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【完全ガイド】36協定とは?上限規制や届け出方法を徹底解説!

2025.04.07 スタッフブログ

36協定の上限管理や適正な運用に不安を感じる総務担当者様へ

「36協定は締結しているけれど、実際の残業時間が上限を超えていないか心配…」「働き方改革で厳しくなった上限規制に、きちんと対応できているか不安」そんな悩みを抱えていませんか?

100名規模の企業では、36協定の適正な運用が労働基準法遵守と従業員の健康確保に直結します。2019年の働き方改革関連法により上限規制が強化され、違反した場合は6か月以下の懲役または30万円以下の罰金という重いペナルティが課されます。また、労働基準監督署の調査では、36協定の運用状況が厳格にチェックされ、不適切な運用が発覚すると是正勧告や企業名公表のリスクもあります。

一方で、適切な36協定の運用は、従業員の健康確保、生産性向上、企業イメージの向上につながります。明確な労働時間管理により、従業員の安心感とモチベーション向上を実現し、持続可能な事業運営の基盤を築くことができます。

本記事では、全国対応のHR BrEdge(エイチアールブレッジ)社会保険労務士法人が、100名規模企業の経営者・総務担当者が押さえるべき36協定の適正な運用方法と上限超過を防ぐ実践的対策を詳しく解説します。法的要件から実務上のポイントまで、明日からすぐに活用できる情報をお届けします。

36協定の法的要件と100名規模企業における重要性

36協定(サブロク協定)とは、労働基準法第36条に基づき、企業が従業員に時間外労働や休日労働をさせるために必要な労使協定のことです。この協定を適切に締結・運用することで、法定労働時間(1日8時間・週40時間)を超えた労働が可能になります。

2019年法改正による上限規制の強化

働き方改革関連法の施行により、時間外労働に明確な上限が設定されました。100名規模の企業では、この上限を超過するリスクが高いため、特に注意深い管理が必要です:

制限項目 通常の上限 特別条項適用時 100名企業での注意点
月間時間外労働 45時間 100時間未満 個人差による管理困難
年間時間外労働 360時間 720時間 年間管理の複雑化
複数月平均 2~6か月平均80時間 継続的な計算が必要
特別条項回数 年6回まで 計画的な運用が必要

※休日労働を含む場合、月100時間未満、2~6か月平均80時間以内という制限が加わります。

総務担当者にとって特に複雑なのは、複数月平均の計算です。例えば、4月の時間外労働が90時間の場合、2~6か月の平均が80時間を超えないよう、他の月の労働時間を調整する必要があります。

36協定違反のリスクと実際の影響

上限超過による具体的なリスク:

  • 刑事罰:6か月以下の懲役または30万円以下の罰金
  • 行政指導:労働基準監督署による是正勧告・特別指導
  • 企業名公表:ブラック企業リストへの掲載
  • 民事責任:従業員からの損害賠償請求
  • 社会的信用失墜:採用・取引への悪影響
  • 許認可への影響:建設業許可等への影響

経営者の視点では、これらのリスクによる損失は、適切な労働時間管理システム導入コストを大幅に上回る可能性があります。

100名規模企業特有の課題

100名規模の企業では、以下のような特有の課題があります:

  • 部門別の業務特性:営業、製造、システム部門で異なる労働パターン
  • 繁忙期の集中:特定時期の業務集中による上限超過リスク
  • 管理職の範囲:管理監督者の範囲認定の複雑さ
  • システム化の遅れ:手動管理による見落としリスク
  • 代替要員不足:一人当たりの業務負荷増大

効果的な36協定運用システムと実務上の成功事例

36協定の適正運用は、明確なルール設定と継続的な監視体制により実現できます。以下、実際の改善事例と効果的な運用方法をご紹介します。

包括的労働時間管理による上限遵守事例

IT企業HH社(従業員112名)の劇的改善事例:
システム開発の繁忙期に36協定の上限を頻繁に超過し、労働基準監督署から是正勧告を受けました。顧問社労士と連携して包括的な労働時間管理システムを導入し、抜本的な改善を図りました。

導入した管理システムの特徴:

  • リアルタイム労働時間監視機能
  • 上限接近時の自動アラート
  • 部門別・個人別の労働時間ダッシュボード
  • 複数月平均の自動計算機能
  • 特別条項適用回数の自動管理
  • 休日労働を含む総労働時間の一元管理

結果、36協定違反がゼロになり、従業員の残業時間も平均20%削減されました。プロジェクト管理の効率化により、売上も5%向上し、従業員満足度調査でも大幅な改善が見られました。

製造業II社(従業員98名)の事例:
受注変動により特定の月で上限を超過するリスクを抱えていました。変形労働時間制と36協定の組み合わせにより、柔軟かつ適法な労働時間管理を実現しました。

この取り組みにより、繁忙期の業務対応力が向上し、顧客満足度も改善しました。アウトソース先の社労士による継続的なモニタリングにより、法令遵守も確実に行われています。

36協定の適正運用5ステップ

ステップ1:現状分析と課題抽出(2週間)

  • 過去1年間の労働時間実績分析
  • 36協定上限との乖離状況確認
  • 部門別・職種別の労働パターン把握
  • 現行管理体制の問題点洗い出し

ステップ2:協定内容の見直しと最適化(2週間)

  • 実態に即した上限時間の設定
  • 特別条項の適用条件明確化
  • 対象労働者の範囲適正化
  • 労働者代表の適切な選出

ステップ3:労働時間管理システムの構築(1か月)

  • 勤怠管理システムの導入・改良
  • 自動アラート機能の設定
  • レポート機能の充実
  • モバイル対応による利便性向上

ステップ4:運用ルールの明文化と周知(2週間)

  • 労働時間管理規程の策定
  • 管理職向け研修の実施
  • 従業員への制度説明
  • 緊急時対応フローの確立

ステップ5:継続的監視と改善(継続)

  • 月次レビューと是正措置
  • 四半期での制度見直し
  • 法改正への対応
  • 効果測定と改善計画策定

上限超過を防ぐ実践的対策

業務効率化による根本的解決

  • ITツール活用による業務自動化
  • 業務プロセスの標準化・簡素化
  • 無駄な会議・資料作成の削減
  • DX推進による生産性向上

人員配置の最適化

  • 繁忙期への計画的人員投入
  • スキルマップに基づく適材適所
  • クロストレーニングによる多能工化
  • 外部人材活用(派遣・業務委託)

働き方の柔軟化

  • フレックスタイム制の導入
  • テレワーク・在宅勤務の活用
  • ノー残業デーの設定
  • 有給休暇取得促進

アウトソース活用による専門性確保

36協定の適正運用には専門知識が必要なため、社労士事務所へのアウトソースが効果的です。特に以下の業務で専門性を活用できます:

  • 36協定の作成・届出代行
  • 労働時間分析とコンサルティング
  • 労働基準監督署対応
  • 法改正への迅速な対応
  • 就業規則の見直し

100名規模では、内製化とアウトソースの適切な組み合わせにより、コストを抑えながら高度な専門性を確保できます。

36協定運用で頻出する実務上の疑問をQ&A形式で解決

Q1:特別条項を適用する「特別の事情」はどの程度具体的に記載すべき?

A: 「予算、決算業務」「ボーナス商戦に伴う業務の繁忙」「納期のひっ迫」「大規模なクレームへの対応」など、具体的かつ一時的な事情を明記する必要があります。「業務の都合により」といった抽象的な表現は認められません。経営者としては、事業の特性に応じた具体的な事情を整理し、年6回の制限内で計画的に活用することが重要です。総務担当者は、特別条項適用時の記録を適切に保管してください。

Q2:管理監督者にも36協定の上限は適用される?

A: 真の管理監督者には時間外労働の概念がないため、36協定の対象外です。ただし、深夜労働(22時~5時)の割増賃金は支払い義務があります。重要なのは「管理職」=「管理監督者」ではないことで、労働基準法上の管理監督者の要件(経営への参画、出退勤の自由、賃金での優遇)を満たさない場合は、役職に関係なく36協定の対象となります。判断が困難な場合は、専門家に相談することをお勧めします。

Q3:36協定の有効期間が切れた場合、どのような影響がある?

A: 協定の有効期間が切れると、一切の時間外労働・休日労働ができなくなります。継続して時間外労働をさせた場合、労働基準法違反となり罰則の対象です。新しい協定は有効期間満了前に締結・届出を行う必要があります。実務的には、有効期間の2~3か月前から準備を開始し、労働者代表の選出、協定内容の見直し、届出手続きを計画的に進めることが重要です。

適正な36協定運用で築く持続可能な労働環境

36協定の適正運用は、法令遵守にとどまらず、従業員の健康確保と企業の持続的成長の基盤となります。適切な労働時間管理により、従業員のワークライフバランス向上、生産性の向上、企業イメージの改善を同時に実現できます。

100名規模の企業では、一人ひとりの労働時間が組織全体のパフォーマンスに大きく影響するため、個別管理の精度向上が特に重要になります。適切な制度設計と運用により、法的リスクを回避しながら、魅力的な職場環境を構築し、優秀な人材の確保・定着を実現できます。

現在の36協定運用に不安を感じていらっしゃるなら、今すぐ専門家にご相談ください。全国対応のHR BrEdge社会保険労務士法人では、2007年創業・顧問先50社の豊富な実績をもとに、36協定の適正な作成・運用をサポートいたします。労働時間管理システムの導入から労働基準監督署対応まで、包括的な支援により安心できる労働時間管理を実現いたします。LINE・Slack・Chatworkでの迅速な相談対応も可能ですので、まずはお気軽に無料相談をご利用ください。

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