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【従業員10名以上なら必須】就業規則の作成義務とメリットを徹底解説!

2025.04.09 スタッフブログ

就業規則の作成義務について正しく理解したい総務担当者様へ

「うちの会社は就業規則の作成義務があるのかよくわからない…」「事業場単位って何?複数の営業所がある場合はどう判断すべき?」「作成義務があるのに放置していたら、どんなペナルティがあるの?」そんな不安を抱えていませんか?

100名規模の企業では、就業規則の作成義務対象となることは確実ですが、複数の事業場を持つ場合の判断や、適切な届出手続きについて混乱しているケースが多く見られます。労働基準法第89条違反は30万円以下の罰金という重いペナルティがあり、労働基準監督署の調査で発覚すると是正勧告の対象となります。また、就業規則の不備は労働紛争時に企業が不利な立場に置かれるリスクも抱えています。

一方で、適切な就業規則の作成・運用は、労働トラブルの防止、働き方の柔軟化、従業員の安心感向上という多面的なメリットをもたらします。特に多様な働き方が求められる現在では、明確なルール整備が組織運営の効率化と従業員満足度向上に直結します。

本記事では、全国対応のHR BrEdge(エイチアールブレッジ)社会保険労務士法人が、100名規模企業の経営者・総務担当者が押さえるべき就業規則の作成義務と適正な対応方法を詳しく解説します。法的要件から実務上のメリットまで、実践的な情報をお届けします。

就業規則作成義務の法的要件と100名規模企業における判定基準

就業規則とは、会社のルールを明文化したもので、労働基準法に基づき、常時10名以上の労働者を雇用している事業場に対して作成と届出が義務付けられています。100名規模の企業では、この義務対象となることは間違いありませんが、複数事業場の場合の判定には注意が必要です。

「常時雇用される従業員」の具体的判定基準

100名規模の企業では多様な雇用形態の従業員を抱えるため、「常時雇用」の判定が重要になります:

雇用形態 カウント要件 判定のポイント 実務上の注意点
正社員 全員カウント 雇用期間の定めなし 試用期間中も含む
契約社員 原則カウント 1年以上の契約期間 更新の実態も考慮
パート・アルバイト 労働時間により判定 正社員の4分の3以上 週30時間が目安
派遣社員 カウント対象外 派遣元での管理 混同しやすい
業務委託 カウント対象外 指揮命令関係なし 実態判定が重要

特に注意すべきは、「常時」の概念です。一時的な繁忙期の増員や季節労働者は含まれず、継続的に10名以上を雇用している状態が基準となります。100名規模の企業では、月末時点での従業員数で継続的に判定することが実務的です。

事業場単位での判定と複数拠点の取り扱い

100名規模の企業では複数の事業場を持つケースが多く、事業場単位での判定が重要になります:

  • 本社:50名(作成義務あり)
  • 東京営業所:15名(作成義務あり)
  • 大阪営業所:8名(作成義務なし)
  • 福岡営業所:7名(作成義務なし)

この場合、本社と東京営業所はそれぞれ就業規則の作成・届出義務があり、各事業場の所轄労働基準監督署への個別届出が必要です。

総務担当者が陥りがちなのは、「会社全体で10名以上だから一括で届出すればよい」という誤解です。実際には事業場ごとの個別対応が必要で、管理の複雑さが増します。

作成義務違反のリスクと実際の影響

就業規則の作成・届出義務違反による具体的リスク:

  • 刑事罰:30万円以下の罰金(労働基準法第120条)
  • 行政指導:労働基準監督署による是正勧告
  • 労働紛争での不利:解雇・懲戒処分の根拠不備
  • 助成金申請不可:多くの助成金で就業規則添付が必須
  • 企業イメージ悪化:法令遵守意識の欠如として評価
  • 取引先への影響:コンプライアンス審査での指摘

経営者の視点では、これらのリスクによる損失は就業規則作成コストを大幅に上回る可能性があります。

効果的な就業規則作成システムと実務上の成功事例

就業規則の作成は、法的義務の履行にとどまらず、組織運営の基盤強化と従業員満足度向上の機会として活用できます。以下、実際の成功事例と効果的な作成方法をご紹介します。

複数事業場での統一的就業規則管理事例

小売業JJ社(従業員108名・5事業場)の効率化事例:
各店舗で異なる運用ルールが問題となり、従業員から不公平感の声が上がっていました。顧問社労士と連携して統一的な就業規則体系を構築し、全事業場での一貫した運用を実現しました。

構築した規則体系:

  • 基本就業規則(全事業場共通)
  • 事業場別補足規程(地域特性対応)
  • 職種別適用規程(店舗・本部・物流)
  • リモートワーク規程(本部のみ適用)
  • ハラスメント防止規程(全社共通)

結果、従業員の満足度が大幅に向上し、各店舗での運用統一により管理効率も改善しました。助成金申請も円滑に進み、年間300万円の支援を獲得しています。

製造業KK社(従業員115名・3事業場)の事例:
工場と本社で異なる労働条件のため、就業規則の適用関係が曖昧でした。事業場別規程を含む包括的就業規則を作成し、各拠点の特性に応じたルールを明文化しました。

この取り組みにより、労働時間管理が明確になり、DXによる勤怠管理システム導入もスムーズに進みました。アウトソース先の社労士による継続的な更新サポートにより、法改正への対応も迅速に行われています。

就業規則作成の効率的7ステップ

ステップ1:作成義務の確認と現状分析(1週間)

  • 各事業場の従業員数正確な把握
  • 現行規則の有無と内容確認
  • 業種・事業特性の整理
  • 法改正対応状況の点検

ステップ2:基本方針と構成の決定(2週間)

  • 統一規則 vs 個別規則の選択
  • 労働時間・休憩・休日の設定
  • 賃金体系・諸手当の明文化
  • 服務規律・懲戒規定の整備

ステップ3:専門家との連携による内容精査(2週間)

  • 社労士による法令適合性確認
  • 業界特有の留意点反映
  • 将来の制度変更への対応設計
  • 助成金活用可能性の検討

ステップ4:労働者代表との協議(1週間)

  • 適切な労働者代表の選出
  • 規則内容の詳細説明
  • 意見聴取と合意形成
  • 修正事項の検討・反映

ステップ5:各事業場での届出手続き(1週間)

  • 事業場ごとの届出書類作成
  • 所轄労働基準監督署の確認
  • 電子申請または窓口提出
  • 受理証明書の保管

ステップ6:従業員への周知・教育(2週間)

  • 事業場別説明会の開催
  • イントラネット・掲示板での公開
  • 管理職向け運用研修
  • 質問対応体制の構築

ステップ7:継続的運用・更新体制確立(継続)

  • 法改正情報の収集体制
  • 年次見直しスケジュール
  • 変更時の届出フロー確立
  • 効果測定と改善サイクル

働き方の柔軟化を支える規則設計

100名規模の企業では、多様な働き方への対応が競争力向上の鍵となります。就業規則に以下の制度を盛り込むことで、従業員満足度と生産性の向上を同時に実現できます:

  • フレックスタイム制:コアタイム設定による柔軟な勤務
  • テレワーク制度:在宅勤務・サテライトオフィス勤務
  • 副業・兼業規定:届出制による適切な管理
  • 時差出勤制度:通勤ラッシュ回避と生産性向上
  • 短時間勤務制度:育児・介護との両立支援

DX活用による規則管理の効率化

クラウド型の就業規則管理システムを活用することで、複数事業場での一元管理と迅速な更新対応が可能になります:

  • 各事業場共通部分の一括管理
  • 個別規程の事業場別設定
  • 法改正時の自動アラート
  • 変更履歴の自動記録
  • 従業員への自動配信機能

就業規則作成で頻出する実務上の疑問をQ&A形式で解決

Q1:本社で作成した就業規則を、他の事業場でもそのまま使用できる?

A: 内容が同じであれば使用可能ですが、各事業場ごとに個別の届出が必要です。ただし、事業場ごとに労働条件が異なる場合(営業時間、休日設定、地域手当など)は、それぞれに適合した内容にする必要があります。経営者としては、統一性と個別対応のバランスを考慮した規則設計が重要です。実務的には、基本部分は統一し、事業場特有の部分は別規程として整備することが効率的です。

Q2:パートタイマーが多い企業では、どのような点に特に注意すべき?

A: 同一労働同一賃金への対応と、パート特有の労働条件の明記が重要です。正社員との待遇差について合理的説明ができるよう、職務内容、責任の程度、配置転換の範囲などを明確に規定する必要があります。また、パートタイマーの労働時間管理や有給休暇の比例付与についても詳細に規定してください。100名規模では雇用形態が多様になりがちなため、包括的な規定整備が不可欠です。

Q3:就業規則の変更はどの程度の頻度で必要?届出のタイミングは?

A: 法改正対応は随時、制度見直しは年1回程度が目安です。変更があった場合は「遅滞なく」届け出る必要があり、実務的には変更後1か月以内の届出が推奨されます。総務担当者の負担軽減のため、顧問社労士との継続契約により、法改正情報の提供と必要な変更作業のサポートを受けることが効果的です。数年まとめての変更は認められないため、都度の対応が必要です。

就業規則で築く強固な組織基盤と持続的成長

就業規則の適切な作成・運用は、法的義務の履行を超えて、組織の持続的成長と競争力強化の基盤となります。明確なルールによる組織統制、従業員の安心感醸成、労働紛争の予防、多様な働き方への対応など、多面的なメリットを通じて企業価値の向上に貢献します。

100名規模の企業では、成長に伴う組織の複雑化に対応できる柔軟かつ堅牢な就業規則が特に重要になります。事業拡大、新規事業展開、働き方改革、DX推進など、企業の成長に伴う様々な変化に対応できる制度設計により、持続的な競争優位を確立できます。

現在の就業規則に不安を感じていらっしゃるなら、今すぐ専門家にご相談ください。全国対応のHR BrEdge社会保険労務士法人では、2007年創業・顧問先50社の豊富な実績をもとに、複数事業場を含む包括的な就業規則の作成・管理をサポートいたします。法改正対応から助成金活用まで、貴社の成長ステージに応じた最適な制度構築により、安心できる労務管理基盤を確立いたします。LINE・Slack・Chatworkでの迅速な相談対応も可能ですので、まずはお気軽に無料相談をご利用ください。

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