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懲戒規程がない会社は危険!従業員100人企業が今すぐ整備すべき理由と作成手順

2025.10.17 スタッフブログ

「従業員の問題行為に対して、どう対処すればいいのか分からない」「懲戒処分を行いたいが、法的に問題ないか不安」このような悩みを抱える経営者や総務担当者の方は少なくありません。

従業員数が100人規模になると、様々な価値観や働き方の社員が集まるため、組織運営上のトラブルも複雑化します。そんな中、懲戒規程の整備は企業を守る重要な盾となるのです。

本記事では、全国対応のHR BrEdge(エイチアールブレッジ)社会保険労務士法人が、懲戒規程の基本から実務的な作成手順まで、経営者と総務担当者それぞれの視点で詳しく解説いたします。適切な懲戒規程があることで、労使トラブルを未然に防ぎ、健全な職場環境を維持できるようになるでしょう。

懲戒規程とは何か?基本的な仕組みと重要性を理解する

懲戒規程とは、従業員が職場規律に違反した際の処分内容や手続きを定めた規則のことです。就業規則の一部として位置づけられ、会社が従業員に対して懲戒処分を行う根拠となります。

経営者の視点から見ると、懲戒規程は組織のガバナンスを保つための重要なツールです。適切な懲戒規程がないと、問題社員への対処が困難になり、他の真面目な従業員のモチベーション低下や離職につながるリスクがあります。また、不当解雇として訴えられる可能性も高くなるでしょう。

一方、総務担当者の視点では、懲戒規程は日常の人事管理における重要な指針となります。給与計算時に懲戒処分による減給がある場合の計算根拠にもなりますし、各種手続きにおいて一貫した対応を取るためにも欠かせません。

懲戒処分の種類は一般的に以下の通りです:

  • 戒告・譴責:口頭または書面での注意
  • 減給:一定期間または一定額の給与減額
  • 出勤停止:一定期間の就労禁止
  • 降格・降職:役職や職位の引き下げ
  • 懲戒解雇:即座の雇用契約終了

多くの企業が誤解しているのは、「懲戒規程がなくても、常識的な範囲で処分できる」という考え方です。しかし、労働基準法や労働契約法では、懲戒処分を行うためには事前に就業規則等で明文化することが求められています。

特に従業員100人以上の企業では、就業規則の作成・届出が義務となっているため、懲戒規程の整備は法的な要請でもあります。また、これらの規程は定期的な見直しが必要で、法改正や社会情勢の変化に応じてアップデートしていく必要があります。

懲戒規程を整備することで、会社と従業員双方にとって透明性のある職場環境が構築できます。従業員は何が禁止行為なのかを事前に理解でき、会社は適切な手続きに基づいて公正な処分を行えるようになるのです。

効果的な懲戒規程作成の具体的手順と実践ポイント

懲戒規程の作成は、単に条文を並べるだけでは不十分です。実際の運用を見据えた実務的で現実的な内容にする必要があります。

経営者の視点では、まず会社の経営方針と照らし合わせて、どのような行為を重大な規律違反とするかを明確にすることが重要です。例えば、IT系企業であれば情報漏洩や競業避止違反を重視し、製造業であれば安全規程違反や品質管理違反を重点的に扱うなど、業界特性を反映させる必要があります。

作成手順は以下の通りです:

1. 現状分析と課題の洗い出し
過去に発生した問題事例を整理し、どのような行為が職場秩序を乱すかを具体的に把握します。従業員アンケートやヒアリングも有効な手段です。

2. 懲戒事由の明文化
「その他会社の秩序を乱す行為」といった曖昧な表現ではなく、具体的で分かりやすい表現を心がけます。セクハラ、パワハラ、情報漏洩、無断欠勤など、現代の職場で問題となりやすい事項を網羅的に記載することが重要です。

3. 処分の段階設定
軽微な違反から重大な違反まで、段階的な処分体系を構築します。初回違反と再犯では処分の重さを変えるなど、教育的効果も考慮した設計が求められます。

総務担当者の視点では、日常の運用を意識した実務的なポイントに注目します。懲戒手続きの流れ、調査方法、本人への通知方法、顧問社労士との連携方法などを具体的に定めておくことで、いざという時にスムーズな対応が可能になります。

成功事例:製造業A社(従業員120名)の場合
A社では、安全規程違反が多発していました。従来は口頭注意のみでしたが、懲戒規程を整備し、「安全帽未着用は戒告、危険行為の反復は出勤停止」と明確化。結果として、安全意識が大幅に向上し、労災件数が前年比70%減となりました。経営者からは「職場の規律が格段に良くなった」との評価を得ています。

失敗事例:サービス業B社(従業員80名)の場合
B社は懲戒規程を作成したものの、内容が厳しすぎて現実的でない内容でした。軽微な遅刻でも減給処分とする規定があったため、従業員から「パワハラだ」として労働基準監督署に申告され、結果的に規程の見直しを余儀なくされました。この経験から、処分の相当性を慎重に検討することの重要性を学びました。

懲戒規程の作成には、アウトソースという選択肢も検討に値します。社労士などの専門家に依頼することで、法的リスクを回避しながら、実務に即した規程を作成できます。内製化も可能ですが、専門知識と継続的なメンテナンスが必要な点を考慮する必要があります。

懲戒規程に関するよくある質問と疑問を解決

Q1. 懲戒規程がない状態で問題社員がいる場合、どう対処すればよいでしょうか?

経営者向けの回答:
即座に懲戒処分を行うことは避け、まずは注意指導から始めることをお勧めします。同時に懲戒規程の整備を急ぎ、適切な手続きを踏める体制を構築しましょう。性急な処分は不当解雇のリスクを高めるため、専門家への相談も必要です。

総務担当者向けの回答:
まずは事実関係の詳細な記録を残し、上司や経営陣と情報共有を行います。懲戒規程作成までの間は、就業規則の一般的な服務規定や労働契約書の内容を根拠に、段階的な指導を実施することが重要です。

Q2. 懲戒処分を行う際、助成金の受給に影響はありますか?

経営者向けの回答:
キャリアアップ助成金や人材開発支援助成金など、一部の助成金では懲戒解雇者がいると受給に影響する場合があります。助成金を活用している企業は、処分前に顧問社労士に確認することが重要です。

総務担当者向けの回答:
助成金の申請書類や実績報告において、懲戒処分の有無を記載する項目がある場合があります。正確な記録管理と、必要に応じた事前相談が欠かせません。

Q3. DX化が進む中、テレワーク時代の懲戒規程はどのように考えればよいでしょうか?

経営者向けの回答:
テレワーク特有の問題(サボり、情報漏洩、副業違反など)を想定した規程整備が必要です。監視システムの導入や成果主義への転換も検討し、時代に適応した人事制度の構築を目指しましょう。

総務担当者向けの回答:
リモートワーク中の勤怠管理や業務監督方法を具体化し、在宅勤務規程と懲戒規程を連動させることが重要です。デジタルツールを活用した証拠収集方法も整備しておくべきです。

まとめ:適切な懲戒規程で健全な職場環境を実現しよう

懲戒規程は単なる処罰のためのツールではなく、健全な組織運営を支える重要な基盤です。従業員100人規模の企業では、多様な人材が集まる分、様々なトラブルが発生しやすくなります。だからこそ、事前に明確なルールを設定し、公正で透明性のある処分体系を構築することが重要なのです。

適切な懲戒規程があることで、経営者は安心して組織運営に集中でき、総務担当者は迷いなく人事手続きを進められるようになります。また、真面目に働く従業員にとっても、公平で働きやすい環境が提供されることになるでしょう。

懲戒規程の整備や見直しでお悩みの際は、豊富な実績を持つ専門家にご相談されることをお勧めします。法的リスクを回避しながら、実務に即した規程を作成することで、組織の健全な成長を支援いたします。

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