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【役員も社会保険に加入すべき?】代表取締役・非常勤・顧問…ケース別に徹底解説
「役員って社会保険に入らなきゃいけないの?」「非常勤の取締役も対象?」「報酬が少ない役員でも加入が必要?」——大阪・東京・名古屋・福岡などの中小企業で、総務や経営層が悩むのが“役員の社会保険加入義務”に関する問題です。
導入:役員の社会保険、こんな“誤解”がよくあります
- 「役員は従業員じゃないから、保険に入らなくてもよいのでは?」
- 「顧問で月5万円の報酬だけど、社会保険は不要だろう」
- 「退職後に会長職へ。名ばかり役員でも加入義務があるの?」
実は、役員であっても報酬や勤務実態に応じて社会保険(健康保険・厚生年金)の加入義務が発生します。知らずに放置すると、遡及徴収・是正指導・助成金対象外などのリスクがあります。
この記事では、社会保険と役員の関係、加入義務の基準、手続き方法、就業規則・報酬設計の注意点をわかりやすく解説します。
役員と社会保険の基本:なぜ加入義務があるのか?
■ 社会保険の対象者:
法人の常勤役員(代表取締役、専務、常務など)で報酬がある場合は原則として社会保険の被保険者となります。
■ 法的根拠:
健康保険法・厚生年金保険法において「法人の役員は、法人に使用される者」とされ、給与(役員報酬)が支払われていれば加入対象。
■ “労働者”でなくても適用される理由:
労働基準法上の「労働者」でなくても、社会保険法上の「被保険者」に該当するため。
役員の社会保険加入が必要な8パターンと例外
- 1. 代表取締役(常勤)
原則として強制加入。報酬が月額88,000円以上あれば、厚生年金・健保ともに適用対象 - 2. 常勤取締役(社内勤務あり)
就業実態がある場合は加入義務あり。報酬額により標準報酬月額が決定される - 3. 非常勤役員(勤務実態なし)
原則は加入対象外。ただし、会議参加や報酬支給が常態化している場合は調査で加入を求められるケースあり - 4. 顧問・相談役(名義だけ)
勤務実態なし、報酬も一時的であれば原則非該当。だが“形式上の名目”か“実務従事”かが問われる - 5. 役員報酬が極端に低額な場合
月額報酬が88,000円未満であれば社会保険加入不要となることも。ただし「恣意的な調整」はリスク - 6. 親族役員(家族経営)
勤務実態がある場合は他の社員と同様に加入義務あり。税務署との整合性も重要 - 7. 役員兼従業員(二重在籍)
雇用契約があれば労災保険の対象にもなるが、社会保険上は「役員としての報酬額」で適用 - 8. 社外役員(非常勤取締役など)
他社勤務が主で自社に勤務実態がない場合は原則対象外。ただし企業間での誤認に注意
Q&A:役員の社会保険に関するよくある疑問
Q. 社会保険に入れたくないから、役員報酬を月87,000円に設定してもいい?
A. 原則可能ですが、実態と乖離した設定や助成金目的と疑われる場合は否認されるリスクがあります。
Q. 社会保険加入後、毎月の手続きは必要?
A. 通常は給与計算に基づいて社会保険料を天引き・納付。定時決定(算定基礎)や随時改定(月変)は年1回または報酬変更時に発生
Q. 社会保険に加入しないでいたらどうなる?
A. 調査で発覚した場合、最大2年分の保険料遡及+延滞金+助成金停止+指導対象になります
Q. 役員にも育休や傷病手当は出る?
A. 健康保険に加入していれば対象となる可能性があります。ただし、報酬が停止していなければ支給されません(休業証明必要)
まとめ:役員の社会保険は「報酬額・勤務実態・法人形態」がカギ
役員=保険不要、という誤解は大きなリスクです。とくに大阪・東京・名古屋・福岡などの法人経営では、顧問社労士と連携し、就業実態・報酬額・就業規則の整備・手続きDXを進めておくことが安心につながります。
「うちは非常勤だから大丈夫」ではなく、“報酬がある限り”社会保険対象になる可能性があるという意識で確認しましょう。
適切な制度理解と手続きこそが、将来的な調査リスク・助成金停止・従業員からの不信感を防ぐ第一歩です。
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