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【知らなきゃ損】定時決定と等級の仕組みとは?社会保険料に直結する基礎知識
「定時決定って毎年どうして必要なの?」「標準報酬等級って何?どうやって決まるの?」「総務になったばかりで、社会保険料の計算が不安…」
このような疑問は、大阪・東京・名古屋・福岡など都市圏にある従業員100名以上の中小企業の総務担当者から多く寄せられます。特に給与計算や社会保険手続きを内製化している企業では、毎年の「定時決定」の時期に混乱が生じがちです。
定時決定は、社会保険料の金額を左右する重要な業務であり、制度の理解不足や手続きミスが余計な保険料負担や従業員トラブルにつながることも。
この記事では、定時決定とは何か?標準報酬月額と等級の仕組みは?という基礎から、実務上のポイント・DXやアウトソース活用・顧問社労士との連携のヒントまで、実践的に解説します。
定時決定とは?基本と背景を正しく理解する
定時決定とは
定時決定とは、毎年4月〜6月に支払われた給与をもとに、9月以降1年間の健康保険・厚生年金保険料の計算に用いる標準報酬月額を決定する手続きです。
対象期間:毎年4月・5月・6月の給与(固定的賃金)
提出時期:7月10日までに「報酬月額算定基礎届」を年金事務所などに提出
等級とは?
「標準報酬月額」は1,000円単位の報酬を便宜上等級に区分したもので、等級ごとに保険料が定まっています。例えば:
等級 | 報酬月額 | 標準報酬月額 |
---|---|---|
第18等級 | 290,000円以上〜310,000円未満 | 300,000円 |
第22等級 | 370,000円以上〜395,000円未満 | 380,000円 |
この標準報酬月額に保険料率を掛けることで、企業と従業員の社会保険料が算出されます。
定時決定の目的と意義
- 年1回、報酬変動を反映し保険料を適正にする
- 従業員と企業の負担額を法的に確定する
- 将来の年金給付額の基礎にもなる
総務担当が押さえるべき8つの実務ポイント
-
1. 対象者を正確に把握
4月〜6月の3か月間に継続して勤務し、給与を受け取っているすべての被保険者が対象。ただし「昇給・減給があった者」は注意。 -
2. 固定的賃金を基準にする
残業代や歩合給などの変動部分ではなく、基本給・手当(役職・住宅など)を基に算出。 -
3. 賃金台帳・給与明細と突合
報酬月額の算定にミスがないよう、給与計算システムと連動し、正確な金額を記入する。 -
4. 大幅変動があった場合は「随時改定」も検討
定時決定後に固定給が2等級以上変動した場合、3か月経過後に「月額変更届」で修正可能。 -
5. DX活用で提出・管理を効率化
日本年金機構の電子申請システム(e-Gov)や、社労士事務所とのクラウド共有で提出ミスを防ぐ。 -
6. 等級の確認と一覧表の配布
新しい標準報酬月額の一覧を作成し、従業員への説明をサポート。給与明細への反映も忘れずに。 -
7. 顧問社労士にチェックを依頼
判断に迷うケース(休職・出向・育休中の従業員など)は、専門家と連携し法令に則った処理を。 -
8. 助成金や補助制度との連動確認
雇用調整助成金など、一部制度は社会保険の状況で対象・金額が変わるため、制度変更時には確認を。
Q&A:定時決定・等級に関するよくある質問
Q. 残業代も含めて報酬月額に入れますか?
A. 基本的には「固定的な給与」が対象ですが、通勤手当や住宅手当など継続支給される手当は含まれます。残業代などの変動的賃金は、通常は含めません。
Q. 育休中の社員も定時決定が必要ですか?
A. 原則、育休期間中に報酬がない場合は対象外です。該当者の有無を確認し、記載不要欄に記載するのが一般的です。
Q. 新入社員や退職予定者も提出対象ですか?
A. 4月1日以降に入社し、6月30日時点で在籍していれば対象です。7月以降に退職予定でも、原則記載は必要です。
Q. 記載ミスをしたらどうなる?
A. 修正届を提出すれば訂正できますが、過少報告は保険料不足・過大給付の原因に。顧問社労士や外部チェックを活用しましょう。
まとめ:定時決定は“企業の社会保険戦略”の起点
定時決定と標準報酬等級の理解は、給与計算・社会保険料・年金額・助成金のすべてに関わります。大阪・東京・福岡・名古屋の中堅企業では、内製化とアウトソースのバランス、DXによる自動化が急速に進んでいます。
「ただの提出業務」ではなく、制度を理解して戦略的に運用することが企業のコストコントロールと信頼につながります。
顧問社労士と連携し、確実な定時決定と等級管理を実現していきましょう。
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