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固定残業代超過分の残業代計算方法とよくある間違い
残業代の計算、特に固定残業代を超過した場合の計算は複雑で、間違えると損をする可能性があります。
そのため、今回は、固定残業代を超過した残業代の計算方法を、具体的な計算式や計算例を用いて解説します。
固定残業代を超過した残業代の計算方法
固定残業代とは
固定残業代とは、あらかじめ決められた時間分の残業代を基本給に含めて支払う制度です。
労働基準法では、残業代の算出方法について、時間外労働の有無を問わず、基本給に含まれる固定残業代の金額と残業時間の関係を明示する必要があります。
また、この明示がない場合、固定残業代は労働基準法違反となる可能性がありますので、雇用契約書をよく確認しましょう。
さらに、契約書に明示されている時間数を超えて残業した場合、その超過分については別途残業代を請求できます。
超過分の残業時間の計算方法
まず、契約書に記載されている固定残業時間を確認します。
次に、実際に働いた時間から、この固定残業時間を差し引きます。
そして、この差し引いた時間が超過分の残業時間となります。
正確な時間管理が重要といえます。
勤怠管理システムを利用したり、毎日残業時間を記録するなどして、正確な時間を把握するようにしましょう。
例えば、毎日記録をつけ忘れてしまう方は、スマートフォンのアラーム機能を活用するのも良いでしょう。
残業代の計算式
超過分の残業代の計算式は、以下の通りです。
超過分残業代=(時間外労働時間×時給)×割増賃金率
この式において、時給は基本給を所定労働時間で割って算出します。
割増賃金率は、時間外労働の種類によって異なります。
通常労働の場合1.25倍、深夜労働の場合1.35倍、休日労働の場合1.35倍が一般的です。
ただし、労働協約や就業規則で異なる規定がある場合は、そちらを優先する必要があるのです。
計算例
例えば、基本給が20万円、所定労働時間が160時間、固定残業時間が20時間、実際に働いた時間が190時間だったとします。
時給は200,000円÷160時間=1,250円です。
超過分残業時間は190時間-160時間-20時間=10時間です。
この場合、通常労働の超過分残業代は、(10時間×1,250円)×1.25倍=15,625円となります。
この金額が、超過勤務に対する正当な対価となるのです。
時間外労働の種類に応じた残業代の計算方法
通常の時間外労働の計算方法
通常の時間外労働の残業代の計算方法は、前述の計算式を用います。
割増賃金率は1.25倍となります。
ただし、これはあくまで一般的なものであり、労働協約や就業規則で異なる規定がある場合は、そちらを優先する必要があります。
そのため、自身の会社の規定を必ず確認しましょう。
就業規則は会社に備え付けられています。
深夜労働の計算方法
深夜労働(22時から翌朝5時まで)は、割増賃金率が1.35倍となります。
深夜労働時間が通常の時間外労働時間と重複する場合、深夜労働分を先に計算し、その後の残業時間に対しては1.25倍を適用するなど、規定に従って計算する必要があります。
深夜労働は身体への負担が大きいため、割増賃金率が高く設定されているのです。
休日労働の計算方法
休日労働(週休二日制の場合、土日祝日)も、割増賃金率が1.35倍となります。
休日出勤の場合、通常勤務時間と休日勤務時間を分けて計算する必要がある場合もあります。
また、振替休日を取得した場合、その日の賃金は休日労働ではなく通常の賃金として計算されることにも注意が必要です。
固定残業代と超過分の計算に必要な要素
基本給と固定残業代の関係
基本給は残業代の計算において重要な要素です。
固定残業代に含まれる残業時間が基本給にどの程度反映されているのかを明確に理解する必要があります。
契約書に記載されている内容を正確に把握し、不明な点は人事部などに確認しましょう。
自身の権利を守るためにも、しっかりと確認することが大切です。
時間外労働時間の計算方法
時間外労働時間は、正確に記録することが重要です。
勤務開始時刻、終了時刻、休憩時間を正確に記録し、超過分を算出します。
タイムカードや勤怠管理システムなどを活用することで、正確な記録を維持できます。
また、記録をつける習慣を身につけることも重要です。
割増賃金率の確認
割増賃金率は時間外労働の種類によって異なります。
労働基準法に基づいた一般的な割合に加え、会社独自の就業規則や労働協約で規定されているかどうかを確認しましょう。
割増賃金率は、法律で定められた最低限の割合を下回ってはいけないのです。
まとめ
固定残業代を超過した残業代の計算は、基本給、固定残業時間、超過時間、そして時間外労働の種類に応じた割増賃金率を正確に把握することで行えます。
計算式を理解し、それぞれの要素を正確に計算することで、自身で正確な残業代を計算できるようになります。
不明な点があれば、人事部などに確認することをお勧めします。
正しく残業代を受け取ることは、労働者の権利なのです。
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