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賃上げ助成金:2025年版を徹底解説!申請で失敗しない重要ポイント

2026.01.21 スタッフブログ

物価高騰や人材不足を背景に、2025年も企業には継続的な賃上げが求められています。「従業員の給与を上げたいが、原資の確保が難しい」と悩む中小企業の経営者様も多いのではないでしょうか。そのような時に強力な支援策となるのが、国が提供する賃上げ助成金です。

賃上げ助成金:2025年版を徹底解説!申請で失敗しない重要ポイント

しかし、助成金の制度は毎年のように改正され、要件が複雑化しています。「どの助成金が自社に合っているのか」「申請手続きは難しくないのか」といった疑問を持つ方も少なくありません。この記事では、2025年版の最新情報を踏まえ、賃上げ助成金の種類や具体的な申請ステップ、審査で失敗しないための重要ポイントを専門的な視点から分かりやすく解説します。

2025年版 賃上げ助成金の種類と基本を徹底解説

2025年度(令和7年度)に向けた動きの中で、中小企業が特に注目すべき賃上げ助成金は、主に「業務改善助成金」と「キャリアアップ助成金」の2つです。それぞれの制度は目的や対象が異なるため、自社の状況に合わせて適切なものを選ぶことが受給への第一歩となります。

業務改善助成金:設備投資とセットで活用

業務改善助成金は、事業場内の最低賃金を一定額(30円以上など)引き上げると同時に、生産性向上に資する設備投資を行った場合に支給される賃上げ助成金です。機械設備の導入やPOSレジシステム、労務管理システムの導入など、業務効率化にかかった費用の一部が助成されます。

2025年版の大きな変更点として注目すべきは、「事業主単位での助成上限額設定」と「対象労働者の雇用期間要件の延長」です。従来は事業場(店舗や工場)ごとの申請が可能でしたが、2025年度からは同一事業主(会社全体)での上限額(年間600万円など)が設定される見込みです。また、賃上げ対象となる労働者の雇用期間が「3ヶ月以上」から「6ヶ月以上」に延長される点にも注意が必要です。

キャリアアップ助成金(賃金規定等改定コース)

キャリアアップ助成金は、非正規雇用労働者(パート、アルバイト、契約社員など)の処遇改善を目的とした制度です。その中の「賃金規定等改定コース」は、就業規則などの賃金規定を改定し、対象となる非正規雇用労働者の基本給を3%以上増額させた場合に支給されます。

この賃上げ助成金の特徴は、設備投資が必須ではない点です。純粋に「人の処遇」を改善することで受給できるため、大規模な設備投資の予定がない企業でも活用しやすい制度と言えます。ただし、2025年度からは対象労働者の要件(新規学卒者の除外など)や助成額の見直しが入る可能性があるため、最新の要領を必ず確認しましょう。

その他の関連する支援策

上記の2つ以外にも、人材開発支援助成金(人への投資促進コース)など、賃上げと連動して加算措置が受けられる制度が存在します。また、税制面では「賃上げ促進税制」があり、助成金とは別に法人税の控除を受けることができます。これらを組み合わせることで、賃上げ助成金の効果を最大化し、経営負担を軽減することが可能です。

あなたの会社は対象?賃上げ助成金の受給条件をチェック

賃上げ助成金は、申請すれば誰でも貰えるわけではありません。基本的な受給条件を満たしているか、申請前に必ずセルフチェックを行いましょう。ここでは、多くの制度に共通する重要な要件を解説します。

中小企業・小規模事業者であること

多くの賃上げ助成金は、中小企業の支援を主目的としています。そのため、資本金の額や従業員数が一定以下である「中小企業事業主」であることが大前提です。さらに2025年度からは、実質的に大企業の支配下にある「みなし大企業」が対象外となる規定が強化されています。親会社からの出資比率や役員の兼任状況などを確認しておきましょう。

解雇や会社都合退職がないこと

助成金は雇用の安定を目的としているため、申請の前後(通常は6ヶ月程度)に解雇や会社都合による退職者がいると、不支給となるケースがほとんどです。また、過去に不正受給を行っていないことや、労働保険料の滞納がないことも必須条件です。

就業規則等の整備と運用

賃上げ助成金の申請には、賃上げの内容を反映した就業規則や賃金規程の改定と届出が必要です。単に口頭で「給料を上げる」と約束しただけでは認められません。また、就業規則の内容が現行の法令(最低賃金法や労働基準法)に適合しているかどうかも厳しくチェックされます。特に「残業代(割増賃金)が正しく計算され、支払われているか」は最重要チェック項目の一つです。

【図解でわかる】賃上げ助成金申請の具体的なステップ

賃上げ助成金の申請は、正しい順序で進めることが何より重要です。手順を一つでも間違えると、要件を満たしていても不支給になる可能性があります。ここでは、一般的な申請の流れを4つのステップに分解して解説します。

  • ステップ1:現状分析と計画策定
  • ステップ2:交付申請書の提出
  • ステップ3:事業の実施(賃上げ・設備導入)
  • ステップ4:事業実績報告(支給申請)

ステップ1:現状分析と計画策定

まず、自社の現状(現在の最低賃金、従業員数、導入したい設備など)を整理します。その上で、「誰の賃金を、いつ、いくら上げるのか」「どの賃上げ助成金を使うのか」を決定し、具体的な事業計画を策定します。この段階で、見積書の取得や就業規則の改定案の作成も進めておきましょう。

ステップ2:交付申請書の提出

計画が固まったら、管轄の労働局へ「交付申請書」を提出します。これは「これからこのような計画で賃上げと設備投資を行いますので、承認してください」という申請です。賃上げ助成金において最も重要なルールは、「交付決定通知が届くまでは、設備の発注や契約をしてはいけない」という点です。

ステップ3:事業の実施(賃上げ・設備導入)

労働局から「交付決定通知書」が届いたら、いよいよ計画を実行に移します。設備の発注・納品・支払いを完了させ、就業規則を改定して実際に賃上げを行います。この際、全ての証拠書類(契約書、納品書、領収書、振込控、賃金台帳など)を確実に保存してください。特に支払いは銀行振込で行い、記録を残すことが原則です。

ステップ4:事業実績報告(支給申請)

全ての取り組みが完了したら、期限内に「事業実績報告書(支給申請書)」を提出します。ここでは、計画通りに事業が実施されたことを証拠書類とともに報告します。労働局の審査を経て、問題がなければ助成金額が確定し、指定口座に振り込まれます。この最終審査が完了するまで、数ヶ月かかることもあります。

知っておきたい!賃上げ助成金申請でよくある失敗と注意点

申請手順を守っているつもりでも、細かなミスで不支給になってしまうケースが後を絶ちません。ここでは、賃上げ助成金の申請で特によくある失敗事例を挙げます。これらを事前に把握し、リスクを回避しましょう。

  • 交付決定前の「フライング発注」
  • 賃上げ実施時期のミス
  • 残業代の計算間違いと未払い
  • 見積書の不備や有効期限切れ

交付決定前の「フライング発注」

業務改善助成金などで最も多い失敗がこれです。「急いでいるから」と、労働局からの交付決定通知が届く前に設備の発注や契約をしてしまうと、その費用は一切助成対象になりません。必ず「交付決定」→「発注・契約」の順序を守ってください。

賃上げ実施時期のミス

賃上げ助成金には、「いつまでに賃上げを行い、就業規則を改定・届け出する必要がある」という期限が定められています。また、賃上げの効力発生日と実際の支給開始月にズレがあると、要件を満たさないと判断されることがあります。就業規則の附則などで適用日を明確にしておく必要があります。

残業代の計算間違いと未払い

審査の過程で提出する賃金台帳(給与明細)は、隅々までチェックされます。その際、基本給の賃上げは行っていても、残業代(割増賃金)の単価計算が間違っていたり、未払いがあったりすると、労働基準法違反となり不支給になります。特に固定残業代制を導入している企業は、計算が適正か慎重な確認が必要です。

賃上げ助成金を最大限に活かすためのポイントとコツ

賃上げ助成金は、単にコストを補填するだけでなく、企業の成長を加速させるツールとして活用すべきです。ここでは、制度を最大限に活かすためのポイントを紹介します。

スケジュール管理を徹底する

助成金には必ず「事業完了期限」があります。例えば業務改善助成金の場合、例年であれば翌年の1月末などが期限となります。この日までに設備の納品、支払い、賃上げ後の給与支払いまで全て完了している必要があります。年末年始は業者が休みになることも考慮し、余裕を持ったスケジュールで動くことが成功の鍵です。

他の制度との併用を検討する

一つの取り組みで複数の助成金を受け取ることは原則できませんが、目的や対象経費が異なる場合は併用が可能なケースがあります。例えば、設備投資には「業務改善助成金」を使い、人材育成には「人材開発支援助成金」を使うといった組み合わせです。自社の課題に合わせて最適なポートフォリオを組みましょう。

専門家のアドバイスを活用する

2025年の改正を含め、賃上げ助成金の要件は非常に複雑で、審査も厳格化しています。自社だけで全ての手続きを行うと、書類作成に膨大な時間がかかり、本来の業務に支障が出ることもあります。制度に精通した専門家のアドバイスを受けることで、最新情報の把握漏れを防ぎ、スムーズな申請が可能になります。

チェックリスト

最後に、賃上げ助成金の申請準備が整っているか確認するためのチェックリストを用意しました。申請前にぜひご活用ください。

  • 直近6ヶ月以内に解雇者を出していないか
  • 労働保険・社会保険に適切に加入しているか
  • 残業代(割増賃金)の未払いはないか
  • 就業規則や賃金規程は整備され、届出されているか
  • 交付決定通知が届く前に、発注や契約をしていないか
  • 導入する設備は、生産性向上に資するものか(汎用品ではないか)
  • 賃上げ後の給与額が、地域別最低賃金を下回っていないか

賃上げは企業にとって大きな決断ですが、適切な賃上げ助成金を活用することで、その負担を「投資」へと変えることができます。2025年の最新情報を味方につけ、従業員にとっても会社にとってもプラスとなる賃上げを実現しましょう。

関連する詳しい情報はこちらのブログ一覧もご参照ください。

まとめ

2025年版の賃上げ助成金について、主要な制度である「業務改善助成金」「キャリアアップ助成金」の特徴や、申請の具体的なステップ、失敗しないための注意点を解説しました。制度は年々変化しており、特に「事業主単位での上限設定」や「交付決定前の発注禁止」といったルールは厳守する必要があります。

助成金を活用する最大の目的は、単にお金をもらうことではなく、賃上げを通じて従業員の定着率を高め、業務効率化によって企業の競争力を強化することです。今回ご紹介した手順とチェックリストを参考に、計画的な準備を進めてください。正しい知識と手順で申請を行えば、賃上げ助成金は御社の成長を支える大きな力となるはずです。

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