新着情報

雇用形態の書き方で失敗しない!労務リスクを回避する正しい記載方法

2025.10.17 スタッフブログ

毎月の給与計算作業に追われる中、「この従業員の雇用形態、労働条件通知書にどう書けばいいんだろう?」と迷った経験はありませんか。雇用形態の書き方ひとつで、労働基準監督署からの指導や従業員とのトラブルに発展することもあります。

特に従業員100人規模の企業では、正社員・契約社員・パートタイム・派遣社員など多様な雇用形態が混在しているため、それぞれの特徴を理解した正確な記載が求められます。また、働き方改革関連法の施行により、同一労働同一賃金への対応も必要となり、雇用形態の明確な区別がより重要になっています。

本記事では、全国対応のHR BrEdge(エイチアールブレッジ)社会保険労務士法人が、各雇用形態の正しい書き方と実務上のポイントを、総務担当者と経営者の両方の視点から詳しく解説します。これらの知識を身につけることで、労務リスクを未然に防ぎ、従業員との信頼関係を築くことができるでしょう。

雇用形態の基本知識と正確な書き方のポイント

雇用形態の書き方を理解するには、まず法的な定義と区分を正確に把握することが重要です。労働基準法では「期間の定めのない労働契約」と「期間の定めのある労働契約」の2つに大別されますが、実務上はより細かな分類が必要となります。

正社員(無期雇用フルタイム)の場合、労働条件通知書には「期間の定めなし」と明記します。ただし、多くの企業で見落とされがちなのが、試用期間の扱いです。試用期間中も雇用形態は正社員として記載し、別途「試用期間:入社日から3か月間」と併記するのが正しい書き方です。

契約社員(有期雇用フルタイム)については、「期間の定めあり:○年○月○日から○年○月○日まで」と具体的な期間を明示します。経営者の視点では、更新の可能性についても「更新する場合がある」「更新しない」「契約期間満了時に判断する」のいずれかを明確に記載することで、後のトラブルを防げます。

パートタイム労働者の雇用形態記載では、「短時間労働者(パートタイム)」と記載し、所定労働時間を明確にします。「週○日、1日○時間勤務」といった具体的な記載が必要です。総務担当者が注意すべきは、社会保険の加入要件を満たす場合の処理です。週20時間以上かつ月額88,000円以上の場合は、雇用形態の書き方に加えて社会保険加入の手続きも同時に進めましょう。

特に複雑なのが限定正社員の扱いです。勤務地限定・職務限定・勤務時間限定など、何らかの限定がある正社員の場合は、「正社員(勤務地限定)」のように限定内容を併記します。就業規則においても、通常の正社員との区別を明確にしておく必要があります。

助成金申請を検討している企業では、雇用形態の書き方が助成金の受給要件に影響することもあります。たとえば、キャリアアップ助成金では、有期雇用から無期雇用への転換が要件となるため、転換前後の雇用形態を正確に記録しておくことが重要です。

実務で使える雇用形態記載の改善方法と成功事例

雇用形態の書き方を改善するには、標準フォーマットの作成から始めることが効果的です。多くの企業で見られる失敗例として、部署ごとに異なる書き方をしているケースがあります。

製造業A社(従業員120名)では、以前は工場と本社で雇用形態の記載方法がバラバラでした。工場では「パート」、本社では「短時間労働者」と記載し、同じ勤務条件でも表記が異なる状況が続いていました。この状況を改善するため、全社統一の記載ルールを策定しました。

具体的には、正社員は「正社員(期間の定めなし)」、契約社員は「契約社員(○年○月○日~○年○月○日)」、パートは「短時間労働者(週○日・1日○時間)」と統一しました。さらに、各雇用形態の社会保険加入要件もチェックリスト化し、手続きの漏れを防ぐ仕組みを構築しました。結果として、労働基準監督署の調査でも指摘事項がゼロとなり、従業員からの問い合わせも大幅に減少しました。

一方で、IT企業B社(従業員90名)の失敗例もご紹介します。同社では業務委託と雇用の区別が曖昧で、実質的には雇用関係にあるフリーランスを「業務委託」として処理していました。労働基準監督署の調査により、偽装請負として指摘を受け、さかのぼっての社会保険加入と割増賃金の支払いが必要となりました。

この事例から学べるのは、雇用形態の書き方は単なる事務作業ではなく、法的リスクと直結しているという点です。経営者にとっては、適切な雇用形態の管理がコンプライアンス体制の基盤となります。

成功に導くアクションとして、まず現在の雇用契約書・労働条件通知書を総点検しましょう。総務担当者は、各雇用形態の記載内容を統一し、法定記載事項が漏れていないかをチェックします。顧問社労士がいる場合は、アウトソースして専門的な観点から診断してもらうことも有効です。

DX化の観点では、人事システムに雇用形態マスタを設定し、選択式で入力できるようにすることで、記載ミスを防げます。また、雇用形態に応じた必要書類のチェックリストも自動表示されるよう設定すれば、内製化しながらも品質を保てます。

雇用形態の書き方に関するよくある疑問Q&A

Q1:正社員から契約社員に雇用形態を変更する場合、どのように書き方を変更すればよいですか?

A:雇用形態の変更は労働条件の不利益変更にあたる可能性があるため、慎重な対応が必要です。まず従業員の同意を得た上で、新たな労働条件通知書を作成します。記載内容は「契約社員(○年○月○日~○年○月○日)」とし、契約更新に関する取り決めも明記します。経営者としては、変更理由を明確にし、可能であれば激変緩和措置も検討しましょう。総務担当者は、社会保険や雇用保険の手続き変更も忘れずに行う必要があります。

Q2:週4日勤務の従業員の雇用形態はどう書けばよいでしょうか?

A:週4日勤務の場合、1日の勤務時間によって書き方が変わります。1日8時間×週4日(週32時間)であれば「短時間労働者(週4日・1日8時間)」と記載します。ただし、週20時間以上かつ月額88,000円以上の場合は社会保険加入対象となるため、手続きも必要です。就業規則においても、短時間勤務制度として位置づけを明確にしておくことが重要です。

Q3:派遣社員を直接雇用に切り替える際の雇用形態の書き方を教えてください。

A:派遣社員の直接雇用化では、まず雇用形態を「正社員」「契約社員」「パートタイム」のいずれにするかを決定します。多くの場合、派遣時の勤務条件を踏まえて契約社員からスタートし、「契約社員(○年○月○日~○年○月○日、更新する場合がある)」と記載します。総務担当者は、派遣元との契約終了手続きと並行して、社会保険の資格取得手続きを進めます。助成金の対象となる場合もあるため、事前に確認しておきましょう。

まとめ

雇用形態の書き方は、労務管理の基盤となる重要な作業です。正確な記載により、労働基準監督署の調査対応はもちろん、従業員との信頼関係構築にもつながります。

特に従業員100人規模の企業では、多様な雇用形態が存在するため、統一されたルールと継続的な見直しが欠かせません。今回ご紹介したポイントを参考に、まずは現在の雇用契約書や労働条件通知書の総点検から始めてみてください。

もし「うちの雇用形態の書き方は大丈夫だろうか」「法改正への対応が追いついていない」といった不安をお持ちでしたら、専門家による診断を受けることをお勧めします。全国対応のHR BrEdge(エイチアールブレッジ)社会保険労務士法人では、雇用形態の適正化から給与計算、各種手続きまで、企業の成長に合わせた柔軟なサポートを提供しています。

今すぐ無料相談で、労務リスクの診断と改善提案を受けてみませんか。オンライン対応も可能ですので、まずはお気軽にお問い合わせください。

LINE お問合せ

大阪なんば駅徒歩1分
給与計算からIPO・M&Aに向けた労務監査まで
【全国対応】HR BrEdge社会保険労務士法人

こちらの内容もお勧めです