる。 - 4. 在留期間の更新時期に合わせた就労確認
更新時の手続きミスを防ぐため、社内で「更新予定者リスト」を定期作成。 - 5. 日本語研修や生活支援制度の整備
生活面のサポートが定着に直結。地域情報、病院、行政手続きの案内も大切。 - 6. 離職時の注意点を共有
在留資格の更新が困難になることもあるため、離職時のフォローも重要。 - 7. 労働条件通知書は必須
日本人同様、雇用契約書・労働条件通知書の整備を忘れずに。 - 8. やってはいけない:雇用前に在留資格を軽視
資格内容を確認せず雇用すると、後に違法就労扱いとなる恐れあり。
よくある質問(Q&A)
Q. 定住者はどの職種でも働けますか?
A. はい。原則として就労制限がないため、単純作業や接客業でも雇用可能です。
Q. 定住権は永住権とは違うの?
A. はい。定住者は在留期間に制限があり、永住者は無期限。在留要件や更新義務が異なります。
Q. 定住者の家族も日本に住める?
A. 一定の条件下で家族滞在が可能です。ただし、配偶者・子どもに別途在留資格が必要です。
Q. 定住者を雇用する際、支援機関は必要?
A. 登録支援機関の関与は不要ですが、外国人雇用管理に不慣れな場合は社労士などの専門家のサポートを活用すると安心です。
まとめ
「定住権(定住者)」は、外国人の中でも幅広い職種で就労でき、在留資格変更の必要がないという大きなメリットを持つ制度です。制度の理解と的確な雇用管理により、企業にとっても即戦力として長く働いてもらえる貴重な人材となります。
大阪、東京、福岡、名古屋など、外国人雇用を推進する地域では、登録支援機関や社労士の支援を活用しながら、適正な採用・管理を行うことで、安定的な人材確保と定着を実現できます。
定住者の活用は、今後の人手不足を乗り越えるための有効な選択肢です。まずは在留資格の理解から始めましょう。
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